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小さな嵐
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リーサは、ミニアルバムを持っており、大好きな人達の写真がたくさん、収納されている。幼稚園の時は、それを持っていっては、引き離されたショックを癒していた。
今日はジオルクがやって来た。同伴者に、母親のカイヤもやって来ていて、ツェリといつものおしゃべりに勤しんでいる。
「あ。これ、一緒にお芋、掘りに行ったよね。美味しかったね。」
「うん!焼き芋、美味しかったね!」
アルバムを見ながら、キャッキャッ。
パラパラとアルバムを見ると、あっ!とリーサは、大きな声がする。
リーサがまぶたを腫らして、泣きじゃくり、総出であやされている姿が映っていた。こんな写真、貼った記憶がない。
「ネフィが貼ったあ!」
「いきなり、大声、出して、どうしたの?ネフィがなんですって?」
「見て!!」
ぐいっと、ツェリに写真を見せる。
ツェリは、あらと呟いた。隣にいたカイヤが覗く。
「大泣きじゃない?」
「オスカーに騙された時のよ。あの日は、すごかったわ。庭にいる筈のリーサがいなくなって、誘拐騒ぎになって、実は、オスカーが連れ去って…フィルは大激怒で…。」
「ネフィがリーサの泣きかお、とったあ!」
「あの子の悪癖よ。気にしたら負けよ。」
「ネフィに注意しにいこう?」
ネフィは、リーサの従兄弟で、上から四番目で、少し、面白がる癖を持つ。ジオルクは家族ぐるみで付き合いがあるので、ネフィにものが言える。
「オスカー?ああ。ああ。聞いたわ。あのバカ、リーサを色町に連れて行ったんですってね?」
カイヤは思い出したようにいう。
オスカーは、ツェリとカイヤの学友でもあり、悪友でもある。なまじ、整った顔で、昔から、女、金関係でトラブルを起こす、問題児。
ツェリもカイヤもオスカーの餌食になるほど、落ちぶれていないし、なんなら、二人の実兄たちが、出てくる。
「そうよ。あの時は、手伝いをさせてとよくねだっていた時期だったから。手伝いが出来ると嘯いて、リーサを連れ出したの。やらせたのは、あの酒賭場の賭けよ。見つけた時は、タバコと酒の香りが染み付いて。フィルは、単身で向かってしまうし、お兄様は激怒なさるし、リーサは泣かされるしで、てんてこ舞いだったわ。盲点だったのよ。油断というか。リーサは、フィルから離れたためしはなかったし。」
「そうね。なんなら、いつも引っ付いてるぐらいだもの。」
「お兄様の手伝いができて、仕事を辞めさせられるって聞いたらしいの。あの詐欺師、ナメた真似をしてくれたわ。」
「オスカー、悪い子!!」
「もう近づいたら、ダメだよ!そんなやつ。」
リーサは賭け事に強かった。次々に勝ったらしい。オスカーがリーサを連れ出した意味は、それである。勝てば、マルクスが早く、帰って来てくれると頑張った。旅行にも行けると聞いたのだ。にも関わらず、すべては嘘。
プライドを傷つけられたリーサは大泣き。
「あのバカの話は九割、嘘だと思いなさい。ホラ吹きよ。」
「そうよ。あんな体たらくの話を聞いたら、だめよ。見たら、誰かに言いなさい。ろくでもないんだから。」
ろくでなしと有名で、色町でも警戒されてる人物。血眼になって、探してる奴等は、星の数ほどいる。
やり返してやるんだ!と息巻く娘に返り討ちにあうからよしなさいといい、お兄様が怒るわよと嗜めた。
「フィルの前でもその話はだめよ。禁句だわ。あの日のフィルは、凄まじいぐらいにキレていたから。」
「そうね。プライドを傷つけられたようなものだものね。でも、あのバカ、聞かないでしょう?」
「無理よ。フィルがあんなに激怒してるのに、ダルそうに聞いて、お兄様の逆鱗に触れて、全く…。」
挙げ句に私は外に出してはもらえなかったわと呟く。女好きのオスカーに会わせたくないのだ。可愛い妹に近寄らせたくない。
そこにやって来たネフィ。
「ネフィ。悪い子!!」
「あれ。めんどくさいときに来ちゃった?」
ネフィは、中性的な顔立ちで柔らかな雰囲気のため、一見、害が無さそうだが、少し、困り者。
本当の名前はネフェル。みんな、ネフィと呼んでる。
リーサは、写真を見せた。ああとネフィはうなずく。
パンパンの頬を膨らますリーサに、ネフィは笑った。
「ごめん。ごめん。」
「ちゃんと謝って!」
「ほら。サイダーあげる。色町のサイダー。」
「色町のサイダー?」
魔法でサイダーを取り出した。色町限定のサイダーだ。意外と人気商品。色町に住む子供たちに大人気で、中のビー玉が宝石のように美しい。
「サイダーだあ。」
サイダーに興味が移った。
「ネフィ。物で釣らないで!リーサちゃん、かわいそうでしょ!」
ジオルクが代わりに怒る。
「お前にもあげるよ。」
「僕は騙されない!」
意思の強さで拒否。ネフィは肩をすくめる。
「ネフィ。あなた、そのサイダー。どうやって買ったの?まさか、色町まで行ったの?」
「やだな。ツェリおば様。もらったんだ。」
「ジュディからもらったの?」
「リーサ。お口、チャック。」
ツェリが疑問を口にしたら、ネフィは微笑む。
代わりにリーサが答えたら、口を塞がれた。
「ジュディ?」
「マダムのジュディ。」
「ンー。リーサ。更に口をチャック。」
「んー!!」
ジタバタするリーサ。
「あなた、フィルたちに心配を掛けさせるような真似は控えなさい。わかってるわね?」
「もちろん。」
ツェリが剣呑な目で見つめる。
「ジュディ。いいこだから好き。」
「色町にはあんまり行っちゃダメなんだよ。」
リーサがニコニコしてるが、心配になるジオルク。
今日はジオルクがやって来た。同伴者に、母親のカイヤもやって来ていて、ツェリといつものおしゃべりに勤しんでいる。
「あ。これ、一緒にお芋、掘りに行ったよね。美味しかったね。」
「うん!焼き芋、美味しかったね!」
アルバムを見ながら、キャッキャッ。
パラパラとアルバムを見ると、あっ!とリーサは、大きな声がする。
リーサがまぶたを腫らして、泣きじゃくり、総出であやされている姿が映っていた。こんな写真、貼った記憶がない。
「ネフィが貼ったあ!」
「いきなり、大声、出して、どうしたの?ネフィがなんですって?」
「見て!!」
ぐいっと、ツェリに写真を見せる。
ツェリは、あらと呟いた。隣にいたカイヤが覗く。
「大泣きじゃない?」
「オスカーに騙された時のよ。あの日は、すごかったわ。庭にいる筈のリーサがいなくなって、誘拐騒ぎになって、実は、オスカーが連れ去って…フィルは大激怒で…。」
「ネフィがリーサの泣きかお、とったあ!」
「あの子の悪癖よ。気にしたら負けよ。」
「ネフィに注意しにいこう?」
ネフィは、リーサの従兄弟で、上から四番目で、少し、面白がる癖を持つ。ジオルクは家族ぐるみで付き合いがあるので、ネフィにものが言える。
「オスカー?ああ。ああ。聞いたわ。あのバカ、リーサを色町に連れて行ったんですってね?」
カイヤは思い出したようにいう。
オスカーは、ツェリとカイヤの学友でもあり、悪友でもある。なまじ、整った顔で、昔から、女、金関係でトラブルを起こす、問題児。
ツェリもカイヤもオスカーの餌食になるほど、落ちぶれていないし、なんなら、二人の実兄たちが、出てくる。
「そうよ。あの時は、手伝いをさせてとよくねだっていた時期だったから。手伝いが出来ると嘯いて、リーサを連れ出したの。やらせたのは、あの酒賭場の賭けよ。見つけた時は、タバコと酒の香りが染み付いて。フィルは、単身で向かってしまうし、お兄様は激怒なさるし、リーサは泣かされるしで、てんてこ舞いだったわ。盲点だったのよ。油断というか。リーサは、フィルから離れたためしはなかったし。」
「そうね。なんなら、いつも引っ付いてるぐらいだもの。」
「お兄様の手伝いができて、仕事を辞めさせられるって聞いたらしいの。あの詐欺師、ナメた真似をしてくれたわ。」
「オスカー、悪い子!!」
「もう近づいたら、ダメだよ!そんなやつ。」
リーサは賭け事に強かった。次々に勝ったらしい。オスカーがリーサを連れ出した意味は、それである。勝てば、マルクスが早く、帰って来てくれると頑張った。旅行にも行けると聞いたのだ。にも関わらず、すべては嘘。
プライドを傷つけられたリーサは大泣き。
「あのバカの話は九割、嘘だと思いなさい。ホラ吹きよ。」
「そうよ。あんな体たらくの話を聞いたら、だめよ。見たら、誰かに言いなさい。ろくでもないんだから。」
ろくでなしと有名で、色町でも警戒されてる人物。血眼になって、探してる奴等は、星の数ほどいる。
やり返してやるんだ!と息巻く娘に返り討ちにあうからよしなさいといい、お兄様が怒るわよと嗜めた。
「フィルの前でもその話はだめよ。禁句だわ。あの日のフィルは、凄まじいぐらいにキレていたから。」
「そうね。プライドを傷つけられたようなものだものね。でも、あのバカ、聞かないでしょう?」
「無理よ。フィルがあんなに激怒してるのに、ダルそうに聞いて、お兄様の逆鱗に触れて、全く…。」
挙げ句に私は外に出してはもらえなかったわと呟く。女好きのオスカーに会わせたくないのだ。可愛い妹に近寄らせたくない。
そこにやって来たネフィ。
「ネフィ。悪い子!!」
「あれ。めんどくさいときに来ちゃった?」
ネフィは、中性的な顔立ちで柔らかな雰囲気のため、一見、害が無さそうだが、少し、困り者。
本当の名前はネフェル。みんな、ネフィと呼んでる。
リーサは、写真を見せた。ああとネフィはうなずく。
パンパンの頬を膨らますリーサに、ネフィは笑った。
「ごめん。ごめん。」
「ちゃんと謝って!」
「ほら。サイダーあげる。色町のサイダー。」
「色町のサイダー?」
魔法でサイダーを取り出した。色町限定のサイダーだ。意外と人気商品。色町に住む子供たちに大人気で、中のビー玉が宝石のように美しい。
「サイダーだあ。」
サイダーに興味が移った。
「ネフィ。物で釣らないで!リーサちゃん、かわいそうでしょ!」
ジオルクが代わりに怒る。
「お前にもあげるよ。」
「僕は騙されない!」
意思の強さで拒否。ネフィは肩をすくめる。
「ネフィ。あなた、そのサイダー。どうやって買ったの?まさか、色町まで行ったの?」
「やだな。ツェリおば様。もらったんだ。」
「ジュディからもらったの?」
「リーサ。お口、チャック。」
ツェリが疑問を口にしたら、ネフィは微笑む。
代わりにリーサが答えたら、口を塞がれた。
「ジュディ?」
「マダムのジュディ。」
「ンー。リーサ。更に口をチャック。」
「んー!!」
ジタバタするリーサ。
「あなた、フィルたちに心配を掛けさせるような真似は控えなさい。わかってるわね?」
「もちろん。」
ツェリが剣呑な目で見つめる。
「ジュディ。いいこだから好き。」
「色町にはあんまり行っちゃダメなんだよ。」
リーサがニコニコしてるが、心配になるジオルク。
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