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40.旧家
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「今の実家に引っ越す前?」
「はい。父親から伺ったんですが、私たち家族は私が小学校に上がるタイミングで引っ越したそうなんです。だから通っていた幼稚園も昨日見てまわったところとは全く違う場所です」
今日はその幼稚園を見に行こうということなのだろうか。全く違う場所ということは移動にも昨日より時間がかかるかもしれない。場所によるけれど。
「寮の門限に間に合うようなら付き合うよ。昨日探しものに付き合うって約束をしたことには間違いないしね」
謎といっても良い気になることはまだ残っている。美波さんが何を探しているのかを当てるという一つ目の課題は昨日解決した。しかし根本的な問題である探しもの――。美波さんの記憶喪失については分からずじまいだった。それは約束とは別で個人的にも気になっている。
「ありがとうございます! 真壁君は天使のような人です。本当に優しい人です。真壁君なしでは私は生きていけないかもしれません」
「あんまり褒め過ぎないで。慣れてないから」
「これから慣らしていきましょう。真壁君は褒められるべき人格の持ち主なので」
「あー、はいはい」
適当に流しはしたものの、照れくさくてたまらない。この状況に早く美波さんが飽きてほしいものだ。
「はい。父親から伺ったんですが、私たち家族は私が小学校に上がるタイミングで引っ越したそうなんです。だから通っていた幼稚園も昨日見てまわったところとは全く違う場所です」
今日はその幼稚園を見に行こうということなのだろうか。全く違う場所ということは移動にも昨日より時間がかかるかもしれない。場所によるけれど。
「寮の門限に間に合うようなら付き合うよ。昨日探しものに付き合うって約束をしたことには間違いないしね」
謎といっても良い気になることはまだ残っている。美波さんが何を探しているのかを当てるという一つ目の課題は昨日解決した。しかし根本的な問題である探しもの――。美波さんの記憶喪失については分からずじまいだった。それは約束とは別で個人的にも気になっている。
「ありがとうございます! 真壁君は天使のような人です。本当に優しい人です。真壁君なしでは私は生きていけないかもしれません」
「あんまり褒め過ぎないで。慣れてないから」
「これから慣らしていきましょう。真壁君は褒められるべき人格の持ち主なので」
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適当に流しはしたものの、照れくさくてたまらない。この状況に早く美波さんが飽きてほしいものだ。
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