三つ巴デッドゲーム

色部耀

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三つ巴デッドゲーム

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「おいおい。ここはどこだよ」


 壁一面には見渡す限りの草原――の絵が描かれ、天井には青空が広がる――かのような錯覚を覚える写実的な青。床が真っ白なことだけが違和感を引き立たせる。

 そんな中どこだよと大声を上げたのは欧米人だろうか? 筋骨隆々金髪碧眼の男。なぜ日本語を話しているのかは謎だけど。綺麗な壁を軽くこつこつと叩きながら部屋を一周まわっていた。出入り口は……無いみたいだ。

 そしてもう一人。黙して座る黒髪長髪の痩せた男性。見た感じ中国の人だろうか? 部屋の真ん中にある三角天板のテーブルを囲うように置かれた三脚の椅子。疑うことも恐れることも無く座る彼の精神に驚くべきなのかもしれない。


「アテンションプリーズ♪」


 部屋の中に突然鈴の音のような可憐な声とともに現れたのはまごうこと無きバニーガールだった。白い肌に黒いウサギのコスチューム。……目のやり場に困る。目のやりバニー困る。



「三つ巴デッドゲームぅ♪ MIQ会員のお三方! 残念ながらあなたたちは死んでしまったようですぅ。しかしゲームに勝った一名様は生き返ることが許され、さらにさらに豪華特典をプレゼント! ぱんぱかぱーん!」


 バニーの背後から紙吹雪が飛び出すが、俺を含めた部屋の中の三人は演出に反してテンションが上がらない。当然だ。意味が分からないのだから。


「はいそこぅ! 意味が分からないとか思っちゃダメよぅ♪ 今から説明するんですぅ!」


 心を……読んだ? 俺を指差して言ったのだから間違いない。


「私の名前はミック! 親しみを込めてミックちゃんって呼んでねぇ~。そして君たちは死者A・B・Cだよぅ♪ 名前はザクス、ジャン、鈴木」


 俺だけ苗字……だよな?


「君たちには死の瞬間の記憶があるはず。なら、死んだ自覚もあるよねぇ? 伊達にMIQ会員じゃないんだし、理解は早いでしょ?」


 MIQ会員――IQテストで200を超えることが条件とされる高知能指数組織。活動は無く、ただ名前が登録され会員カードが貰えるだけの集団。俺は大学時代に興味本位でテストを受け、たまたま合格してしまっただけの会員だ。


「君たちMIQ会員は、死後特別に超能力を手にする特典付きで生き返るチャンスが与えられますぅ♪ やったね! 嬉しいね! それではその超能力をごしょ~か~い」


「おいウサギ。質問だ」


「耳が悪いので聞こえませーん♪」


 その耳は見た目通りの飾りかよ。


「あーあー、分かった。てめーがここのルールって訳だな」


 確かザクス……と言ったか。欧米系の男は素直に納得して椅子に腰かけた。俺も一人だけ立っていて目立つのも嫌なので同じように座る。


「改めましてドン!」


 ミックちゃんの隣に三枚のカードが浮かぶ。そこに書かれた文字……何語なのか分からない。分からないが読める。


 時間を巻き戻す力

 他人を操れる力

 人の心が読める力


「なるほど、異国の人間の言葉が理解できるのはこの世界の力か」


 静かにしていた長髪の中国人が小さくつぶやいた。変な文字が理解できてしまうことといい、間違いないだろう。


「じゃあ、ミックちゃんが能力の説明をするねぇ♪ 時間を巻き戻す力はその名の通りだけど、ここではゲーム開始時に時間を戻すよぉ。もちろん使った本人の記憶はそのまま。便利だよねぇ♪ 生き返ってからだと一日前に戻すことができるよぉ♪ 他人を操れる力は他人の行動を操れるよぉ♪ ここでは、ゲームに関わる行動を操れるよぉ♪ しかも操られた本人は全く気が付きませぇん。生き返ってからだと、どんな行動でも操れるよぉ♪ 怖いねぇ怖いねぇ。人の心が読める力は誰か一人が考えている事が読めちゃーう。でも十秒だけぇ。あんまり心の声を聞くのは野暮だからねぇ♪ これはここでも生き返ってからでも一緒よぉ♪ そして……」


 ミックちゃんはピョンと跳ねると人差し指をピンと立てた。


「ここの世界でも、生き返った世界でも一回ずつしか使えないのでご注意くださぁい♪ 以上、カードを配りまぁす」


 超能力名が書かれたカードが空中でシャッフルされて俺達が座るテーブルに俯せに置かれる。シャッフルは目で追えない仕様になっているのだろう。理解不能な混ざり方をしていた。テーブルで目の前に置かれたカードが自分の能力になる――ということで間違いないだろう。

 俺も、残りの二人も自分にしか見えないようにカードをめくった。ゲームの内容によるが、勝つ為には心を読む以外が有力か――。

 人の心が読める力――。

 俺に配られたカードには残酷にもその言葉が意味する文字が書かれていた。よりにもよって……しかし表情には出してはいけない。いまいち受け入れられてはいないが、この後にゲームが待っているのだとしたら手札をばらす訳にはいかない。

 俺はどうしても生き返らなくてはいけないんだ。

 それにこの力なら……。


「じゃあ、ゲームの説明をするねぇ♪」


 ミックちゃんがそう言うと俺達の目の前に四枚ずつの計十二枚のカードが置かれた。絵柄が書かれたそのカードは見間違い様がない。トランプだ。


「世界で最も人を殺す物、お金! 世界で最も人を救う物、お金! そのお金のやり取りに使われるゲームで最も使われているもの。それはトランプぅ! この四枚ずつのトランプを使って戦ってもらいますぅ♪」


 手元に置かれたトランプはJ・Q・K・Aの四枚。他の二人のトランプも同じようだ。


「キング・クイーン・ジャック・エースの順にカードは強いよぉ♪ でもぉ、キングが場に出てる時に限ってエースが一番強いよぉ♪ 分かったかなぁ?」


 分かったも何も分からなさすぎる。説明する気が無いとしか思えない。推察するには、それぞれがカードを出し合い最も強いカードを出した者が勝ち……と言ったところだろう。


「四回勝負で一度使ったカードは二度と使えない……勝ち星の合計で勝敗が決まる……といったところか?」


 ジャンが質問……というより確認に近いか。ミックちゃんにそう言うと、ミックちゃんは大喜びで飛び跳ねた。


「正解正解大正解ぃ! 他に質問は無いかなぁ?」


 ザクスも同じ考えだったようで、すんなりと次の質問を切り出した。


「このゲーム、ルール上引き分けが発生すると思うが、その場合勝敗はどうやって決める? もし延長や仕切り直しをする場合、力の使用制限はリセットされるのか?」


「うん! じゃあ、それでいいよぉ♪ 引き分けたら仕切り直しで力の使用制限リセットねぇ♪」


 思いの外ルールを簡単に決めてしまったけど良いのだろうか? まあ、妥当なルールではあるか……。しかし、ルール以前に問題はその力だ……ザクスとジャンが心を読む力ではない事しか分からない状態。時間を巻き戻す力も他人を操れる力も強力だ。

 心を読む力だけでどう対抗するべきか……。それが問題だ。


「じゃあぁ! ゲームスタートぉ!」


 このゲームに勝つためには――いや、負けないためには最低二つの勝ち星をあげる必要がある……。しかし二勝の場合、十中八九引き分けでの延長だ。簡単に二勝時の采配を想定してみたが、ランダムに想定した二十パターンの内、単独勝利は一度だけ……。では、三勝……いや全勝を目標に読み勝たなければいけない。それに、チャンスは初めの一回だろう。

 収束する確率を考えると、延長と力のリセットが行われるたびに能力として劣っている俺に不利だ。今回で全勝……ははっ笑えて来る。確率が低すぎる……。

 ここは逃げ切り先行の為にAかKを出すべきだろう。ランダム選出の場合、勝率が最も高いのはK、ついでQ、そしてAで最後にJ。ゲーム心理を考察に入れるなら最も勝率の高いKが初めに出てくる確率がより高くなる。そうすると必然的にAを出した場合の勝率も跳ね上がる……。Aを出すべきか……。

 しかし、全勝を見据えてのカード采配を選ぶとなると……。Jを使って勝利することが必要となる。JとAしか場に出ていない状況で俺がJを出していなくてはいけない。そんなもの、それこそ時間を巻き戻す力が必要だ。……待てよ? 俺以外のどちらかは時間を巻き戻す力を持っているんだよな? そいつも俺と同じことを考えているなら、JとAが出てくる場面で確実にJを出してくるはず……となれば初めから博打を打つべきだ。時間を戻してその後の行動を変えたとしても確実に変わらない未来……その一手目で動かないといけない。

 これが巻き戻し後のゲームだとしても巻き戻し前のゲームだとしても――。

 つまり初めに出すべきカードはJだ。そしてもう一つ――。俺以外がAとJだった場合。Jを出した奴が高確率で時間を巻き戻した者。今回が巻き戻し後のゲームだと思っても良い。

 そうとなると出すカードは決まりだ。


「みんなぁ♪ 決まったかなぁ? じゃあ、テーブルの上に一枚だけカードを俯せて置いてねぇ」


 言われるがままに俺たちはカードを置く。


「オープン!!」


 ミックちゃんがそう言うと、置かれたカードが自動的にひっくり返る。俺のカードはJ。そして残りの二人のカードは……。

 ザクスがA。

 ジャンがJ。

 決まった。ジャンが時間を巻き戻す力の持ち主――。ここからが勝負だ。俺とジャンとの一騎打ち――。

 ザクスには申し訳ないが、もうザクスが俺たちに勝てる見込みは無い。せいぜい引き分けを祈っていてもらおう。


「ははっこれは上手くいったみたいだな!」


 突然笑い出したザクスにジャンは怪訝な表情を、俺は驚きの表情を作る。


「信じる信じないは自由だが、俺は力を使って時間を戻させることに成功したみたいだ。初手の直後、俺の力を使って……な」


 他人を操る力……それを使ってか。


「俺は元より生き返るつもりなんてねぇ。お前さんらのどっちかが生き返ったらいい。でもな。能力の差で不公平が起きるのは見てらんねぇ。だから早々に時間を巻き戻させてもらったわけだ」


「……」


 ジャンは相変わらず黙したままだ。ここで失言することを恐れているのだろうか。

 まあ、そんなことはどうでもいい。俺はこの後も読み勝って生き返る……それだけだ。次に考えるべき采配……ジャンと俺は手札が同じ、ということは俺が全勝で単独勝利をするためには俺のQでジャンのAを潰して勝たなければいけない。それと、ザクスかジャンがKを出した時に俺がAで勝ち星をあげることが必要――か。

 残るパターンは俺とジャンが全勝もしくは二勝同士で引き分け、三人揃って一勝もしくは二勝での引き分け、そして俺かジャンが全勝もしくは三勝の単独勝利。

 今が力の使い時か……。


「ではぁ。次ぃ!」


 ミックちゃんの声に押されて俺達三人はカードを提出する。


「オープン!!」


 ジャン、K。

 ザクス、Q。

 俺……K。

 無難に俺とジャンが白星を重ねる。そのおかげで最後まで勝敗も引き分けも分からないままとなった。勝利を掴むためには……。

 ザクスのKを単独でAを使って一勝を上げなくてはならない。


「ははっ。最後の最後に俺次第で勝敗が変わる展開になっちまったな! まあ気軽に行こうぜ。どうせ一度は落とした命だ」


 タバコがあったらプカプカとふかしていそうな態度のザクス。一度は落としたとは言え、俺は生き返ってどうしてもやりたいことがあるんだ。まだあきらめられない。

 今後のパターンは八通り、俺かジャンが単独勝利するパターンがそれぞれ二通りずつ、引き分けが四通り。俺の力を使ってどちらか一人の手を読んだとしても、引き分けと勝利の確率を五分五分にするのが関の山……。ここまで――ここまで来たんだ。どうすれば勝てる……。

「それじゃぁ、最後だねぇ! はぁい♪」


 ミックちゃんの言葉に従い、ザクスとジャンがカードを手に持つ。


「二人は! 何のカードを出すんだ?」


 俺の問いに二人はもちろん答えるはずがない。しかし俺はここで力を行使する。


「はぁい♪ じゃあオープン!!」


 力を行使し、俺が選んだカードはQ――。

 他の二人はというと……。

 ザクス、J――。

 ジャン、A――。

 つまり……。


「俺の勝ちだ――」


 現状、俺の三勝ジャンの二勝ザクスの零勝。最後に残されたカードの勝敗を合わせると、俺の単独勝利だ。


「くそ……五十パーセントの確率に負けるなんて……」


 ジャンは静かに悔し涙を流していた。――彼も彼なりに生き返るべき理由があったのだろう。だからと言って譲る訳にはいかないが……。


「さて、俺が勝ったわけだけど、どんな感じで生き返らせてくれるんだ?」


「おいおい、ちょっと待てよ。その前に種明かし……してくんねぇか? 運だけで勝ちました……なんて言われても腑に落ちなくてよ」


 生死には無頓着そうだったザクスも、俺の力の使い方には興味があったらしい。なるほど、まあちょっとイカサマみたいなことしちゃったしな……。


「最後に二人にカードを聞いた時に力を使ったんだ」


「じゃあ、俺の心を読んでJにQを当てたって事か? 本当に二分の一で勝ったって事か……」


「いいや……俺が心を読んだのはザクスじゃない」


 その言葉にザクスだけではなくジャンも目を見開く。それもそうだ。二人のうちどちらかの心を読んで自分の手札を決めるなら当然ザクスを読むべきなのだから。ザクスの手を読んだ場合は勝利と引き分けが二分の一になり、ジャンの手を読んだ場合は勝利と敗北が二分の一になるのだから。だから俺はあえてザクスの心を読まなかった。


「俺が心を読んだのはミックちゃんだよ」


 初めの台詞を覚えているだろうか? ミックちゃんが俺の心を読んで話をしていたことを。

 五十パーセントの勝負より、ミックちゃんが全員の心を読むことができるという可能性の方が俺にとっては高かった。ただそれだけのことだ。


「ははっ! 敵わねぇや。鈴木、自信を持って生き返れ」


「で、生き返り方なんだけど……」


 ミックちゃんはうさ耳をプルプルと動かしながら上機嫌に俺の顔を覗き込む。


「死んでしまう十分前にタイムリープさせてあげますぅ♪ どうかなぁ? もうちょっと前にしよっかぁ?」


「いいや、それで足りる」


「だな。俺も十分あれば事故なんかに遭わねぇ。ちなみに鈴木はなんで死んじまったんだ?」


「後で……話すよ。ここで待っててくれ」


 ザクスは首を傾げている。これから生き返るのに直ぐに戻ってくるかのように言ったのが不思議なんだろう。戻ってくるかのように言っているのに、真剣にゲームで勝とうとしていたことが不思議なのかもしれない。


「じゃあ、頼むよミックちゃん」


「りょぉかぁい!!」


 ミックちゃんが手を叩くと乾いた音が広がり、俺の視界は暗転した。

   ***

 俺が意識を取り戻すと、目の前には見慣れた天井があった。何も聞こえない静寂。相変わらず動かない身体。瞼と眼球だけはどうにか動く。

 俺は余命十分の病で病院に繋がれている――。

 十分というのは、一度死んだから分かっているのであって、本当なら毎日毎日一秒後には死んでしまうのだろうと考えていた。枕元には母さんがやつれた顔で座っている。俺の手を握っていてくれている。触覚も無くなっている俺にはその温もりすら分からないのだけれど。

 その気持ちすら分からないのだけど――。

 祈るように握られた両手。母さんは一体どういう気持ちで俺の手を毎日握ってくれていたのだろうか。入院代も馬鹿にならない。もう死ぬしか道は無い。

 治るように祈ってくれているのだろうか。それとも何か別のことを考えているのだろうか。俺が生きている事で負担しかかけていないんだ。もし聴覚が失われていないなら聞きたい。

 俺のせいで不幸になってしまっている母さんの恨み言を聞きたい。


 できることなら謝りたい。


 頑丈な身体に生まれてきてあげられなかった事を謝りたい。だからせめて……母さんの恨み言を呪いのようにこの身に受けてあの世に行きたい……。

 だから……だから生き返って聞きたかったのだ。どうしても母さんの声を聞きたかったのだ。人の心が読める能力……もしこれ以外の能力だったとしたら、もっと違った生き返り方をさせてもらっていただろう。

 でもこの力なら……。

 この力なら耳が聞こえなくても母さんの心の声を聞くことができる。

 あの世に母さんの声を持っていくことができる……。

 あと一分で俺は命を全うする……。そろそろ力を使おう……。

 そして俺は半年ぶりに母さんの声を聞いた――。


『ごめんね……ごめんね聖司。健康な身体に産んであげられなくて。ごめんね……ごめんね聖司。私のせいで幸せになれなくて。ごめんね……ごめんね聖司。私がもっとちゃんとしてれば聖司ももっと長く生きて幸せになれたかもしれないのに。何もしてあげられないダメなお母さんでごめんね。ごめんね……ごめんね……ごめんね……』


 違う! 違うんだ! 母さん違うんだ!


 俺の声は届かない。瞼しか動かない俺は、涙も流せない俺には何も伝えることはできない……。心電図は、俺の動揺とは裏腹にどんどんと弱弱しくなっていく――。

 もう十秒経ってしまった。母さんの声はもう聞こえない。俺の命ももうすぐ終わる。死にたくない……死にたくない!!


 俺が死んだら母さんが悲しむ!!


 母さんはもう十分辛い思いをした。悲しんだ!! これからは幸せにならなきゃいけないんだ!! 俺が!! 俺が!!


「おかえり、鈴木くん」


 伸ばせるはずのない手を伸ばせたとき。そこにはさっきまで一緒にゲームをしていたザクスとミックちゃんがいた。


「た……ただいま」


「一騎打ちデッドゲームぅ♪ 残念ながらあなたはまた死んでしまったようですぅ。しかしゲームに勝った一名様は生き返ることが許され、さらにさらに豪華特典をプレゼント! ぱんぱかぱーん!」


「え?」


「今回の豪華特典はこちら!!」


「おまえら……」


「まあなんだ? 起こせる奇跡は起こしたいだろ? 俺も見ちまったし……」


「ミックちゃんは何も考えてませぇん♪ 神様に言われてやっているだけですぅ♪ さぁさぁデッドゲームと特典の説明をしますよぉ♪」


 神様だろうがうさ耳だろうがどうでもいいが……あの世は俺に優しくしてくれるらしい。

 母さん……俺、親不孝にも死んでしまったけど頑張るよ。


 そうしたらまた……。
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