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湖畔
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毎年、夏になると、近くの湖畔まで、ピクニックに行くのが通例。
メイド達が、テキパキと準備をする横で、水辺にはしゃぐ子供らを宥める大人たち。
魚を釣るための釣り道具や泳ぐための道具等を用意してきた。
日焼け対策に余念のない女性陣が、パラソルを立て、テーブルや椅子を用意し、幾重にも、日焼け留めを塗りたくる。
「むー。」
「リーサ、あなた、将来、私に感謝するのよ!こんなに肌を気にしてあげる親はいなくてよ!咽び泣いて、感謝すべきだわ。」
母の使用している日焼け留めクリームは、甘い香料が入っており、その匂い=日焼け留めクリームだと認識している。
「もーいい。」
「待ちなさい。きちんとまだ塗ってないわ!あなたは知らないだろうけど!紫外線って言うのは、あなたが思うよりも、怖いものなの!今は気づかないかも知れないけれど、未来、気づかぬ内に、憎きシミに成り変わるかも知れない要素を与えるのよ?」
「飽きた!」
母親にがんじがらめにされ、塗りたくられているリーサは、早く、マッキーたちと水遊びをしたい。
「おばあちゃんにもままにもないから大丈夫。」
「バカね!私達は、常に準備をしてるの!努力と研究の賜物だわ!」
「見なさい。マッキーたちもやってるわ!」
鬼教官がいるのに、適当に、日焼け留めを塗りたくられない。
「若い内からこういうのは、しておくべきなのよ!ままは、あなた位の年には、お母様の日焼け留めクリームを貸して貰っていたわ。」
渋い顔をするリーサはまるで、潰れたような顔つきの猫のようだ。
「フィル、リーサはいつもああなの?」
「ベイビーは、あまり興味を持ってなくて。早く遊びたい気持ちが勝ってしまうの。」
孫娘の嫌がり方に、リリーエは困惑。
淑女として、幼き頃から、肌を気にするように躾られてきたリリーエは、同然、我が子たちに、そのように指導してきた。お陰で、ツェリは自慢の白いきめ柔さで、自慢の肌であり、息子二人も、シミ一つない、綺麗な肌をしている。
「ままの日焼け留めクリームを塗ってるのよ?」
「リーサ、クリームなら、カスタードクリームが好き。」
食べれないクリームに興味を持たない。
ちなみに、ツェリ愛用の日焼け留めクリームのお値段は、通常の市販のクリームより倍は、かかるお値段。
「あんまり奥までいかないよ。」
サラトガの注意が飛ぶ。
ワイルドに、餌をつけて、魚釣りに勤しむ。
ちなみにフィルやリリーエは、魚の餌は、頑なに見ない。
「あそこに鳥がいて、魚、狙ってる。」
「自然の摂理だよ。」
リーサのために、鳩は入らないように、魔法をかけているが、他の動物は、自然な行動をしている。
「あ!ちぎれた!パパ。」
「貸してごらん。」
サラトガが餌をつけ直してくれる。
「お母様、フィル、野性的なことは、リーサたちに任せて、私達は、ティータイムに勤しみましょう。」
メイドたちが、テキパキと準備をしたティータイムセットを指差す。
「ナギ、何してるの?」
「うん?木彫り。」
ある程度、魚釣りをして、休憩してるリーサは、ナギがなにかをしてるのに、気づいた。
「木彫り?模様?」
見たことない模様を、木の棒に、ナイフで、彫っている。
「これはね?僕の魔法の練習の為に、使用するものなんだ。ここに生えてるシラヅクの木は、魔力を帯びてていて、相性がいいんだ。」
「どんなことに使うの?」
「んー。詳しくは言えないけど、召喚の手助けになるやつかな?」
「ふーん?ナギの使い魔は、コウモリだもんね。」
「そうだね。アルミンに会わせると、はしゃいじゃうけどね。なんだろうね?アルミンからなにか、流れてるのかな?」
「アルミンは動物に好かれるの!」
そのせいで、コルルは、頭を痛めてるが、そこは、仕方ない。
「フィル様。通話が来まして…。」
「え?誰から?」
目を丸くするフィル。
ここで?と思いつつ、携帯クロッグを取る。
相手は、コルルからだった。
「フィル…!」
なにかあったのは、明白。
ナギの横でまったりしてるリーサに見やる。
「どうしたの?」
コルルの切迫詰まった口調に、相打ちをしながら、目を見開く。
「ベイビー。ちょっと来てちょうだい。」
呼ばれて、フィルを見るリーサは、なにかを感じとり、あわあわ。
「どうしたのです?フィル。コルルはなんて?」
「アルミンがまた拾い物をしたそうで、キタアカリキツネの一家…。それを隠していたそうで…しかもその見つけた日は、ベイビーといた日なの!」
「違う。違う。アルミンもリーサも拾うつもりなかったの!でもついてきたの!中に入って来ちゃったの!」
キタアカリキツネの生息圏は、もっと北よりの生息なのに何故?
リーサの供述によれば、いつの間にか、敷地内にいたらしい。
アルマが警戒していないし、何よりも、飼ってるペットたちが、威嚇してないから、安全性は大丈夫だと思ったらしい。
従兄弟たちは、あちゃーと頭を抱え、困ったねと苦笑いする男性陣。
「一匹じゃなくて、家族らしくて、少なくとも五匹。」
「寂しくないよ!」
「違うわ!ベイビー。報告はきちんとしなさい!見慣れない動物に近寄らない!」
「だってさ。あのさ。」
リーサ、悪くないと、ナギの後ろに隠れる。
「アルミンからどんな香りが流れてるのかしらね?」
ツェリは首をかしげる。クロッグ越しに、弁明するアルミンの声がする。
メイド達が、テキパキと準備をする横で、水辺にはしゃぐ子供らを宥める大人たち。
魚を釣るための釣り道具や泳ぐための道具等を用意してきた。
日焼け対策に余念のない女性陣が、パラソルを立て、テーブルや椅子を用意し、幾重にも、日焼け留めを塗りたくる。
「むー。」
「リーサ、あなた、将来、私に感謝するのよ!こんなに肌を気にしてあげる親はいなくてよ!咽び泣いて、感謝すべきだわ。」
母の使用している日焼け留めクリームは、甘い香料が入っており、その匂い=日焼け留めクリームだと認識している。
「もーいい。」
「待ちなさい。きちんとまだ塗ってないわ!あなたは知らないだろうけど!紫外線って言うのは、あなたが思うよりも、怖いものなの!今は気づかないかも知れないけれど、未来、気づかぬ内に、憎きシミに成り変わるかも知れない要素を与えるのよ?」
「飽きた!」
母親にがんじがらめにされ、塗りたくられているリーサは、早く、マッキーたちと水遊びをしたい。
「おばあちゃんにもままにもないから大丈夫。」
「バカね!私達は、常に準備をしてるの!努力と研究の賜物だわ!」
「見なさい。マッキーたちもやってるわ!」
鬼教官がいるのに、適当に、日焼け留めを塗りたくられない。
「若い内からこういうのは、しておくべきなのよ!ままは、あなた位の年には、お母様の日焼け留めクリームを貸して貰っていたわ。」
渋い顔をするリーサはまるで、潰れたような顔つきの猫のようだ。
「フィル、リーサはいつもああなの?」
「ベイビーは、あまり興味を持ってなくて。早く遊びたい気持ちが勝ってしまうの。」
孫娘の嫌がり方に、リリーエは困惑。
淑女として、幼き頃から、肌を気にするように躾られてきたリリーエは、同然、我が子たちに、そのように指導してきた。お陰で、ツェリは自慢の白いきめ柔さで、自慢の肌であり、息子二人も、シミ一つない、綺麗な肌をしている。
「ままの日焼け留めクリームを塗ってるのよ?」
「リーサ、クリームなら、カスタードクリームが好き。」
食べれないクリームに興味を持たない。
ちなみに、ツェリ愛用の日焼け留めクリームのお値段は、通常の市販のクリームより倍は、かかるお値段。
「あんまり奥までいかないよ。」
サラトガの注意が飛ぶ。
ワイルドに、餌をつけて、魚釣りに勤しむ。
ちなみにフィルやリリーエは、魚の餌は、頑なに見ない。
「あそこに鳥がいて、魚、狙ってる。」
「自然の摂理だよ。」
リーサのために、鳩は入らないように、魔法をかけているが、他の動物は、自然な行動をしている。
「あ!ちぎれた!パパ。」
「貸してごらん。」
サラトガが餌をつけ直してくれる。
「お母様、フィル、野性的なことは、リーサたちに任せて、私達は、ティータイムに勤しみましょう。」
メイドたちが、テキパキと準備をしたティータイムセットを指差す。
「ナギ、何してるの?」
「うん?木彫り。」
ある程度、魚釣りをして、休憩してるリーサは、ナギがなにかをしてるのに、気づいた。
「木彫り?模様?」
見たことない模様を、木の棒に、ナイフで、彫っている。
「これはね?僕の魔法の練習の為に、使用するものなんだ。ここに生えてるシラヅクの木は、魔力を帯びてていて、相性がいいんだ。」
「どんなことに使うの?」
「んー。詳しくは言えないけど、召喚の手助けになるやつかな?」
「ふーん?ナギの使い魔は、コウモリだもんね。」
「そうだね。アルミンに会わせると、はしゃいじゃうけどね。なんだろうね?アルミンからなにか、流れてるのかな?」
「アルミンは動物に好かれるの!」
そのせいで、コルルは、頭を痛めてるが、そこは、仕方ない。
「フィル様。通話が来まして…。」
「え?誰から?」
目を丸くするフィル。
ここで?と思いつつ、携帯クロッグを取る。
相手は、コルルからだった。
「フィル…!」
なにかあったのは、明白。
ナギの横でまったりしてるリーサに見やる。
「どうしたの?」
コルルの切迫詰まった口調に、相打ちをしながら、目を見開く。
「ベイビー。ちょっと来てちょうだい。」
呼ばれて、フィルを見るリーサは、なにかを感じとり、あわあわ。
「どうしたのです?フィル。コルルはなんて?」
「アルミンがまた拾い物をしたそうで、キタアカリキツネの一家…。それを隠していたそうで…しかもその見つけた日は、ベイビーといた日なの!」
「違う。違う。アルミンもリーサも拾うつもりなかったの!でもついてきたの!中に入って来ちゃったの!」
キタアカリキツネの生息圏は、もっと北よりの生息なのに何故?
リーサの供述によれば、いつの間にか、敷地内にいたらしい。
アルマが警戒していないし、何よりも、飼ってるペットたちが、威嚇してないから、安全性は大丈夫だと思ったらしい。
従兄弟たちは、あちゃーと頭を抱え、困ったねと苦笑いする男性陣。
「一匹じゃなくて、家族らしくて、少なくとも五匹。」
「寂しくないよ!」
「違うわ!ベイビー。報告はきちんとしなさい!見慣れない動物に近寄らない!」
「だってさ。あのさ。」
リーサ、悪くないと、ナギの後ろに隠れる。
「アルミンからどんな香りが流れてるのかしらね?」
ツェリは首をかしげる。クロッグ越しに、弁明するアルミンの声がする。
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