小さなベイビー、大きな野望

春子

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お友達とわいわい

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魔法学校初等部。リーサは、その初等部の一年生で、双子は、三年生。スペンサーは六年生だ。
叔父夫婦も両親もこの学校の卒業生で、優秀な生徒だった。特に自分達は、有名である。大家族というだけで、歴代の兄たちも通ったため、入学してくる下の子たちも覚えが早い。
ハルベル家兄弟は、オルドーが最後で、双子での入学だっため、特に目立った。
が、ハルベル家に劣らず、目立つロッシュヴォーク家の娘、ハルベル家の従姉妹にあたるリーサだ。
有名な話で、叔父夫婦であるハルベル夫妻や従兄弟たちには溺愛され、尚且つ、母は、稲妻のツェツリーエ。ついたあだ名は、ハルベルの小さなお姫様。それだけでなく、リーサ自体が少し、先生からも注目されている。
家から学校までは、学校専用の送迎用馬車で、向かう。次々に、出ていく生徒。
このあたりだと、大きな学校で、魔法科と錬金術科で分かれている。
その馬車には、学校側の意図が透けて見える。何故なら、一年生の中でも、リーサ以外で、先生の注目を集める生徒が乗っているから。
まずは、リーサの父方の従兄弟でアルミン・ロッシュヴォーク。ロッシュヴォーク家の誰よりも血が濃く、出た子であり、無類の動物好き。リーサとは大の仲良し。長男で、妹のアイシャを溺愛。
気質がよく似ていて、リーサを含めた甘えん坊集団の一員。
「ねえねえ。今日は、探索の授業があるよね!森の中に入るの。楽しみだね!」
ニコニコ。朗らかに微笑むアルミンは、今日の授業の予定を話す。校内にある大きな森の突先に入り、いろんな植物やそこに住む生物の生態等を実地で学ぶ。
「アルミン。僕から離れたらダメだよ?」
優しく諭すアルミンの横にいて、人形のように整った美少年は、アルミンの幼馴染みで、エドガー。
アルミンが絡まなければ、冷静沈着。リーサは、怒ったら魔王だと、思っている。
「色んな虫がいたらいいなあ。」
典型的な男の子の趣味、虫取を好むフラン。大きなまん丸目がチャームポイントで、リーサと負けず劣らずのモチモチの頬で白雪姫に出てくる真っ赤なリンゴのように赤いほっぺた。ちなみに甘えん坊集団の一員。フランは三兄弟の末っ子。
フランの保護者で、見た目に反して、正義感が強く、兄貴肌で、フランに注意喚起をするヤンチャなカルマ。
「ほどほどにしておけよ。」
その横で、歌を呑気に歌うノア。甘えん坊集団の最後の一人で、漏れなく、末っ子であり、家族に溺愛されている。漆黒の黒髪と海のような色をしてる瞳。可愛らしい歌には定評がある。
ノアの横では、寝ているノアの幼馴染み。オリバー。運動神経抜群でノアに不埒を働くバカを裏でしめてる猛者。
リーサは、今、大好きな二人に言い聞かされていた。
リーサの保護者の一人で、フィルから絶大なる信頼を寄せられている女の子、オフィーリア。
茶髪に、茶色の瞳で可愛らしい顔立ちで女の子らしい子だ。幼稚園から一緒で、面倒見が良い。将来、フィルのようなお母さんになりたいといい、フィルに家事能力を習っている。
「私の手を離さないでね!気になっても駆けちゃだめ。」
「うん!」
「僕から離れてもダメだよ?」
もう一人は、リーサの保護者でもあり、幼馴染みでもあり、将来は絶対、結婚するんだと言ってる男の子。ジオルク。母親同士が親友で小さい頃から一緒にいるため、扱い方を熟知していて、オフィーリアとは同志。
「リーサ。お前、ジオルクとオフィーリアちゃんとマジで離れるなよ?」
「突先とはいえ、迷子になったら洒落にならないんだから。」
双子まで言ってきた。
馬車は、学校に着いた。そこには毎朝、他の生徒は違う光景が広がる。
その馬車の前に佇む先生。先生の証、ロープを身に纏った女性。
特徴に鷲鼻が目につき、キリッとした目付き。
やせ形で魔女らしい出で立ち。
魔法学校初等部一年A組担当、ゴットリー先生。
甘えん坊集団を纏めなければ、いけない。
わらわらと出てきた。
「おはようございます!ゴットリー先生!!」
ご挨拶は大事だと、各家庭で習い、毎朝、元気に挨拶。
「はい。おはようございます。さああなたたち、整列。」
ピッ。四人は横に並ぶ。
「学校での約束は!」
「いいこにする!!」
「先生のお話を聞く!!」
「あちこち行かない!!」
「お昼寝しない!!」
張りのある声でゴットリーが四人に確かめる。
四人は、元気に答える。
「あとは?」
「わがまま言わない!!」
「はい。よろしい。」
毎朝、ゴットリーにより、この挨拶はされ、四人は、元気に答える。守れるかは、その日による。
ゴットリーの使命は、この四人に常識を教えること。今のところは、難航しているけれど。
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