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四章:疾風の処刑人
第22話 厄日
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五日後、国の西部に位置する最大の港町であるウェイブロッドに訪れたクリスとシェリルは、待ち合わせの日になるまで暇を潰そうと情報収集を行う傍ら、酒場で昼食を取っていた。造船所から聞こえる雑多な作業の音や、仕事が遅れている事を伝える怒鳴り声を微かに聞きながら、クリスはフィッシュケーキをだらしなく食べていた。
「意外と美味いな」
あまり良い思い出の無かった料理だったが、街の名物であると言われて仕方なくチーズ入りの物を頼んだ所、想像以上に食べやすかったせいでクリスは少し驚いてしまう。ワインをチビチビと口に運んでいたシェリルは興味深そうに彼を見た。
「何で嫌いだったの?」
「酔っぱらった癇癪持ちの知り合いに大好物だって奴がいてな。そいつの前で馬鹿にしたら割れた瓶持って襲い掛かってきやがった。まあ、軽いトラウマだよ」
理由を聞いたシェリルに嘘か本当か分からない思い出話を語り、クリスは残りを食い尽くした。店を出てから少し周りを見ようと町を歩いている時、背後から少年にぶつかられてしまう。急ぐように去って行く少年に対して、「気を付けろよ」とクリスは言おうとしたが、ポケットが妙に軽くなっている事に気づいた。
「おい財布返せクソガキ!」
スリだという事を理解し、怒号と共に迫るクリスから逃げようとする少年は、恐ろしい勢いで距離を詰めて来る彼に対して、猛獣への畏怖に近い感情を抱いた。咄嗟に建物の隙間など、大人では入れない様な抜け道を使って撒いた後に財布の中身を確認する。上々の成果であった。
「やった!当分の生活は問題ないや。これも…一応貰っとこうかな」
少年は歓喜して、なぜか一緒に入ってたサーカスのチケットや金を仕舞ってから財布を泥に投げ捨てた。そして見つからない内に歩き出そうとした時、目の前にある路地の出口を誰かが塞いでいる事に気づく。マズいと感じ、すぐさま引き返そうとしたものの、背後から羽交い絞めにされてしまった。
「よぉ~ディック。忘れたわけじゃねえだろ?今月のノルマ、お前だけ払ってねえぜ?」
辺りの不良を統括している親玉らしい男が現れ、動けなくなっている少年の前に立ち塞がりながら言った。
「こないだ払っただろ!」
「あれは先月の分だ。おい、ポケット探れ」
親玉からのの合図で仲間達が探りを入れると、先程盗んだばかりの金やサーカスのチケットが現れる。
「待てよ!それは盗られると困るんだ!明日にはちゃんと金を用意するから!」
それらを全部奪われたディックは慌てて返すように言うが、聞き入れてもらえるはずも無く泥に叩きつけられる。そんな無様な状態に陥ってる子供を鼻で笑いながらその場を後にしようとした親玉は、不意に背後から視線を感じた。
「いい歳して弱い者苛めか?」
ニッコリ笑ったクリスが立っていた。外套に刻まれている騎士団の紋章を見たチンピラ達は、引きつった愛想笑いで機嫌を取ろうとしていたが、その光景を見たディックの脳内では唐突に悪知恵が舞い降りた。
「そいつらに脅されて盗んだんだ!」
「はあ!?デタラメ言ってんじゃねえぞ!」
いきなりディックによって罪を擦り付けられた親玉が狼狽えながら吠える。
「ホントだよ!財布の中にあった物を全部渡した!そいつらが持ってる!」
追い討ちをかけるようにディックが言うと、その場にいた者達は血の気が引いたようにぎこちない動きでクリスを見る。
「ポケットにある物を全部出せ」
「…はい」
逃げたら殺すとでも言わんばかりの眼光で睨みつけながらクリスに言われると、すっかり縮こまっている親玉や彼の手下たちは恐る恐る持ち物を取り出した。
「このチケットは何だ?」
「た、たまたま貰いました…」
「見てみろ、俺がメモ代わりに使ってたんだよ。もっとマシな嘘をつけ」
この期に及んで言い訳をしてくるチンピラ達に、汚い字で殴り書きされているチケットの裏側を見せながらクリスは反論する。結局一人ずつ殴られた後に退散させられてしまい、その場にはディックとクリスの二人だけとなった。
「一応言うが、許したわけじゃないからな。ところで財布はどこにある?」
泥だらけになった彼を立ち上がらせて、クリスは財布本体の事が気がかりだと尋ねた。ディックが申し訳なさそうに指をさした先には、焦げ茶色の財布が水気のある泥に埋もれている。
「お前新品を…しかも高かったんだぞ…!」
汚らしそうに財布を指でつまみながらクリスはディックに悪態をついた。数分後、遅れて到着したシェリルの目に写っていたのは、泥だらけになった財布を片手に怒り心頭で子供に説教をかますクリスの姿であった。
「何してるの…ってもしかてディック?」
「あ、シェリル姉ちゃん!」
同僚の財布が盗まれた事をそっちのけでスリの少年とシェリルが和気藹々と話を始めた事を不思議に思っていたクリスだったが、いつもの仏頂面からは想像できないシェリルの嬉しそうな表情を見た事で、どうでも良くなりつつあった。
「一体どういう事なんだ?」
「…この町、私の故郷なの。真っ当な生き方はしてなかったけどね。で、この子はまあ…私の弟分」
話に付いていけなくなったクリスが聞くと、シェリルが躊躇いがちに答えた。
「子供の頃からシェリル姉ちゃんに色々教えてもらったんだ!スリのコツとかピッキングとか!」
「ほう、それは大したもんだな」
自慢げに話すディックの内容を聞いたクリスは、財布が泥まみれになったのは彼女のせいなのかと一瞬だけ恨めしそうにシェリルを見る。そして皮肉交じりにディックを褒めた。
「でも、何でこんな事を?ダグラスさんの仕事を手伝わなくて良かったの?」
彼の父であるダグラスは漁師であり、本来なら彼もその作業を手伝っている筈だったのだが、なぜ盗みなどしているのかとシェリルが尋ねた。ディックは顔を暗くして二人を交互に見る。
「それなんだけど――」
ディックが打ち明けようとした時、不意に周りが騒がしくなり始めた。三人で向かった広場には人だかりが出来ており、押しのけながら進んだ先には血を吐きながら倒れている二人の男女の亡骸があった。
「次から次へと…どうなってる?」
次々に舞い込む災難のせいで肩の力を抜けない事に腹を立てるクリスであったが、シェリルに連れられて新たな事件の調査に乗り出す羽目となった。
「意外と美味いな」
あまり良い思い出の無かった料理だったが、街の名物であると言われて仕方なくチーズ入りの物を頼んだ所、想像以上に食べやすかったせいでクリスは少し驚いてしまう。ワインをチビチビと口に運んでいたシェリルは興味深そうに彼を見た。
「何で嫌いだったの?」
「酔っぱらった癇癪持ちの知り合いに大好物だって奴がいてな。そいつの前で馬鹿にしたら割れた瓶持って襲い掛かってきやがった。まあ、軽いトラウマだよ」
理由を聞いたシェリルに嘘か本当か分からない思い出話を語り、クリスは残りを食い尽くした。店を出てから少し周りを見ようと町を歩いている時、背後から少年にぶつかられてしまう。急ぐように去って行く少年に対して、「気を付けろよ」とクリスは言おうとしたが、ポケットが妙に軽くなっている事に気づいた。
「おい財布返せクソガキ!」
スリだという事を理解し、怒号と共に迫るクリスから逃げようとする少年は、恐ろしい勢いで距離を詰めて来る彼に対して、猛獣への畏怖に近い感情を抱いた。咄嗟に建物の隙間など、大人では入れない様な抜け道を使って撒いた後に財布の中身を確認する。上々の成果であった。
「やった!当分の生活は問題ないや。これも…一応貰っとこうかな」
少年は歓喜して、なぜか一緒に入ってたサーカスのチケットや金を仕舞ってから財布を泥に投げ捨てた。そして見つからない内に歩き出そうとした時、目の前にある路地の出口を誰かが塞いでいる事に気づく。マズいと感じ、すぐさま引き返そうとしたものの、背後から羽交い絞めにされてしまった。
「よぉ~ディック。忘れたわけじゃねえだろ?今月のノルマ、お前だけ払ってねえぜ?」
辺りの不良を統括している親玉らしい男が現れ、動けなくなっている少年の前に立ち塞がりながら言った。
「こないだ払っただろ!」
「あれは先月の分だ。おい、ポケット探れ」
親玉からのの合図で仲間達が探りを入れると、先程盗んだばかりの金やサーカスのチケットが現れる。
「待てよ!それは盗られると困るんだ!明日にはちゃんと金を用意するから!」
それらを全部奪われたディックは慌てて返すように言うが、聞き入れてもらえるはずも無く泥に叩きつけられる。そんな無様な状態に陥ってる子供を鼻で笑いながらその場を後にしようとした親玉は、不意に背後から視線を感じた。
「いい歳して弱い者苛めか?」
ニッコリ笑ったクリスが立っていた。外套に刻まれている騎士団の紋章を見たチンピラ達は、引きつった愛想笑いで機嫌を取ろうとしていたが、その光景を見たディックの脳内では唐突に悪知恵が舞い降りた。
「そいつらに脅されて盗んだんだ!」
「はあ!?デタラメ言ってんじゃねえぞ!」
いきなりディックによって罪を擦り付けられた親玉が狼狽えながら吠える。
「ホントだよ!財布の中にあった物を全部渡した!そいつらが持ってる!」
追い討ちをかけるようにディックが言うと、その場にいた者達は血の気が引いたようにぎこちない動きでクリスを見る。
「ポケットにある物を全部出せ」
「…はい」
逃げたら殺すとでも言わんばかりの眼光で睨みつけながらクリスに言われると、すっかり縮こまっている親玉や彼の手下たちは恐る恐る持ち物を取り出した。
「このチケットは何だ?」
「た、たまたま貰いました…」
「見てみろ、俺がメモ代わりに使ってたんだよ。もっとマシな嘘をつけ」
この期に及んで言い訳をしてくるチンピラ達に、汚い字で殴り書きされているチケットの裏側を見せながらクリスは反論する。結局一人ずつ殴られた後に退散させられてしまい、その場にはディックとクリスの二人だけとなった。
「一応言うが、許したわけじゃないからな。ところで財布はどこにある?」
泥だらけになった彼を立ち上がらせて、クリスは財布本体の事が気がかりだと尋ねた。ディックが申し訳なさそうに指をさした先には、焦げ茶色の財布が水気のある泥に埋もれている。
「お前新品を…しかも高かったんだぞ…!」
汚らしそうに財布を指でつまみながらクリスはディックに悪態をついた。数分後、遅れて到着したシェリルの目に写っていたのは、泥だらけになった財布を片手に怒り心頭で子供に説教をかますクリスの姿であった。
「何してるの…ってもしかてディック?」
「あ、シェリル姉ちゃん!」
同僚の財布が盗まれた事をそっちのけでスリの少年とシェリルが和気藹々と話を始めた事を不思議に思っていたクリスだったが、いつもの仏頂面からは想像できないシェリルの嬉しそうな表情を見た事で、どうでも良くなりつつあった。
「一体どういう事なんだ?」
「…この町、私の故郷なの。真っ当な生き方はしてなかったけどね。で、この子はまあ…私の弟分」
話に付いていけなくなったクリスが聞くと、シェリルが躊躇いがちに答えた。
「子供の頃からシェリル姉ちゃんに色々教えてもらったんだ!スリのコツとかピッキングとか!」
「ほう、それは大したもんだな」
自慢げに話すディックの内容を聞いたクリスは、財布が泥まみれになったのは彼女のせいなのかと一瞬だけ恨めしそうにシェリルを見る。そして皮肉交じりにディックを褒めた。
「でも、何でこんな事を?ダグラスさんの仕事を手伝わなくて良かったの?」
彼の父であるダグラスは漁師であり、本来なら彼もその作業を手伝っている筈だったのだが、なぜ盗みなどしているのかとシェリルが尋ねた。ディックは顔を暗くして二人を交互に見る。
「それなんだけど――」
ディックが打ち明けようとした時、不意に周りが騒がしくなり始めた。三人で向かった広場には人だかりが出来ており、押しのけながら進んだ先には血を吐きながら倒れている二人の男女の亡骸があった。
「次から次へと…どうなってる?」
次々に舞い込む災難のせいで肩の力を抜けない事に腹を立てるクリスであったが、シェリルに連れられて新たな事件の調査に乗り出す羽目となった。
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