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魅惑の薬
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賑やかな母たちの横で、おもちゃを広げ、自由に遊びだす。
マッキーたちもいれば良かったが、察知した危機管理能力で、外に遊びに行った。
「これが貴女が言っていた…?」
「そうよ。オズベルの魔女が作る薬で、まあお遊びの薬なのだけど、効果はあるのよ。何せ、高名な薬師が作ってるんだから。」
オズベルの魔女とは、オズベルという地方にいる魔女を指しており、薬を作る薬師の輩出が多い地域だが、如何せん、変わり者が多い。誰が必要なのだと言う微妙な薬まで作り、だが、効果は覿面。
才能の無駄使いであるが、本人らは、気にしてない。
マリンダが持ってきたのは、伝で手にいれたオズベルの薬。所謂惚れ薬擬きなど。
「これは、掛けたものを、一日中、痺れる痺れ薬に、爪が剥がれる薬。これはかの有名な惚れ薬擬き。1日で切れるから持続性はないの。」
「拷問じゃなくて?」
「要らないものを押し付けて来たのよ。使い道がないわ。」
「要らないなら、私がもらうわ。何か使えそうだもの。」
「カイヤやツェリに渡してはダメよ。見せるだけ。」
フィルが注意喚起。
二人にそのような危険な薬を渡したら、どうなるか。
元より、渡す気ではなかったマリンダは肩を竦める。
「義妹がオズベル出身だから割りと規制も緩いのだけど、要らないのよね。」
マリンダの弟がオズベル出身の妻を貰った所以で、薬の規制が他よりは、緩い。
「古狸にかけちゃえば?」
ちゃっかり、話に入るリーサ。
「良い提案だわ。」
「ダメに決まってるでしょ!」
間一髪、フィルが叱る。
「オズベルって、遠いよね?いってみたーい。」
「船に乗らないといけないのよ。とても遠いの。まあ、水源は、とても澄みきっていて、綺麗よ。海産物が美味しいわ。どうせなら、魚とか欲しいのよね。」
暖かい地方で、海に面した地域で、海産物も有名であり、観光地になっている。船乗りが捕る獲物は新鮮で、そこでしか、食べれないものもあり、来たならば、是非、食べていかないと損になると言われてる。
「子供たちが夏休みじゃない。オズベルは流石に遠いから、避暑地として、ビーブスに行こうって決めてるの。」
ビーブスは、避暑地としても、人気な観光地で、静かな湖畔がある別荘地エリア。
「うちは、各家に行くわ。」
「私も…あとは、数日、ヘブンズに行こうかと思ってるのよ。」
「あたしは、別荘に引きこもる予定だよ。ルーシリアが退屈だとぼやくけど、暑さに参るよりはマシ。」
「マーガレット。お土産ちょーだい。」
「あんたがあたしに寄越しな。」
マーガレットの膝に登り、クッキーをボリボリ。
「フランツおじちゃんの所に行きたい。」
「キングブレスト?行きたい気持ちならわかるけど、あそこはかなりの極寒よ。夏なんてあまり関係ないわ。」
「大きくなったら、雪兎を見に行くんだ!フランツおじちゃんが案内してくれるの。」
「キングブレストは、鑑別なんだけどね…。」
ため息を溢すマリンダ。
「フランツからの伝言よ。オリーマジュには、近寄らない方が良いらしいわ。どうも、あの方々が秘密裏に集まるらしくて。」
マリンダは、マルクスに、告げる。
「オリーマジュ…ああ、あそこには目眩ましの宿があるね。」
「ツェリには言ってないわ。無駄に、過敏になられても困るもの。」
「そうだね。ありがとう。」
「良いのよ…あともうひとつ。」
「?」
「スヴェラータが動いてるわ。気をつけて。」
「!」
「あっちの方でも対策はしてるから。」
「わかった。」
「じゃあ帰るわ。またね。」
マルクスに告げる。
「あー!こぼしちゃったあ!」
「ばかっ。拭け。タオルタオル。」
リーサが派手に、色水のバケツをぶちまけた。
双子とわちゃわちゃしながら、証拠隠滅を図ろうとしたが、フィルにバレ、魔法で汚れを無くし、リーサ、お説教。
「マリンダの薬みたいな色水を作ろうとしたの。」
「しなくて良いの。」
あの惚れ薬擬きは、用途を間違えれば、劇薬そのもの。持続性は1日しか無いようだが、精神を切り替えたり、操作するような薬は、総じて厳しい。今回のは、擬きで、効果も普通の惚れ薬よりは、薄めで、マリンダが、決して渡さなかったから、安全性が保証されただけ。
「あの子。何でも真似したがるんだから。」
「まあまあ。」
リーサがやったのは、絵の具を水で溶かしただけ。
何でもやりたがる年頃だから、保護者は大変。
マッキーたちもいれば良かったが、察知した危機管理能力で、外に遊びに行った。
「これが貴女が言っていた…?」
「そうよ。オズベルの魔女が作る薬で、まあお遊びの薬なのだけど、効果はあるのよ。何せ、高名な薬師が作ってるんだから。」
オズベルの魔女とは、オズベルという地方にいる魔女を指しており、薬を作る薬師の輩出が多い地域だが、如何せん、変わり者が多い。誰が必要なのだと言う微妙な薬まで作り、だが、効果は覿面。
才能の無駄使いであるが、本人らは、気にしてない。
マリンダが持ってきたのは、伝で手にいれたオズベルの薬。所謂惚れ薬擬きなど。
「これは、掛けたものを、一日中、痺れる痺れ薬に、爪が剥がれる薬。これはかの有名な惚れ薬擬き。1日で切れるから持続性はないの。」
「拷問じゃなくて?」
「要らないものを押し付けて来たのよ。使い道がないわ。」
「要らないなら、私がもらうわ。何か使えそうだもの。」
「カイヤやツェリに渡してはダメよ。見せるだけ。」
フィルが注意喚起。
二人にそのような危険な薬を渡したら、どうなるか。
元より、渡す気ではなかったマリンダは肩を竦める。
「義妹がオズベル出身だから割りと規制も緩いのだけど、要らないのよね。」
マリンダの弟がオズベル出身の妻を貰った所以で、薬の規制が他よりは、緩い。
「古狸にかけちゃえば?」
ちゃっかり、話に入るリーサ。
「良い提案だわ。」
「ダメに決まってるでしょ!」
間一髪、フィルが叱る。
「オズベルって、遠いよね?いってみたーい。」
「船に乗らないといけないのよ。とても遠いの。まあ、水源は、とても澄みきっていて、綺麗よ。海産物が美味しいわ。どうせなら、魚とか欲しいのよね。」
暖かい地方で、海に面した地域で、海産物も有名であり、観光地になっている。船乗りが捕る獲物は新鮮で、そこでしか、食べれないものもあり、来たならば、是非、食べていかないと損になると言われてる。
「子供たちが夏休みじゃない。オズベルは流石に遠いから、避暑地として、ビーブスに行こうって決めてるの。」
ビーブスは、避暑地としても、人気な観光地で、静かな湖畔がある別荘地エリア。
「うちは、各家に行くわ。」
「私も…あとは、数日、ヘブンズに行こうかと思ってるのよ。」
「あたしは、別荘に引きこもる予定だよ。ルーシリアが退屈だとぼやくけど、暑さに参るよりはマシ。」
「マーガレット。お土産ちょーだい。」
「あんたがあたしに寄越しな。」
マーガレットの膝に登り、クッキーをボリボリ。
「フランツおじちゃんの所に行きたい。」
「キングブレスト?行きたい気持ちならわかるけど、あそこはかなりの極寒よ。夏なんてあまり関係ないわ。」
「大きくなったら、雪兎を見に行くんだ!フランツおじちゃんが案内してくれるの。」
「キングブレストは、鑑別なんだけどね…。」
ため息を溢すマリンダ。
「フランツからの伝言よ。オリーマジュには、近寄らない方が良いらしいわ。どうも、あの方々が秘密裏に集まるらしくて。」
マリンダは、マルクスに、告げる。
「オリーマジュ…ああ、あそこには目眩ましの宿があるね。」
「ツェリには言ってないわ。無駄に、過敏になられても困るもの。」
「そうだね。ありがとう。」
「良いのよ…あともうひとつ。」
「?」
「スヴェラータが動いてるわ。気をつけて。」
「!」
「あっちの方でも対策はしてるから。」
「わかった。」
「じゃあ帰るわ。またね。」
マルクスに告げる。
「あー!こぼしちゃったあ!」
「ばかっ。拭け。タオルタオル。」
リーサが派手に、色水のバケツをぶちまけた。
双子とわちゃわちゃしながら、証拠隠滅を図ろうとしたが、フィルにバレ、魔法で汚れを無くし、リーサ、お説教。
「マリンダの薬みたいな色水を作ろうとしたの。」
「しなくて良いの。」
あの惚れ薬擬きは、用途を間違えれば、劇薬そのもの。持続性は1日しか無いようだが、精神を切り替えたり、操作するような薬は、総じて厳しい。今回のは、擬きで、効果も普通の惚れ薬よりは、薄めで、マリンダが、決して渡さなかったから、安全性が保証されただけ。
「あの子。何でも真似したがるんだから。」
「まあまあ。」
リーサがやったのは、絵の具を水で溶かしただけ。
何でもやりたがる年頃だから、保護者は大変。
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