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SIDE 樒
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あー…イライラする。
毎日、頑張って、肌のメンテを怠らず、髪の毛一本すら、枝毛も無い美しい絹のような髪の毛を維持してる髪を三編みにして、垂らす。
プライベートジェット機で、かの土地までやって来た。
あの忌々しい女の依頼で。
愛しい男からメッセージの一通すらない。
僕に用が無ければ、連絡を寄越さない憎たらしい男。
艷やかな唇を噛む。イライラが止まらない。
折角の上質なワインも台無し。
「樒様。そろそろ、着陸致します。」
「ああ。」
滑走路が見えてきた。
寄越してきたメモには、彼が隠居してる家の住所が記載されている。どうやって調べたのか。
魔神と謳われた男は、伝説級の殺し屋だ。
今は、殺し屋稼業から引退して、隠遁生活に入ってる。
ご丁寧に写真までついてる。
想像していたより、色男だ。殺し屋だと言われなければ、わからない位に整っている。ガタイが良く、肩まであるロン毛にキリッとした瞳に分厚い唇。年齢を重ねた男性が出せる色気がある。
観光地なだけあって、人も行き交い、機構も穏やか。
あの女の依頼でなければ、綺麗な海を泳いでも良かったかもしれない。
観光地からズレた住宅街の外れに、彼は、住んでいる。
「あそこか。」
カラフルな家ばかりが並んでる中で、ひっそりと建っているベージュの一軒家。
別の組織の匂いはしない。間に合ったろうか。
もし、間に合わなければ、あの女に、なんてイヤミを言われるか。ああ、ムカつく。
落ち着け。僕。
深い深呼吸して、いつもどおりに。大丈夫。
家の前で来た。ベルを鳴らす。
応答がない。留守か?
この世界で、珍しい繊細な指をベルから離そうとした時、ハイと低い声音がした。
ギイっと扉が開き、出てきたのは、ヴィクトル・ベルトフ。
「こんにちは。可愛らしいお客さんだ。」
「こんにちは。」
さて、勝負だ。
「なるほどね。彼は、今、そんな自体になってるのか。」
「そうみたいですよ。私に依頼してきたのは、別の女ですけど。」
出されたコーヒーを挟んでリビングで会話。
このお茶に毒や薬は、入ってないことはわかる。そう言ったものに、敏感だ。
「死神…聞いたことがあるコードネームだ。いや、本来は違うネームだったと思うが。」
コーヒーにミルクと砂糖をスプーンで撹拌しながら、呟く。
「そのコードネームを本人の前で呼べば、喜んで、殺しに来ますよ。あれは、殺人に躊躇いがない。あれは、そのコードネーム、毛嫌いしてますから。」
「試したことがあるのかい?」
以前、口を滑らし、首を締められたことがある。まあ、直ぐに離されたが。
「貴方の弟子は、厄介なことに、あの女に目をつけられた。あいつは、邪魔になるものを消すことに、貴方の弟子よりも残酷になれる。かつての組織を壊滅にした実績もありますしね。」
「君は、エディが、リッチの元にいた方が都合が良かったんじゃないか?」
「そうでしょうね。でも彼は、リッチ以上に厄介で、しつこい奴のお気に入りですから。敵に回したら、うちもヤバいですからね。でも、あの女が、リッチから、彼を引き離す方に動いた。しかもただ、引き抜くだけじゃない。根っこから、引き抜いて、雑草すら生えない焦土に変えようとしてるんですから。軽めに見ても、しっぺ返しなんて、可愛らしい言葉では済まされない全身火傷は、避けたい。」
「それはあの死神がやったと言われるカルト教団の殲滅の話かい?」
闇の世界で、台頭してきた死神と呼ばれる暗殺者に、こぞって、暗殺依頼が、湧いてきた。その中に、カルト教団の一つがあり、大勢の軍を用いて、死神を襲ったが、五百人いると言われたその軍隊を一夜で、一人、殲滅したと言う逸話がある。しかも死体は全て焼かれていて、骨すら、残らなかった。
「カルト教団の殲滅は、売られた喧嘩を買っただけだと宣った。リッチも死神の逸話を知らないわけではないでしょう。海を渡ってこちらにも流れるぐらいですからね。だけど、現実味がない。いくら、A国の代表とも言えるギャングであろうと、世界的ギャングに成長しようとも、味合わなきゃ、人はわからない。」
「しかも、カルト教団の殲滅が可愛いと言われたあの事件…
テオリーアーの壊滅事件。世界的秘密結社の壊滅は、全土の闇社会に、震撼させた。所属していた組織を裏切るとは。」
「禁断と言われたあの秘密結社が死神よって、長い歴史を終えた。裏には恐らく、何かしら起きただろうけどね。」
考え込む彼。このままでは、あのリッチが彼を訪ねに来るだろう。かつての師匠である彼は、リッチの最終兵器になる。
「私は、表舞台から降りた身なんだけどね。」
「報酬は言い値で払うそうです。貴方への依頼は、彼らの警護及びリッチの殲滅の兵隊になって欲しいそうです。」
魔神と言われた彼だって逸話は沢山ある。だからこそ、リッチはかつて、彼に、エディの家庭教師として、呼んだ筈だ。
「断ったら?」
「ー師匠が弟子の足を引っ張るなと言ってましたよ。」
「なんだい?それ。」
目を丸くする彼に知りませんとコーヒーを飲む。
「ジェイ。樒から連絡来た?」
「いや、まだ。」
「あいつ、バカンス気分で、行ってないよね。」
「大丈夫だろ。あの人はやるときはやる。」
「…。ジェイは樒のこと、どう思う?」
「は?」
「こりゃあ、駄目だ。」
樒のあの素直になれない態度もあるが、ジェイ自体に、問題がある気がする。
「私の愛読書、貸すから読んでみ?」
ちなみにタイトル〘中華風後宮BL~硬派従者✕生意気皇帝~禁断愛~〙
「は?」
ちなみにR指定。
「ねえ、知ってる?たとえ、アル中で、癇癪持ちで、プライドがクソ高くても、あの坊っちゃん、界隈で、姫扱いだよ?」
「いやいや、お前、フー一族の人間に何言ってんだよ。あと、無理矢理、画像を見せるな!」
「エロが濃厚だけど、話は割とおもろいんだって。」
「やめろーアホー。」
バタンバタン。
毎日、頑張って、肌のメンテを怠らず、髪の毛一本すら、枝毛も無い美しい絹のような髪の毛を維持してる髪を三編みにして、垂らす。
プライベートジェット機で、かの土地までやって来た。
あの忌々しい女の依頼で。
愛しい男からメッセージの一通すらない。
僕に用が無ければ、連絡を寄越さない憎たらしい男。
艷やかな唇を噛む。イライラが止まらない。
折角の上質なワインも台無し。
「樒様。そろそろ、着陸致します。」
「ああ。」
滑走路が見えてきた。
寄越してきたメモには、彼が隠居してる家の住所が記載されている。どうやって調べたのか。
魔神と謳われた男は、伝説級の殺し屋だ。
今は、殺し屋稼業から引退して、隠遁生活に入ってる。
ご丁寧に写真までついてる。
想像していたより、色男だ。殺し屋だと言われなければ、わからない位に整っている。ガタイが良く、肩まであるロン毛にキリッとした瞳に分厚い唇。年齢を重ねた男性が出せる色気がある。
観光地なだけあって、人も行き交い、機構も穏やか。
あの女の依頼でなければ、綺麗な海を泳いでも良かったかもしれない。
観光地からズレた住宅街の外れに、彼は、住んでいる。
「あそこか。」
カラフルな家ばかりが並んでる中で、ひっそりと建っているベージュの一軒家。
別の組織の匂いはしない。間に合ったろうか。
もし、間に合わなければ、あの女に、なんてイヤミを言われるか。ああ、ムカつく。
落ち着け。僕。
深い深呼吸して、いつもどおりに。大丈夫。
家の前で来た。ベルを鳴らす。
応答がない。留守か?
この世界で、珍しい繊細な指をベルから離そうとした時、ハイと低い声音がした。
ギイっと扉が開き、出てきたのは、ヴィクトル・ベルトフ。
「こんにちは。可愛らしいお客さんだ。」
「こんにちは。」
さて、勝負だ。
「なるほどね。彼は、今、そんな自体になってるのか。」
「そうみたいですよ。私に依頼してきたのは、別の女ですけど。」
出されたコーヒーを挟んでリビングで会話。
このお茶に毒や薬は、入ってないことはわかる。そう言ったものに、敏感だ。
「死神…聞いたことがあるコードネームだ。いや、本来は違うネームだったと思うが。」
コーヒーにミルクと砂糖をスプーンで撹拌しながら、呟く。
「そのコードネームを本人の前で呼べば、喜んで、殺しに来ますよ。あれは、殺人に躊躇いがない。あれは、そのコードネーム、毛嫌いしてますから。」
「試したことがあるのかい?」
以前、口を滑らし、首を締められたことがある。まあ、直ぐに離されたが。
「貴方の弟子は、厄介なことに、あの女に目をつけられた。あいつは、邪魔になるものを消すことに、貴方の弟子よりも残酷になれる。かつての組織を壊滅にした実績もありますしね。」
「君は、エディが、リッチの元にいた方が都合が良かったんじゃないか?」
「そうでしょうね。でも彼は、リッチ以上に厄介で、しつこい奴のお気に入りですから。敵に回したら、うちもヤバいですからね。でも、あの女が、リッチから、彼を引き離す方に動いた。しかもただ、引き抜くだけじゃない。根っこから、引き抜いて、雑草すら生えない焦土に変えようとしてるんですから。軽めに見ても、しっぺ返しなんて、可愛らしい言葉では済まされない全身火傷は、避けたい。」
「それはあの死神がやったと言われるカルト教団の殲滅の話かい?」
闇の世界で、台頭してきた死神と呼ばれる暗殺者に、こぞって、暗殺依頼が、湧いてきた。その中に、カルト教団の一つがあり、大勢の軍を用いて、死神を襲ったが、五百人いると言われたその軍隊を一夜で、一人、殲滅したと言う逸話がある。しかも死体は全て焼かれていて、骨すら、残らなかった。
「カルト教団の殲滅は、売られた喧嘩を買っただけだと宣った。リッチも死神の逸話を知らないわけではないでしょう。海を渡ってこちらにも流れるぐらいですからね。だけど、現実味がない。いくら、A国の代表とも言えるギャングであろうと、世界的ギャングに成長しようとも、味合わなきゃ、人はわからない。」
「しかも、カルト教団の殲滅が可愛いと言われたあの事件…
テオリーアーの壊滅事件。世界的秘密結社の壊滅は、全土の闇社会に、震撼させた。所属していた組織を裏切るとは。」
「禁断と言われたあの秘密結社が死神よって、長い歴史を終えた。裏には恐らく、何かしら起きただろうけどね。」
考え込む彼。このままでは、あのリッチが彼を訪ねに来るだろう。かつての師匠である彼は、リッチの最終兵器になる。
「私は、表舞台から降りた身なんだけどね。」
「報酬は言い値で払うそうです。貴方への依頼は、彼らの警護及びリッチの殲滅の兵隊になって欲しいそうです。」
魔神と言われた彼だって逸話は沢山ある。だからこそ、リッチはかつて、彼に、エディの家庭教師として、呼んだ筈だ。
「断ったら?」
「ー師匠が弟子の足を引っ張るなと言ってましたよ。」
「なんだい?それ。」
目を丸くする彼に知りませんとコーヒーを飲む。
「ジェイ。樒から連絡来た?」
「いや、まだ。」
「あいつ、バカンス気分で、行ってないよね。」
「大丈夫だろ。あの人はやるときはやる。」
「…。ジェイは樒のこと、どう思う?」
「は?」
「こりゃあ、駄目だ。」
樒のあの素直になれない態度もあるが、ジェイ自体に、問題がある気がする。
「私の愛読書、貸すから読んでみ?」
ちなみにタイトル〘中華風後宮BL~硬派従者✕生意気皇帝~禁断愛~〙
「は?」
ちなみにR指定。
「ねえ、知ってる?たとえ、アル中で、癇癪持ちで、プライドがクソ高くても、あの坊っちゃん、界隈で、姫扱いだよ?」
「いやいや、お前、フー一族の人間に何言ってんだよ。あと、無理矢理、画像を見せるな!」
「エロが濃厚だけど、話は割とおもろいんだって。」
「やめろーアホー。」
バタンバタン。
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