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5.帰還
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オモール国に戻ってくると街や城が凄い事になっていた。俺達が乗っていると分かっているのか「おかえりなさーい」と手を振られる。俺は嬉しくなってただいまーと手を振る。街はお祭り騒ぎで俺と殿下を歓迎してくれる。
城の広場に降りると陛下やライアス殿下、サーシャ様、スレイマンさん、ジュリー、教会のコーナンさん、ヨハンさん、主教様、孤児院のジョビア先生や子供達皆んなが集まっていた。
アヒン殿下に地面に下ろして貰うと孤児院の皆んな達が俺とホワイトに向かって駆け寄って来た。
「わあっ、皆んな元気だった?」
「みちゅば~!」
「わぁぁ~ん、会いたかったよ~」
「もう会えないかと思った~」
「はは、皆んな心配かけたね。ただいま?」
「「「おかえり~」」」
少し先を見るとコーナンさん、ヨハンさん、主教様がこちらを見ていたので皆んなにも「ただいま」と言った。
「ふぉふぉ良く戻ってきたの~」
相変わらずの主教様の拝みポーズに苦笑いが出る。
「おかえり。よく戻った」
「お帰り~も~遅いよ~みっちゃん~」
2人も相変わらずで元気そうだ。
「三葉様、お帰りなさいませ」
「ジュリー、ただいま」
涙ぐんでいる彼女に微笑むとハンカチで目頭を押さえてわんわん泣いてしまった。
ちょ、女性を泣かせてるこの絵面は色々とヤバくないか?
俺があたふたしているとスレイマンが彼女の肩を抱いた。
「お帰りなさいませ、アヒン殿下。三葉様」
「ただいま」
「ただいま戻りました」
にこりと微笑まれる。俺達が居ない間、ジュリーの面倒を見ていたのかもしれない。どこか安心した様に見えるジュリーに俺は、スレイマンに彼女の対応を任せる。
「アヒン、よく戻った。そして聖女様もご無事で何よりだ」
「陛下、帰還が遅くなり申し訳ありません。そして勝手な行動をとり申し訳ありませんでした。どんな処分でも受けます」
アヒン殿下が国王陛下に深々と頭を下げる。
「国王陛下、有難いお言葉ありがとうございます。でも、アヒン殿下の事は責めないで下さい!俺の不注意で殿下に迷惑を掛けたんですっ」
「ははは、良い分かってる。ツワニヤ国の陛下から話は聞いていた。優れた聖女を招待したいとな。側近の者達が三葉を見て聖女だと確信し連れ去ったそうだ。逆に怖い思いをさせてすまなかった」
陛下が頭を下げる。俺は陛下が頭を下げるのを見てパニックになる。
「ふ、陛下。三葉が困ってます。頭を上げて下さい」
「む?そうか?すまなかったな」
「い、いえ。少し怖い思いをしましたが結果的に良い思いもしましたので俺は大丈夫です。それより…俺がついて行きながら沢山の方を亡くしてしまい申し訳ありませんでした…」
「良い。聖女様とて万能ではない。それに誰も三葉を責めておる者などいない。皆三葉に救われて感謝していると申していた。騎士として絶望的になった何人もの肉体を綺麗に戻したと言うではないか。此度の活躍に応じて聖女様には褒賞をやらねばいかんな。何が良い?」
褒賞?ご褒美が貰えるのか?
「俺にアヒン殿下を下さい!」
「アヒンを?」
皆んな驚いた様子の中、アヒン殿下とスレイマン、ジュリーは笑っていた。結構大きな声だったので皆んなこちらに注目している。
「はっはっはっはっはっ!これは参ったな。アヒン。お前の望みも同じかな?」
「はい、陛下。私に聖女三葉と結婚する最高の褒美を与えて下さい」
「ふむ。良かろう。アヒンと聖女三葉の結婚を認める」
「やったぁ!」
思わずアヒン殿下の首に腕を回し飛びつく。
「ありがとうございます。陛下」
「気が早いぞ。2人ともやるべき事は沢山ある。精進しなさい」
「「はい!」」
国王陛下は微笑みながらこくりと頷くと忙しいのか城の中へと戻って行った。
そういえば…いないな…何してるんだろ?
「お前の義姉なら地下にいるぞ」
キョロキョロと周りを探しているとライアス殿下に声をかけられた。その隣にはサーシャ様もいる、
「え?地下?」
「ああ。詳細は中で話す。まずは疲れただろ?夕飯を用意しているから皆んなで食べよう」
ここにいる皆んなで食べるらしくぞろぞろと城の中へと入って行く。
俺の胸の中は美優さんどうしたんだろうと言う気持ちでもやもやした。
城の広場に降りると陛下やライアス殿下、サーシャ様、スレイマンさん、ジュリー、教会のコーナンさん、ヨハンさん、主教様、孤児院のジョビア先生や子供達皆んなが集まっていた。
アヒン殿下に地面に下ろして貰うと孤児院の皆んな達が俺とホワイトに向かって駆け寄って来た。
「わあっ、皆んな元気だった?」
「みちゅば~!」
「わぁぁ~ん、会いたかったよ~」
「もう会えないかと思った~」
「はは、皆んな心配かけたね。ただいま?」
「「「おかえり~」」」
少し先を見るとコーナンさん、ヨハンさん、主教様がこちらを見ていたので皆んなにも「ただいま」と言った。
「ふぉふぉ良く戻ってきたの~」
相変わらずの主教様の拝みポーズに苦笑いが出る。
「おかえり。よく戻った」
「お帰り~も~遅いよ~みっちゃん~」
2人も相変わらずで元気そうだ。
「三葉様、お帰りなさいませ」
「ジュリー、ただいま」
涙ぐんでいる彼女に微笑むとハンカチで目頭を押さえてわんわん泣いてしまった。
ちょ、女性を泣かせてるこの絵面は色々とヤバくないか?
俺があたふたしているとスレイマンが彼女の肩を抱いた。
「お帰りなさいませ、アヒン殿下。三葉様」
「ただいま」
「ただいま戻りました」
にこりと微笑まれる。俺達が居ない間、ジュリーの面倒を見ていたのかもしれない。どこか安心した様に見えるジュリーに俺は、スレイマンに彼女の対応を任せる。
「アヒン、よく戻った。そして聖女様もご無事で何よりだ」
「陛下、帰還が遅くなり申し訳ありません。そして勝手な行動をとり申し訳ありませんでした。どんな処分でも受けます」
アヒン殿下が国王陛下に深々と頭を下げる。
「国王陛下、有難いお言葉ありがとうございます。でも、アヒン殿下の事は責めないで下さい!俺の不注意で殿下に迷惑を掛けたんですっ」
「ははは、良い分かってる。ツワニヤ国の陛下から話は聞いていた。優れた聖女を招待したいとな。側近の者達が三葉を見て聖女だと確信し連れ去ったそうだ。逆に怖い思いをさせてすまなかった」
陛下が頭を下げる。俺は陛下が頭を下げるのを見てパニックになる。
「ふ、陛下。三葉が困ってます。頭を上げて下さい」
「む?そうか?すまなかったな」
「い、いえ。少し怖い思いをしましたが結果的に良い思いもしましたので俺は大丈夫です。それより…俺がついて行きながら沢山の方を亡くしてしまい申し訳ありませんでした…」
「良い。聖女様とて万能ではない。それに誰も三葉を責めておる者などいない。皆三葉に救われて感謝していると申していた。騎士として絶望的になった何人もの肉体を綺麗に戻したと言うではないか。此度の活躍に応じて聖女様には褒賞をやらねばいかんな。何が良い?」
褒賞?ご褒美が貰えるのか?
「俺にアヒン殿下を下さい!」
「アヒンを?」
皆んな驚いた様子の中、アヒン殿下とスレイマン、ジュリーは笑っていた。結構大きな声だったので皆んなこちらに注目している。
「はっはっはっはっはっ!これは参ったな。アヒン。お前の望みも同じかな?」
「はい、陛下。私に聖女三葉と結婚する最高の褒美を与えて下さい」
「ふむ。良かろう。アヒンと聖女三葉の結婚を認める」
「やったぁ!」
思わずアヒン殿下の首に腕を回し飛びつく。
「ありがとうございます。陛下」
「気が早いぞ。2人ともやるべき事は沢山ある。精進しなさい」
「「はい!」」
国王陛下は微笑みながらこくりと頷くと忙しいのか城の中へと戻って行った。
そういえば…いないな…何してるんだろ?
「お前の義姉なら地下にいるぞ」
キョロキョロと周りを探しているとライアス殿下に声をかけられた。その隣にはサーシャ様もいる、
「え?地下?」
「ああ。詳細は中で話す。まずは疲れただろ?夕飯を用意しているから皆んなで食べよう」
ここにいる皆んなで食べるらしくぞろぞろと城の中へと入って行く。
俺の胸の中は美優さんどうしたんだろうと言う気持ちでもやもやした。
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