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妖精王
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妖精王とは、妖精界に存在する妖精の中でも、位が高く、尊い存在の事だ。
妖精の誇りでもある美しい絹のような髪を持ち、大きな羽根を持つ。
現在、君臨している妖精王は、歴代の中でも、在位が長く、内なる力も強大である。
本来であれば、妖精界の妖精は、外界と呼ばれる人の世界においそれと降り立つことはなく、妖精界の中で、生活をしている。
しかし、数えて、数百年前、とある人物の功績により、妖精界と外界が繋がった。
交流ができたのだ。
白磁の様に白い肌をし、鋭利な爪は、綺麗に研ぎ澄まされている。
妖精王が座る椅子は全て、玉座と同じ。
故に、船に乗っていても、それは同じこと。
「忌々しいあの女の居所がわかったか?」
「はっ。」
私の可愛い愛娘に何をしてくれたか、理解させなければ、気が済まない。
あの忌々しい事件は、この妖精界に激震を起こし、未だかつてない程の妖精王を、怒らせた事案。
妖精にとって、何よりも、大事な髪を、無断にも、切り、繊細で優しい娘の心を無惨にも切りつけた忌まわしいあの女。
たかが、魔王と言う称号の娘と言うだけの器のない娘に、妖精王の娘がやられたなど、あってはならない。
「あの時は、邪魔が入ったが、そうはさせん。」
剣呑に光る眼には、裁きを受けるべき相手に向かっている。
私が脳裏に浮かべて、算段をつけていると、ひ孫の中でも、一番幼く、幼児らしい性格と無邪気さを持つエリアスがやらかした。
過去に一度、外界から、ドワーフの子供を呼び寄せた。
ドワーフらしい特徴を持つ、クリクリとした瞳に、ちょっとぽっちゃりした愛らしい顔立ち。名をコハクと言う。
エリアスは、コハクを帰すことに、グズり始め、生来の魔力が多く、感情の波を爆発させたエリアスは、宮中の周辺を海のように変えてしまった。妥協案として、コハクには、行き来自由の権利を与え、度々、交流を重ねている。
エリアスに、同世代の友達がまだ居なかった事の弊害であったが、コハクは、公平に見ても、素直に良い子であり、妖精界に危害を与えるような人物ではない。問題ではない。
そう。コハクだけなら良かったにも関わらず、何処ぞの阿呆が、人間に、興味津々なエリアスに余計な話を吹き込んだ。
「聞いてるのか?気色悪い笑みを浮かべるな。」
大きな豆のような物体から、太い蔓のような植物が、生え、赤紫の髪色をした青年を捉えている。
「エリアスに余計な知識を与え、危険を起こさせた。貴様の処罰は、また後だ。わかっているな?」
「慈悲深い妖精王の意のままに。」
黙れと言わんばかりに、魔法で、口を縫うように閉じさせた。
エリアスは此奴から、人間に興味津々であり、今回も、人間二人を呼び寄せた。いくら、魔力が、多くとも、住む世界が異なる者を呼び寄せることは、危険が伴う。
下手すれば、エリアスの命に関わったかもしれない。
エリアスの父など、私に処罰の権利をと言ってきている。
「妖精王、間もなく、到着です。」
今に見ておけ。私の怒りはあの日から収まってないことを。
妖精の誇りでもある美しい絹のような髪を持ち、大きな羽根を持つ。
現在、君臨している妖精王は、歴代の中でも、在位が長く、内なる力も強大である。
本来であれば、妖精界の妖精は、外界と呼ばれる人の世界においそれと降り立つことはなく、妖精界の中で、生活をしている。
しかし、数えて、数百年前、とある人物の功績により、妖精界と外界が繋がった。
交流ができたのだ。
白磁の様に白い肌をし、鋭利な爪は、綺麗に研ぎ澄まされている。
妖精王が座る椅子は全て、玉座と同じ。
故に、船に乗っていても、それは同じこと。
「忌々しいあの女の居所がわかったか?」
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あの忌々しい事件は、この妖精界に激震を起こし、未だかつてない程の妖精王を、怒らせた事案。
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たかが、魔王と言う称号の娘と言うだけの器のない娘に、妖精王の娘がやられたなど、あってはならない。
「あの時は、邪魔が入ったが、そうはさせん。」
剣呑に光る眼には、裁きを受けるべき相手に向かっている。
私が脳裏に浮かべて、算段をつけていると、ひ孫の中でも、一番幼く、幼児らしい性格と無邪気さを持つエリアスがやらかした。
過去に一度、外界から、ドワーフの子供を呼び寄せた。
ドワーフらしい特徴を持つ、クリクリとした瞳に、ちょっとぽっちゃりした愛らしい顔立ち。名をコハクと言う。
エリアスは、コハクを帰すことに、グズり始め、生来の魔力が多く、感情の波を爆発させたエリアスは、宮中の周辺を海のように変えてしまった。妥協案として、コハクには、行き来自由の権利を与え、度々、交流を重ねている。
エリアスに、同世代の友達がまだ居なかった事の弊害であったが、コハクは、公平に見ても、素直に良い子であり、妖精界に危害を与えるような人物ではない。問題ではない。
そう。コハクだけなら良かったにも関わらず、何処ぞの阿呆が、人間に、興味津々なエリアスに余計な話を吹き込んだ。
「聞いてるのか?気色悪い笑みを浮かべるな。」
大きな豆のような物体から、太い蔓のような植物が、生え、赤紫の髪色をした青年を捉えている。
「エリアスに余計な知識を与え、危険を起こさせた。貴様の処罰は、また後だ。わかっているな?」
「慈悲深い妖精王の意のままに。」
黙れと言わんばかりに、魔法で、口を縫うように閉じさせた。
エリアスは此奴から、人間に興味津々であり、今回も、人間二人を呼び寄せた。いくら、魔力が、多くとも、住む世界が異なる者を呼び寄せることは、危険が伴う。
下手すれば、エリアスの命に関わったかもしれない。
エリアスの父など、私に処罰の権利をと言ってきている。
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