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十一章:戦火の飛び火
第92話 広がる怨嗟
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一片の枯れ木すら残っていない、黒く焼け爛れた密林には騒ぎを聞きつけた近隣地域の消防団が調査を行っていたが、後に事情を知る騎士団の諜報班によって事件の一部へ脚色がされる事となる。人手が足りないことを言い訳に、数名ほどの幹部しか送り込まなかった騎士団の失態によって引き起こされたという事実を明るみにしたくないがための采配であった。
こうして、「ブラザーフッドによる凶行」の一つとして語り継がれることになったナクロス山脈における火災では、騎士団側の動向に関する詳細が徹底的に伏せられて報道され、世間における過激派の魔術師達への反感をより強いものへと昇華させたのである。
「隠れ蓑が滅ぼされた事は残念だが…感謝しよう」
死体への弔いを行う守り人達を横目に、クリスとヴァインは湿っぽく談合をしていた。
「お前の陣営にも犠牲者が出て、貴重な湿地帯だった自然は見る影もなくなった。何に対して感謝している ?見え透いた世辞なんかやめとけ。苛つくんだ」
「お前達の覚悟に対してだ。逃げる事もせず、懸命に協力をしてくれた…お前達がいなければ被害も更に甚大なものとなっていた」
やけっぱち且つ投げやりに言葉を吐き続けるクリスに、ヴァインは優しく言い聞かせた。気持ちは有難かったが、彼が以前に言っていた「元はと言えばお前が原因なんじゃないのか」という意見をクリスは忘れていなかったのである。二人が黙っていた暫くの間、せわしなく動く見張りの話や、弔いのためにすすり泣く人々の声が聞こえてくる。
「同盟の件、すぐにでも応じよう。こうもやられっ放しでは我々も黙ってはいられん」
「…ああ、ありがとう」
騎士団にとっては間違いなく最良と言える答えがヴァインの口から出てきたが、クリスは一言だけ礼を入れた後は謝意を見せることなく、遺体を焼く炎を見て黄昏ていた。詳しい日程などについては改めて伝えると彼に言い残し、クリスは目立たないようにその場を離れていく。向かった先は建物の内部にある治療室だった。
「あっ…」
「おう、クリス…」
部屋から出て来たらしいレグルとアンディが、向かって来るクリスに気づいて軽く手を振った。彼が近づくと、複雑そうな表情で視線を逸らして部屋の方を見る。
「命は助かったが…本人も今の現状を上手く受け止めきれてない」
レグルが呟くように言った。
「正直言って、会うのはお勧めしません…」
アンディもまた、自信なさげに話しかけて来た。二人に対してクリスは特に反応することなくドアの前に立ち、進まない気分を押し殺して数回ほど扉を叩いた。ファティマがいたらしく、入っても良いと許可をもらった後にクリスは扉を開いて中へと入室する。
「…」
「…」
待っていたのは強烈なほどに耐えがたい沈黙だった。互いに相手の出方を探っている内に、その様子を気まずく思ったファティマが適当な理由を付けて部屋を出ていく。焚かれた香の匂いで少し心を落ち着けたクリスは、ようやく寝床に横たわるグレッグの姿を目に入れた。
左肘から先にある筈の手はなく、丸みを帯びた切断面に包帯が巻かれている。片目も同じく白い包帯によって隠されていた。よく見ればその他の箇所にも治療を施された後がある。
「座っても良いか ?」
「…うん」
ようやくひり出した言葉は、当たり障りのない要求であった。グレッグも静かに口を開いてそれを承諾する。クリスは彼の近くに座り込んでから、片膝を立てたままどこか違う方を見ながら押し黙った。これから話す内容に察しが付く故、面と向かって話せる度胸が無かったのである。
「…左目が眼球破壊による失明、左腕欠損、軽度の火傷が多数…上半身の一部に重度の火傷あり…その他諸々だってさ」
グレッグは具合を聞きたかったのだろうと、先手を打って聞かされた情報を言い渡した。クリスはひたすらに黙って聞き入れており、深く影を落としたような面持ちで床を見ていた。
「…僕のせいだよ。彼の言った通りに応援を要請していれば良かった」
グレッグが喋り始めた。
「終わった後ならどうとでも言える…自分を責めるな」
「だけど予測するくらいならできた。それすらせずに変な安心感を抱いて…僕が彼を殺したんだ」
慰めようとするが、何が失敗だったのかとグレッグは自分の下した選択の過ちを責める。若干声が震えていた。不意に「僕が彼を殺した」という言葉で、クリスは自分の過去について思い出し始める。義理の家族だけではない。それよりも遥か昔、自身の恋人の死…その遠因を作った自分の過ちが脳裏に呼び起こされようとした。
「ク…クリス ?」
不意に呼吸が荒くなり始め、動悸が速まっていた自分に気づく。グレッグが不安げにこちらを見ていた。
「心配ない…まあ、その…なんだ。過去を振り返って、失敗を戒めにする事も大事だが未来にも目を向けてみるってのはどうだ。なぜ自分が生き残ったのか…その理由を考えろ…運命や因果さ。どんなものにも生きることを許された以上、きっと意味がある…命がある以上、それを信じて前に進むしかないだろ、今はな」
あまり人を励ますという行為に慣れてないという自覚はあったが、クリスはどうか自分を追い詰めないで欲しいとグレッグへ語り掛ける。
「ありがとう…でも、何だか君らしくない言葉だね」
「…俺の昔の恋人が良く言ってたんだ…悪かったな。誰かの受け売りみたいな言葉しか無くて…」
「大丈夫だよ…クリスって不器用そうだし…そんな励ましみたいな事を言う人だったっけって…不思議に思ったから」
いつもはそんな事を言うタイプでは無いだろうと、グレッグはクリスに尋ねてみた。クリスは昔に自分が言われた言葉を送っただけなのだと正直に白状してしまい、やってしまったと後になって後悔した。慌てて謝るが、グレッグも平気そうに彼へ本音をぶつける。少しだけ彼の顔に明るさが戻った様な気がした。
「とにかく…あまり思い悩むなよ。お前を必要として、求めている人がまだいるって事を忘れるな」
「君もその一人 ?」
「…丁度いい話し相手がいなくなると困る」
クリスはグレッグとそのような会話をした後に、恥ずかしさを隠すようにして部屋を出て行った。良くも悪くも彼らしいとグレッグは少し笑い、どの道ジョージの後を追うつもりは無いと心の中で決意を新たにしていた。ブラザーフッドに報いを受けさせたいという限りなく怨念に近いものだが、今となっては痛む肉体と教え子を失った喪失感を埋め合わせるには丁度良かった。
こうして、「ブラザーフッドによる凶行」の一つとして語り継がれることになったナクロス山脈における火災では、騎士団側の動向に関する詳細が徹底的に伏せられて報道され、世間における過激派の魔術師達への反感をより強いものへと昇華させたのである。
「隠れ蓑が滅ぼされた事は残念だが…感謝しよう」
死体への弔いを行う守り人達を横目に、クリスとヴァインは湿っぽく談合をしていた。
「お前の陣営にも犠牲者が出て、貴重な湿地帯だった自然は見る影もなくなった。何に対して感謝している ?見え透いた世辞なんかやめとけ。苛つくんだ」
「お前達の覚悟に対してだ。逃げる事もせず、懸命に協力をしてくれた…お前達がいなければ被害も更に甚大なものとなっていた」
やけっぱち且つ投げやりに言葉を吐き続けるクリスに、ヴァインは優しく言い聞かせた。気持ちは有難かったが、彼が以前に言っていた「元はと言えばお前が原因なんじゃないのか」という意見をクリスは忘れていなかったのである。二人が黙っていた暫くの間、せわしなく動く見張りの話や、弔いのためにすすり泣く人々の声が聞こえてくる。
「同盟の件、すぐにでも応じよう。こうもやられっ放しでは我々も黙ってはいられん」
「…ああ、ありがとう」
騎士団にとっては間違いなく最良と言える答えがヴァインの口から出てきたが、クリスは一言だけ礼を入れた後は謝意を見せることなく、遺体を焼く炎を見て黄昏ていた。詳しい日程などについては改めて伝えると彼に言い残し、クリスは目立たないようにその場を離れていく。向かった先は建物の内部にある治療室だった。
「あっ…」
「おう、クリス…」
部屋から出て来たらしいレグルとアンディが、向かって来るクリスに気づいて軽く手を振った。彼が近づくと、複雑そうな表情で視線を逸らして部屋の方を見る。
「命は助かったが…本人も今の現状を上手く受け止めきれてない」
レグルが呟くように言った。
「正直言って、会うのはお勧めしません…」
アンディもまた、自信なさげに話しかけて来た。二人に対してクリスは特に反応することなくドアの前に立ち、進まない気分を押し殺して数回ほど扉を叩いた。ファティマがいたらしく、入っても良いと許可をもらった後にクリスは扉を開いて中へと入室する。
「…」
「…」
待っていたのは強烈なほどに耐えがたい沈黙だった。互いに相手の出方を探っている内に、その様子を気まずく思ったファティマが適当な理由を付けて部屋を出ていく。焚かれた香の匂いで少し心を落ち着けたクリスは、ようやく寝床に横たわるグレッグの姿を目に入れた。
左肘から先にある筈の手はなく、丸みを帯びた切断面に包帯が巻かれている。片目も同じく白い包帯によって隠されていた。よく見ればその他の箇所にも治療を施された後がある。
「座っても良いか ?」
「…うん」
ようやくひり出した言葉は、当たり障りのない要求であった。グレッグも静かに口を開いてそれを承諾する。クリスは彼の近くに座り込んでから、片膝を立てたままどこか違う方を見ながら押し黙った。これから話す内容に察しが付く故、面と向かって話せる度胸が無かったのである。
「…左目が眼球破壊による失明、左腕欠損、軽度の火傷が多数…上半身の一部に重度の火傷あり…その他諸々だってさ」
グレッグは具合を聞きたかったのだろうと、先手を打って聞かされた情報を言い渡した。クリスはひたすらに黙って聞き入れており、深く影を落としたような面持ちで床を見ていた。
「…僕のせいだよ。彼の言った通りに応援を要請していれば良かった」
グレッグが喋り始めた。
「終わった後ならどうとでも言える…自分を責めるな」
「だけど予測するくらいならできた。それすらせずに変な安心感を抱いて…僕が彼を殺したんだ」
慰めようとするが、何が失敗だったのかとグレッグは自分の下した選択の過ちを責める。若干声が震えていた。不意に「僕が彼を殺した」という言葉で、クリスは自分の過去について思い出し始める。義理の家族だけではない。それよりも遥か昔、自身の恋人の死…その遠因を作った自分の過ちが脳裏に呼び起こされようとした。
「ク…クリス ?」
不意に呼吸が荒くなり始め、動悸が速まっていた自分に気づく。グレッグが不安げにこちらを見ていた。
「心配ない…まあ、その…なんだ。過去を振り返って、失敗を戒めにする事も大事だが未来にも目を向けてみるってのはどうだ。なぜ自分が生き残ったのか…その理由を考えろ…運命や因果さ。どんなものにも生きることを許された以上、きっと意味がある…命がある以上、それを信じて前に進むしかないだろ、今はな」
あまり人を励ますという行為に慣れてないという自覚はあったが、クリスはどうか自分を追い詰めないで欲しいとグレッグへ語り掛ける。
「ありがとう…でも、何だか君らしくない言葉だね」
「…俺の昔の恋人が良く言ってたんだ…悪かったな。誰かの受け売りみたいな言葉しか無くて…」
「大丈夫だよ…クリスって不器用そうだし…そんな励ましみたいな事を言う人だったっけって…不思議に思ったから」
いつもはそんな事を言うタイプでは無いだろうと、グレッグはクリスに尋ねてみた。クリスは昔に自分が言われた言葉を送っただけなのだと正直に白状してしまい、やってしまったと後になって後悔した。慌てて謝るが、グレッグも平気そうに彼へ本音をぶつける。少しだけ彼の顔に明るさが戻った様な気がした。
「とにかく…あまり思い悩むなよ。お前を必要として、求めている人がまだいるって事を忘れるな」
「君もその一人 ?」
「…丁度いい話し相手がいなくなると困る」
クリスはグレッグとそのような会話をした後に、恥ずかしさを隠すようにして部屋を出て行った。良くも悪くも彼らしいとグレッグは少し笑い、どの道ジョージの後を追うつもりは無いと心の中で決意を新たにしていた。ブラザーフッドに報いを受けさせたいという限りなく怨念に近いものだが、今となっては痛む肉体と教え子を失った喪失感を埋め合わせるには丁度良かった。
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