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17章 隊服
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二日後。
お休みをいただいたわたしは、ルーク様をお見送りした後、お仕着せからワンピースに着替えて出掛ける準備をする。
何故、お休みなのにルーク様のお見送りはするのかって?
だって、いつも通りに振る舞わないと、ルーク様は怪しむから。
最近、ルーク様はわたしの行動に慣れてきたみたい。
というか、ジーナの頃のちょっと後先考えないような行動をニーナであるわたしもすると考えているようだ。
当たりだけどね。
人間、一度死んだからって、そうそう性格が変わるわけじゃない。だって、何をしたってわたしはわたしだから。
だから、ルーク様がダメだって言っても、わたしは討伐当日はルーク様のお側にいる! 絶対に!
意気込んだわたしが向かった先は、王都中心にある大聖堂だ。
陽の光を浴びて、ステンドグラスの窓がキラキラと光るそれは、荘厳な威圧感を持っている。
街の教会も綺麗なステンドグラスがはまっているけど、やはり大聖堂は纏う雰囲気も違っていた。
街の教会はミサをしたり、告解室で懺悔を聞いてくれたりと街の人に開かれているけれど、教会の総本山はどうなんだろう……。
物陰に隠れて、教会の様子を見ていると、白い聖職者のローブを着た男の人が出てきて、教会の前の掃除を始めた。
男の人は、屈んで教会の入り口などの拭き掃除をしている。
顔が見えないのではっきりとは言えないけど、若い人ではなさそう。
でも、丁寧に門を拭いている様子を見て、わたしはその人に話しかけることを決めた。
だって、誰も見ていないのに、あんなに丁寧に掃除をするってことは、いい人に決まっているもの。
建物の陰から出て、そっとその人に近付いて行く。
えーと、なんて声を掛けようか。
やっぱり、懺悔を聞いてもらいたいと言うのが一般的かな。
「あの、」
わたしが声を掛けると、その人は振り返る。
実際には普通に振り向いただけなんだけど、わたしの目にはその様子がスローモーションでこちらを振り向いたように見えた。
だって、だって……
「お、父様……」
口をついて言葉が出てしまう。
わたしの方に振り向いたその顔は、前世のジーナのお父様だった。
わたしの記憶の中のお父様は、もっと若くて、いつだって毅然とした態度で仕事にもわたしたち子どもにも接していたけど、今のお父様は髪は全て白髪となっていて、お顔は皺が増えていたけど柔和な顔付きになっていた。
わたしの記憶の中のお父様よりお年を召していらっしゃるけど、間違いなくこの人はお父様だ。
わたしの頭は混乱する。
何故、こんなところで掃除をしているの?
何故、教会の人間であることを示す白いローブを着ているの?
次の言葉が告げられなくなったわたしを、お父様はじっと見つめる。
少し屈んでわたしの瞳を覗き込むと、お父様は安心したような笑顔を見せた。
「ああ、やっぱりジーナだ。やっと還ってきたんだね。おかえり」
お父様はそう言って皺の深くなったお顔で微笑むと、立ち上がってわたしをきゅっと抱きしめた。
混乱するわたしの頭に、お父様の涙がひとつこぼれ落ちた。
*****************
みなさま、こんにちは。
前回の更新の時に、夏休み中は更新不定期ですと記載をいたしましたが、申し訳ありません。
不定期どころか一度も更新できませんでした…。。。
家族全員夏休みで家に居ましたが、なんとなく側をウロチョロしている気配がすると、書き進めることができなくて…
まだ、しばらく不定期になりますが、最終回まで更新がんばります!
どうぞよろしくお願いします。
雪野 結莉
お休みをいただいたわたしは、ルーク様をお見送りした後、お仕着せからワンピースに着替えて出掛ける準備をする。
何故、お休みなのにルーク様のお見送りはするのかって?
だって、いつも通りに振る舞わないと、ルーク様は怪しむから。
最近、ルーク様はわたしの行動に慣れてきたみたい。
というか、ジーナの頃のちょっと後先考えないような行動をニーナであるわたしもすると考えているようだ。
当たりだけどね。
人間、一度死んだからって、そうそう性格が変わるわけじゃない。だって、何をしたってわたしはわたしだから。
だから、ルーク様がダメだって言っても、わたしは討伐当日はルーク様のお側にいる! 絶対に!
意気込んだわたしが向かった先は、王都中心にある大聖堂だ。
陽の光を浴びて、ステンドグラスの窓がキラキラと光るそれは、荘厳な威圧感を持っている。
街の教会も綺麗なステンドグラスがはまっているけど、やはり大聖堂は纏う雰囲気も違っていた。
街の教会はミサをしたり、告解室で懺悔を聞いてくれたりと街の人に開かれているけれど、教会の総本山はどうなんだろう……。
物陰に隠れて、教会の様子を見ていると、白い聖職者のローブを着た男の人が出てきて、教会の前の掃除を始めた。
男の人は、屈んで教会の入り口などの拭き掃除をしている。
顔が見えないのではっきりとは言えないけど、若い人ではなさそう。
でも、丁寧に門を拭いている様子を見て、わたしはその人に話しかけることを決めた。
だって、誰も見ていないのに、あんなに丁寧に掃除をするってことは、いい人に決まっているもの。
建物の陰から出て、そっとその人に近付いて行く。
えーと、なんて声を掛けようか。
やっぱり、懺悔を聞いてもらいたいと言うのが一般的かな。
「あの、」
わたしが声を掛けると、その人は振り返る。
実際には普通に振り向いただけなんだけど、わたしの目にはその様子がスローモーションでこちらを振り向いたように見えた。
だって、だって……
「お、父様……」
口をついて言葉が出てしまう。
わたしの方に振り向いたその顔は、前世のジーナのお父様だった。
わたしの記憶の中のお父様は、もっと若くて、いつだって毅然とした態度で仕事にもわたしたち子どもにも接していたけど、今のお父様は髪は全て白髪となっていて、お顔は皺が増えていたけど柔和な顔付きになっていた。
わたしの記憶の中のお父様よりお年を召していらっしゃるけど、間違いなくこの人はお父様だ。
わたしの頭は混乱する。
何故、こんなところで掃除をしているの?
何故、教会の人間であることを示す白いローブを着ているの?
次の言葉が告げられなくなったわたしを、お父様はじっと見つめる。
少し屈んでわたしの瞳を覗き込むと、お父様は安心したような笑顔を見せた。
「ああ、やっぱりジーナだ。やっと還ってきたんだね。おかえり」
お父様はそう言って皺の深くなったお顔で微笑むと、立ち上がってわたしをきゅっと抱きしめた。
混乱するわたしの頭に、お父様の涙がひとつこぼれ落ちた。
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みなさま、こんにちは。
前回の更新の時に、夏休み中は更新不定期ですと記載をいたしましたが、申し訳ありません。
不定期どころか一度も更新できませんでした…。。。
家族全員夏休みで家に居ましたが、なんとなく側をウロチョロしている気配がすると、書き進めることができなくて…
まだ、しばらく不定期になりますが、最終回まで更新がんばります!
どうぞよろしくお願いします。
雪野 結莉
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