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プロローグ

1 死んだ理由は

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 死ぬというのはその者がなくなるのか、はたまた存在してはいるが見えないのか。

 こういうものはよくわからない。

 だから今俺の身に起こっているのも、理解出来ない!



 今日も今日とて学校学校。そして聞き飽きた馬鹿な女子達の自慢話。それに乗っかる間抜けな男子達。

 別の奴らは俺を見て、なにやらヒソヒソと。

 自己紹介的な何か。

 俺は妻突氷軒(つまづき ひのき)。17歳。 高校二年生。友人二人。彼女いない歴17年。いわゆるリア充!

 以上。

 寂しいかと聞かれれば、そうでもないと言いきれる。本が俺を相手してくれる。あと変わった友人も。

 寂しくなんかないんだからねっ!

 とまぁこのとおり、平凡な日常を生きている。生きている有り難み?ねぇよんなモン。

 俺みたいな残念人間を産んだ母親なんか、初めてあんたを見た時この子は天才だ!とか思ってたけど実際は痛くて人見知りの多い子だって知って絶望したわぁ…。とか言い出すんだぜ?

 我が親ながらびっくり驚いたよ。理不尽よ?

 さて、そうこうしてるうちに(授業描写無し。聞いててもつまらないだろう?)放課後。

「お~い、つーまやーん!一緒に帰ろーぜー!」

 こいつの名前は、粗志賀 明利(あらしが あきとし)。

 馬鹿で変態野郎だが、なかなか気の利く憎めないやつだ。

「おう。今行く」

 学校で指定されていないリュックサックを背負い急ぎ足で粗志賀の元へ早歩きで向かう。

 すると、とすっと誰かとぶつかる。

「あ、ご、ごめんなさい」

 俯きながらぶつかった女子が俺に謝る。

「ああ、こっちもちゃんと見れてなかった。悪い」

 一応俺も謝っておく。

 だが、ぶつかった女子の友達がこちらに駆けてきて俺を睨みつける。

「はぁ?あんたこの娘にぶつかっておいてそれだけ?マジありえないんですけど」

 え、謝ったのにこの扱い?あれ?謝り方間違った?

「まぁまぁ。そのへんにしとけって。な?こいつもわざとじゃないんだし」

「っるさい!変態野郎は黙ってろ!」

「ぐっはぁ!」

 変態野郎と言われたのが相当心に響いたのか、わざわざ口にしなくてもいい効果音を言って左膝を床につけて白く燃え尽きていた。

 だが、毒舌の弾丸が止まるはずもなく

「大体何よ。二次元大好きって。しかも幼女って!この際だから言わせてもらうけど、マジキモイ!消えろ!この世から!すっぱりと!」

「ぐぇっ!どぅふっ!ごはっ!」

 もうやめて!彼のライフはもうゼロよっ!と遊戯王から出て来そうなくらいの精神的ダメージが粗志賀に蓄積されていた。

 そして、この哀れな奴のたどる末路は

「くっそぉぉぉぉ!超リア充共なんて爆発しやがれぇぇぇぇ!」

と、叫んで現実逃避。

 いや、リアルでも逃げてるけれど。

「ふんっ!畜生風情が私に話しかけるなんて数百年早いのよ!」

 畜生って、流石に酷くない?

「さて次は、って!いない!?にげたわねぇ!」

 あれ、俺がいない?おかしいなー、と思っていると走っていた。主に俺が。

 すげっ、俺の本能が目覚めたか嘘です知ってます息が切れるくらい思っきり走ってますすみません本当に申し訳ない!

 急いで駅に向かう。

 と、後ろから

「待てやゴラァ!」

 じょっ、女子女子してないーーーっ!?

 何あの子!めっちゃ速い!

 更にスピードをあげる俺に対し、追いかけてくる彼女はなんと

「なんで壁走ってんのぉぉぉぉ!?」

 壁をずどどどっと走っていた。

 ここまで来ると化けもんだなこりゃ。

 そして唐突に思い出す。あいつたしか名前は最川卯璃(もがわ うり)。陸上部のエースであり日本No.1の脚力を持つ。

 ヤバイヤバイ!捕まれば、死ぬっ!

 と、目の前に横断歩道が見える。ここを渡ればもう駅だっ!

 しかし現実は非道だ。なんと、横断歩道の信号機が赤。

 ええいっ!んなことどうでもいいわっ!俺は渡るっ!

そして赤信号の横断歩道を渡る。

 これであんし

「ばっ!」

 最川が叫ぶ。

 プァッファー

 え?

 そこで意識が途絶えた。
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