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第11話

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転移してきたのは、秘密基地。
何時ものように、お貴族様の館みたいに豪華すぎるが、気にしない。
増えたらしい家具を披露する。
「見様見真似で作った机と椅子。」
「凄い!これ、本当に見様見真似なの?売り物になるよ!商会に出したら、ものすごい値段になるよ!」
グリードが作った机と椅子は、がっしりした、重厚な机と椅子で、書斎の部屋と称した部屋に、飾っている。いや、飾っているって言い方あってる?
この艶出しも、効果を表していて、高級に磨き掛かってる。この材料は何を使ったのか?
「ねえ?この机と椅子の材料は何を使用したの?」
「ん?妖精の木を使ったけど?」
「…。」
妖精の木は、おとぎ話のように、あるかないか、わからない代物で、おとぎ話では、妖精の木を守護する妖精の試練を乗り越えれば、とても美しく、それでいて、頑丈な木材が手に入ると言う、内容だ。
しかも妖精の木があると言われてる場所は、幻影の森と呼ばれる、足を運べば、二度と帰れないと言う噂の森である。もちろん、その森が何処にあるかは、伝説で、言い伝えでしか、伝わってない。
「イデルシアが教えてくれた。」
「イデルシアって妖精王の?」
「そう。それ!」
妖精王イデルシアは、名の通り、妖精の王であり、神の一人だ。又の名を樹木の神様とも呼ばわれ、彼の一息は、森林を豊かにし、花を咲かせ、豊かな森を作ると言われている。エルフの国では、母神として、慕われており、奉られている。
「グリード、イデルシア神にこれ、もらったこと、誰にも言っちゃダメだよ?」
伝説の木材を使った家具など、血を見るに決まってる。
「そういうもんか?」
「うん。」
たぶん、ドワーフなら、この木材を加工するのも、神経を注ぐ。持ち合わせている技量を使い、それこそ、血反吐を吐いても、立派に作って見せる。
「うちの兄達なら、目を剥いて、失神する。」
「そりゃあ…やべぇわ。」
サラヴェール達を思えば、すぐ、簡単に手に入り、作ってしまったとするならば、申し訳ない。いや、真面目に作ったけども。
サヤは机の上にあるインクと羽ペンの存在に気づいた。普通の羽根ペンと違い、金色の輝く美しい羽根だ。
「…?ねえ?この羽ペン、綺麗だね?どこで買ったの?」
「んー?いや、作った。その羽は、金翅鳥の羽根で作った。綺麗だろ?」
「金翅鳥なんて、何処にいたの…。」
目を丸くする。
もう何だか、これで、食べていけそうな幼馴染みに、脱帽。
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