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貿易都市グリゴレオ編
19 テンプレ要素が多いようです
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「あのね、お父さんがいなくなってしまったから引っ越そうか」
小さな俺を見る目は赤く腫れていた。幼い頃の俺はとにかく聡い子だったらしい。すぐさま理由が思い当たった。
俺が寝ているときふと、怒鳴り声が聞こえた。親父の声だ。何かを叫んでいる。酔っ払っているのだろうか。そっと扉から居間を除く。
「お前に氷軒をやるから金をこっちによこせよ!」
「嫌よ!あんたが氷軒の面倒見なさいよ!」
聞いてしまったのは息子か金か、どちらがもつのか言い合いだった。聞いた俺はかなり傷ついたらしい。それを聞いて大声で泣いてしまった。
だが、泣く俺を見る両親の目はひどく冷ややかに見えた。
それから数週間後、父は仕事へ行くと言いそのまま帰ってくることは無かった。後に母親に聞くと銀行の口座から母の貯金がすべてなくなっていたという。
そして母は言ったのだ
「氷軒。貴方はーーーーーー」
裏切らないわよね?
○ ○ ○
目がはっと覚める。何故か視界がぼやけている。泣いていたのか?
徐々に視界が開けてくる。木の天井にふかふかのベッド。そして、手に収まる柔らく小さな胸。……胸!?だ、誰だ誰だ!果たして横にいたのはバニラ色の髪が特徴の
(リヴィアン!?)
柔らかいのでつい揉んでしまう。と、同時に
「ンッ…」
と、可愛らしい声が聞こえた。あわわ、童貞歴=年齢の俺が可愛い美少女の可愛らしい胸をももも揉んでるなんて!光栄の中の光栄!
などと考えている間に、扉が開く。そこに立っていたのは、英雄ロビンフッド。
威圧とも呼べる笑顔で俺に説明を求める一言を発した。
「やぁ、何で君はリヴィと一緒に寝て且つ、胸を揉んでいるのかね?」
「いいいいいや、こ、これにはちゃんと理由があり待ちて」
噛んでしまった。睨むロビンフッドと俺。
まさに一触即発。そこへ呑気に伸びをして起き上がるリヴィアン。可愛らしくあくびをして俺とロビンフッドと最後に裸の自分を見る。
やがて、裸で俺の横で寝ていたことに気付きみるみる顔が赤くなっていく。
「え、えええとこれには深いわわわ理由がありままして、えっ、と。ッーーーーーー!!」
俺がじっとリヴィアンを見ているのに気づいて、そして右手を振り上げ、
「っの、変態!!!」
バッチーン!と俺の頬を張る音が室内に響いた。
その後、ロビンフッドの説教が長々と二時間ほど聞かされた。
「り、理不尽じゃねぇ?」
'と、いうか何故あそこで揉んだんですか?'
いつの間に起動していたのかマグが俺に質問を下す。
「当たり前だろ?そこに胸があったからさ」
'そこに食べ物があるから食べるんだ、見たいなこと言うのやめてください。かなりドン引きです。むしろテンプレ過ぎてつまんないくらいです'
ひでぇ言われよう、そう思いつつぼんやりとあたりを見渡す。
今は賑わっている街道を歩いている。ルシファーが敗れたことにより活気が戻ったのだろう。これからは、ルシファーも政治に加わりこの国を守ると国民たちに宣言した。これでしばらくの間この国は治安もしっかり良くなるな。ところで、
「ルシファーから用事があるらしい」
'警戒するに越したことはないですね'
「まぁ、あいつはあいつなりに頑張ってたんだし許してやっても…」
'人間の少女を軟禁するのが頑張りですか?'
「うっ…」
そんなやり取りをしていると大きな屋敷に着く。日本にあった大阪城を思い浮かばされるような摩天楼。
「おーい、そっちじゃなくてこっちだよー」
横からふと、声がかけられる。
リヴィアンだ。彼女が指さす方を見ると、質素な二階建ての小屋だった。
「あ!?これがルシファーの城!?」
想像を逸脱し過ぎて開いた口が塞がらない。もうこれテンプレ小説とか言われてもおかしくないわ。
'転生もの自体がテンプレですがね'
無情な声が脳内に鳴り響いた。
小さな俺を見る目は赤く腫れていた。幼い頃の俺はとにかく聡い子だったらしい。すぐさま理由が思い当たった。
俺が寝ているときふと、怒鳴り声が聞こえた。親父の声だ。何かを叫んでいる。酔っ払っているのだろうか。そっと扉から居間を除く。
「お前に氷軒をやるから金をこっちによこせよ!」
「嫌よ!あんたが氷軒の面倒見なさいよ!」
聞いてしまったのは息子か金か、どちらがもつのか言い合いだった。聞いた俺はかなり傷ついたらしい。それを聞いて大声で泣いてしまった。
だが、泣く俺を見る両親の目はひどく冷ややかに見えた。
それから数週間後、父は仕事へ行くと言いそのまま帰ってくることは無かった。後に母親に聞くと銀行の口座から母の貯金がすべてなくなっていたという。
そして母は言ったのだ
「氷軒。貴方はーーーーーー」
裏切らないわよね?
○ ○ ○
目がはっと覚める。何故か視界がぼやけている。泣いていたのか?
徐々に視界が開けてくる。木の天井にふかふかのベッド。そして、手に収まる柔らく小さな胸。……胸!?だ、誰だ誰だ!果たして横にいたのはバニラ色の髪が特徴の
(リヴィアン!?)
柔らかいのでつい揉んでしまう。と、同時に
「ンッ…」
と、可愛らしい声が聞こえた。あわわ、童貞歴=年齢の俺が可愛い美少女の可愛らしい胸をももも揉んでるなんて!光栄の中の光栄!
などと考えている間に、扉が開く。そこに立っていたのは、英雄ロビンフッド。
威圧とも呼べる笑顔で俺に説明を求める一言を発した。
「やぁ、何で君はリヴィと一緒に寝て且つ、胸を揉んでいるのかね?」
「いいいいいや、こ、これにはちゃんと理由があり待ちて」
噛んでしまった。睨むロビンフッドと俺。
まさに一触即発。そこへ呑気に伸びをして起き上がるリヴィアン。可愛らしくあくびをして俺とロビンフッドと最後に裸の自分を見る。
やがて、裸で俺の横で寝ていたことに気付きみるみる顔が赤くなっていく。
「え、えええとこれには深いわわわ理由がありままして、えっ、と。ッーーーーーー!!」
俺がじっとリヴィアンを見ているのに気づいて、そして右手を振り上げ、
「っの、変態!!!」
バッチーン!と俺の頬を張る音が室内に響いた。
その後、ロビンフッドの説教が長々と二時間ほど聞かされた。
「り、理不尽じゃねぇ?」
'と、いうか何故あそこで揉んだんですか?'
いつの間に起動していたのかマグが俺に質問を下す。
「当たり前だろ?そこに胸があったからさ」
'そこに食べ物があるから食べるんだ、見たいなこと言うのやめてください。かなりドン引きです。むしろテンプレ過ぎてつまんないくらいです'
ひでぇ言われよう、そう思いつつぼんやりとあたりを見渡す。
今は賑わっている街道を歩いている。ルシファーが敗れたことにより活気が戻ったのだろう。これからは、ルシファーも政治に加わりこの国を守ると国民たちに宣言した。これでしばらくの間この国は治安もしっかり良くなるな。ところで、
「ルシファーから用事があるらしい」
'警戒するに越したことはないですね'
「まぁ、あいつはあいつなりに頑張ってたんだし許してやっても…」
'人間の少女を軟禁するのが頑張りですか?'
「うっ…」
そんなやり取りをしていると大きな屋敷に着く。日本にあった大阪城を思い浮かばされるような摩天楼。
「おーい、そっちじゃなくてこっちだよー」
横からふと、声がかけられる。
リヴィアンだ。彼女が指さす方を見ると、質素な二階建ての小屋だった。
「あ!?これがルシファーの城!?」
想像を逸脱し過ぎて開いた口が塞がらない。もうこれテンプレ小説とか言われてもおかしくないわ。
'転生もの自体がテンプレですがね'
無情な声が脳内に鳴り響いた。
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