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放蕩
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マルクスから貰った報せは、母であるリリーエの怒りを買った。かわいい愛娘は、泣かされ、同じく、孫娘は、ひどい目にあっている。こんなことは、絶対に許さない。
その前に、実兄に連絡を取らねばならない。兄は隠居したあと、隣国に渡り、悠々自適に、田舎暮らしを堪能している。
兄は、魔法省の役人であり、禁術取締役としての顔も持っている。兄から殊更、禁術に対する危険性を聞いていたため、今回の件に関しては、子供が禁術を使用したことも踏まえて、魔法省に働きかけてもらう。
兄ならば、優秀な術師を呼べるかも知れない。
逸る気持ちで、クロッグを繋げる。
場所は変わり、一年中、銀世界。
キングブレストの山頂にある大きな建物は、荘厳であり、一般人は、近寄らない。重々しい。大きな砦で昔の城を改築したものである。その離れてないところに、現在、キングブレストの檻長、フランツ・ハルベルの屋敷が負けず劣らずの、威厳を放ちながら、建ってるのだ。久しぶりに屋敷に戻ったフランツは実父からの報せに、眉をひそめた。
「父上。許可を頂ければ、すぐにでも、そやつらを始末しましょう。」
「おやめ。フランツ。お前に知らせたのは、そのような真似をさせるためじゃない。」
「ですが…。」
一定数、話し合っても、わかりあえない連中とはいるもので、そういった連中を相手するには、まともな人間はよした方がいい。常識など、当てはまらない。
「かわいいツェリは泣かされ、かわいいリーサは、傷づいてる。フランツ。あれには話を通しておくから、下山してきなさい。声をかけてやってくれ。」
「それはもちろん。ですが、私が山を降りることに、喧しい連中が騒ぎ出します。抑えようとはしますが、何分、多くて 。」
「私に任せなさい。お前は、妹と姪に会いにいくだけ。そうだろう?」
「そうですね。ここは、私の部下がおりますので。伝えます。二日後には、あちらに行けます。」
「うん。そうして。」
細かい打ち合わせをする。控えていた使用人のベッセに言付け。
「フランツ坊っちゃん。ここはお任せを。」
「ベッセ。いつも言うが、坊っちゃんはやめてくれ。私は既に成人をかなり越えているよ。」
フランツは出ていく。身の回りの世話をするマーティンが影のように寄り添う。
妹からの知らせに、なんてことだと慌てて、探し出す。引退直前まで、腕がいいやつを頭から、探し出す。
「腕は問題ないが、軽薄なやつがいたな。」
禁術フリークであり、あらゆる術の解読を趣味にしてる学者のようなオタク。
やつがいるのは、確か…。
あれならば、なんとか出来るような気もする。
若いが、経験値もあり、博識だ。そう禁術に至っての知識は、魔法省にいなきゃ、犯罪者同然。
「あなた。」
アレックスの妻が心配そうに見る。
「オリヴェラ。家を頼む。」
「もちろんですわ。」
家を不在になる夫の代わりに、妻である自分が守る。
「あの放蕩を呼び寄せる。」
アレックスは自室を出た。
その前に、実兄に連絡を取らねばならない。兄は隠居したあと、隣国に渡り、悠々自適に、田舎暮らしを堪能している。
兄は、魔法省の役人であり、禁術取締役としての顔も持っている。兄から殊更、禁術に対する危険性を聞いていたため、今回の件に関しては、子供が禁術を使用したことも踏まえて、魔法省に働きかけてもらう。
兄ならば、優秀な術師を呼べるかも知れない。
逸る気持ちで、クロッグを繋げる。
場所は変わり、一年中、銀世界。
キングブレストの山頂にある大きな建物は、荘厳であり、一般人は、近寄らない。重々しい。大きな砦で昔の城を改築したものである。その離れてないところに、現在、キングブレストの檻長、フランツ・ハルベルの屋敷が負けず劣らずの、威厳を放ちながら、建ってるのだ。久しぶりに屋敷に戻ったフランツは実父からの報せに、眉をひそめた。
「父上。許可を頂ければ、すぐにでも、そやつらを始末しましょう。」
「おやめ。フランツ。お前に知らせたのは、そのような真似をさせるためじゃない。」
「ですが…。」
一定数、話し合っても、わかりあえない連中とはいるもので、そういった連中を相手するには、まともな人間はよした方がいい。常識など、当てはまらない。
「かわいいツェリは泣かされ、かわいいリーサは、傷づいてる。フランツ。あれには話を通しておくから、下山してきなさい。声をかけてやってくれ。」
「それはもちろん。ですが、私が山を降りることに、喧しい連中が騒ぎ出します。抑えようとはしますが、何分、多くて 。」
「私に任せなさい。お前は、妹と姪に会いにいくだけ。そうだろう?」
「そうですね。ここは、私の部下がおりますので。伝えます。二日後には、あちらに行けます。」
「うん。そうして。」
細かい打ち合わせをする。控えていた使用人のベッセに言付け。
「フランツ坊っちゃん。ここはお任せを。」
「ベッセ。いつも言うが、坊っちゃんはやめてくれ。私は既に成人をかなり越えているよ。」
フランツは出ていく。身の回りの世話をするマーティンが影のように寄り添う。
妹からの知らせに、なんてことだと慌てて、探し出す。引退直前まで、腕がいいやつを頭から、探し出す。
「腕は問題ないが、軽薄なやつがいたな。」
禁術フリークであり、あらゆる術の解読を趣味にしてる学者のようなオタク。
やつがいるのは、確か…。
あれならば、なんとか出来るような気もする。
若いが、経験値もあり、博識だ。そう禁術に至っての知識は、魔法省にいなきゃ、犯罪者同然。
「あなた。」
アレックスの妻が心配そうに見る。
「オリヴェラ。家を頼む。」
「もちろんですわ。」
家を不在になる夫の代わりに、妻である自分が守る。
「あの放蕩を呼び寄せる。」
アレックスは自室を出た。
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