俺とバスケ

じろー

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3話

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 高校バスケの練習は非常にハードだった。
ただでさえ受験期間でバスケができずブランクがあるというのにあの練習量はエグい…。
でも、楽しかった。初めてバスケの練習をしたと思った。中学の時とは全く違う。みんなが勝つ気でひとつひとつの練習を一生懸命取り組んでいる。先輩のプレーも尊敬できるものばかりだった。その中でも部長の西田にしだ先輩の動きは群を抜いていた。あの人は上手すぎる。そして西田先輩の動きについていくことのできる佐々木も凄い。足も速いしシュートの精度も高い、ドリブルもPGの俺よりもレベルが高く、悔しさよりも尊敬の気持ちが大きかった。
でも、1番記憶に残っているのは…加藤さんの顔だった。好きだ。好きすぎる。
そんな声に出したら引かれそうな事を思いながら俺は家に帰った。
 次の日の朝ーーー
教室の扉を開ける俺の左斜め後ろの席に加藤さんが座って他の女子と話している。
…っ!!
加藤さんと目が合った。
「おはよう!新井くん!」
天使をも凌駕すると思われる満面の笑みで俺に声をかけてきた。
「あ、おはよう。」
俺の顔は今どうなっている…自然な表情をしているか?
「昨日の練習キツかったでしょ?筋肉痛とかになってない?」
加藤さんが俺の体を心配してくれている!これ以上に嬉しいことはあるだろうかっ!!
「あぁ平気だよ。練習の後にストレッチもしたからね。」
実は腹筋と二の腕が死ぬほど痛い。痛すぎる。中学の時は体験したことのないほどの痛み、起き上がるのに何分かかったことか…。
「龍二はLIMEライムで死にそう。なんて言ってたんだよぉ」
加藤さんは笑いながら言うが俺は苦笑いしかできない…。
佐々木とLIME!?あいつ無口なのにLIMEでは喋るのか!?いや、まず加藤さんのLIMEを持っているのか!!従兄妹だから当たり前か…。でも、羨ましすぎるっ!!
「あはは…佐々木昨日は頑張ってたからなー…あはは。」
涙が出そうだ。筋肉痛だからか? それとも他の理由か?
そんな事を考えながら俺はトイレに行くため廊下に出た。
あ、佐々木。
佐々木もトイレへ向かっているようだった。
「佐々木ー!!」
ビクッ
「…おぉ、おはよう。」
またビクついた。驚きやすい性格なのか?
「昨日はハードだったな。筋肉痛大丈夫?俺は腹筋と二の腕が爆発しそうだよ、むしろ爆発した。あはは」
いらぬ冗談を言ってしまった。
「俺も二の腕がかなりキツイな。」
俺の爆笑ジョークは綺麗にスルーされた。
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