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え、僕はこれから喋るオナホールを使わないといけないの?
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「え、え、なんだよ。いったいなんなんだよ気持ち悪い。え、まじで、え?」
僕は距離を取ったまま睨み付けるようにオナホールを見て言った。幻聴でなければ確かにあれは声を出した。声を出したのだ。
オナホールが入っていた箱を手に取って眺めても声を出す機能なんて書かれていない。それにもし声を出すにしてももっとあるだろう。もっと良いやつがさ!
恐る恐る床に落ちたオナホールに近づく。すると――
「え、何? どこここ?」
オナホールは自立してそう言ったのだった。
「なんでオナホールが喋ってんだ」
「え?」
オナホールは一度僕の顔を見ると、姿見の方を見て自分の体を確認していた。
「目もないのにどうやって見てるんだよ!」
ついつい冷静に突っ込んでしまったが頭の中はまったくもって冷静ではない。オナホールの箱とローションを持った手は震えている。
「なんか良い感じに見えてますよ。ほらこの辺に目がある感じで」
「この辺てどこだよ! 指差そうとしてるのかもしれないけどオナホールに指ないからね!」
微妙にクネクネしている様子からなんとなく入り口の上部の空間に視覚があるっぽい。しかしなおのこと意味がわからなくなる。ここまで来ると心霊現象や超常現象の類いで間違いない。心は拒絶しているが頭では受け入れるしかない。ただ一点、どうしても受け入れがたいものがある。
「一週間分の食費だったんだけどな……」
「今不安になるのそこ?!」
今度は逆にオナホールに突っ込まれてしまった。
「オナホールが突っ込んでくるなよ! オナホールは突っ込まれる側だろ!」
「いきなり下ネタやめてください」
「いや、お前自分のこと鏡で見たことある?」
「今見たところです! なんですかこれ?」
「ほら、自分で読め」
「えっとなになに……。あの子の中を思い出す。これはまるで初恋の具現化……。超絶快感オナホール……」
「はい。良くできました」
オナホールはプルプル震えている。なんだか慣れてきたら少し可愛らしくも見えてくる。僕は頭がおかしくなってしまったのだろう。
「オナホールというのは?」
「オナニーするのに使うホールだよ。ほら、紹介動画」
僕はそう言って今度はスマホで使用方法を紹介する動画を見せた。このオナホールを作った会社ではなく、エーワンという別会社のものだが。
「が、がんばります」
「え、え、ん? 今なんて?」
「私、がんばってオナホールの役目を果たします!! どうぞ使ってください!!」
オナホールはそう言うとまな板の上の鯉のように大人しく床に横たわったのだった。
え、僕はこれから喋るオナホールを使わないといけないの?
僕は距離を取ったまま睨み付けるようにオナホールを見て言った。幻聴でなければ確かにあれは声を出した。声を出したのだ。
オナホールが入っていた箱を手に取って眺めても声を出す機能なんて書かれていない。それにもし声を出すにしてももっとあるだろう。もっと良いやつがさ!
恐る恐る床に落ちたオナホールに近づく。すると――
「え、何? どこここ?」
オナホールは自立してそう言ったのだった。
「なんでオナホールが喋ってんだ」
「え?」
オナホールは一度僕の顔を見ると、姿見の方を見て自分の体を確認していた。
「目もないのにどうやって見てるんだよ!」
ついつい冷静に突っ込んでしまったが頭の中はまったくもって冷静ではない。オナホールの箱とローションを持った手は震えている。
「なんか良い感じに見えてますよ。ほらこの辺に目がある感じで」
「この辺てどこだよ! 指差そうとしてるのかもしれないけどオナホールに指ないからね!」
微妙にクネクネしている様子からなんとなく入り口の上部の空間に視覚があるっぽい。しかしなおのこと意味がわからなくなる。ここまで来ると心霊現象や超常現象の類いで間違いない。心は拒絶しているが頭では受け入れるしかない。ただ一点、どうしても受け入れがたいものがある。
「一週間分の食費だったんだけどな……」
「今不安になるのそこ?!」
今度は逆にオナホールに突っ込まれてしまった。
「オナホールが突っ込んでくるなよ! オナホールは突っ込まれる側だろ!」
「いきなり下ネタやめてください」
「いや、お前自分のこと鏡で見たことある?」
「今見たところです! なんですかこれ?」
「ほら、自分で読め」
「えっとなになに……。あの子の中を思い出す。これはまるで初恋の具現化……。超絶快感オナホール……」
「はい。良くできました」
オナホールはプルプル震えている。なんだか慣れてきたら少し可愛らしくも見えてくる。僕は頭がおかしくなってしまったのだろう。
「オナホールというのは?」
「オナニーするのに使うホールだよ。ほら、紹介動画」
僕はそう言って今度はスマホで使用方法を紹介する動画を見せた。このオナホールを作った会社ではなく、エーワンという別会社のものだが。
「が、がんばります」
「え、え、ん? 今なんて?」
「私、がんばってオナホールの役目を果たします!! どうぞ使ってください!!」
オナホールはそう言うとまな板の上の鯉のように大人しく床に横たわったのだった。
え、僕はこれから喋るオナホールを使わないといけないの?
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