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15章 ボナールの王女
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朝になった……。
昨日は疲れた身体に鞭打って、夜会の見送りまで終わらせたが、みんな帰るまでロッテに興味深々だった。
元々、とても綺麗な娘だとは思っていたが、着飾っただけで、あそこまで美しく変わってしまうとは思わなかった。
夜会の参加者は、独身だと思っていたオレに、あんなに綺麗な妃がいたということでとても驚いていた。
ま、一番驚いたのはオレだけどな!
いつまでもグズグズとロッテについて聞いてくるヤツが多くて、必然的に見送りも長引いてしまい、オレの疲れもピークだったが昨日の夜はよく眠れなかった。
早く朝が来ればいいと。
早くロッテに会いたいと、そればかり考えていた。
だから、朝になってすぐに離宮へと向かったのだ。
城の庭園を横切り、ずんずん歩いていると、ついこの間眺めた離宮が見える。
白い壁の、可愛らしい建物は、なんだかロッテに似合う気がした。
建物が近付いてくると、その裏に畑のような物が見える。
これがギルバートが言っていた畑か。
確かに、普通のものよりもよく育っている気がする。
それを見ながらドアノッカーを叩く。
カチャ、とドアが開く。
「……ほんとにライだわ」
不満顔のジュディが顔を出す。
「えっと、あの、おはよう。ロッテはいる?」
なんとなく、ジュディが怖い。
助けてもらったあの数日間のあの記憶のせいか、ジュディには逆らえない気がする……。
「王太子殿下、どうぞこちらへ」
ジュディはオレを、離宮の応接室へと通してくれる。
「えっと、ジュディ、あの」
「なんでごさいましょうか」
応接室でソファに座り、ジュディが紅茶を入れてくれるが、なんか態度が冷たい。
「何か、怒ってる?」
ジュディはきっ、とオレを睨むが、すぐにため息をついて睨むのをやめた。
「いえ、姫様を苦しめたのがライかと思うと、やるせない気持ちになっただけです。人質としてこちらに来る姫様が御覚悟をお決めになった時は、それはそれは御可哀想でした」
オレはジュディの言葉に小さくなる。
「……ですが、姫様はこちらに来て、御幸せそうで。やりたいことができて、ギルバート様やフレッド様が姫様を気にかけてくださって。ですから、ライのことは、いえ、王太子殿下のことは、複雑ではありますが、恨む気持ちはございまさん。ただ、今はまだ気持ちの整理がついていないだけです。不快な態度を取り、申し訳ございませんでした」
ジュディがオレに頭を下げる。
「いや、謝らないでくれ。オレがしたことが非情なことに変わりはない。ロッテには、いや、シャーロット王女には、本当に悪い事をした」
ジュディはオレの言葉を聞き、やっと笑いかけてくれた。
「今、姫様をお呼びしますね。少々お待ちください」
そう言ってジュディは部屋を出て行った。
少しすると、部屋がノックされ、ロッテが顔を出す。
かっちりと髪を編み込み、質素なワンピースを身を包んだロッテは、オレにカーテシーをする。
「王太子殿下には、ご機嫌麗しく」
「いいよ。そんなに改まらないで。こっちに来てよ」
「はい。ありがとうございます」
ロッテはどうしたらいいのかわからないようで、居心地悪そうにオレの向かい側のソファに腰を下ろした。
ジュディはそれを見て、部屋を退出する。
もちろん、ドアは少し開いているので、こちらの会話は聞こえているだろう。
「ロッテ、いや、シャーロットと呼んだ方がいいのかな。これからのことなんだけど、昨日ギルバートがアーサーたちを呼んで話を聞いた方がいいと言っていたことだし、一度こちらに出向いてもらいたいと思うが、どうだろうか?」
「あ、はい。では、町に行って呼んで参ります」
「うん。馬車と使いを出すから、町へはジュディに行ってもらって」
「……はい」
少し悲しそうな顔で俯くシャーロット。
オレは立ち上がり、シャーロットの隣に移動した。
小さく震えるシャーロットの手を握る。
「どうしてそんなに悲しそうなの?」
「申し訳ございません。殿下。また私は外出もままならない生活に戻るのかと思うと、悲しくて」
「そりゃ、王女という身分なんだ。簡単には外には出られないよ。でも、護衛をつけてもいいのなら、城の外に出てもいいよ」
シャーロットはオレを見て曖昧に笑う。
「やはり、自由はないのですね……」
オレは昨日、簡単にシャーロットの事情を聞いた。
塔の上に閉じ込められて育てば、外には出たいと思うのは当たり前だろう。
だが、パルフェで男の客に声をかけられたりするシャーロットを想像すると、もう一人では城の外に出したくないと思ってしまうんだ。
「外出の件については、また相談しよう。オレと一緒でいいなら、パルフェにも行っていいことにしたいが、詳しくはまた後でだ。今日、セリーヌ王女には帰国していただくように話をする。君に危害を加えさせないようにしたいと思う。それで、離宮に護衛を配備したいがいいだろうか?出入口に2人ほど騎士を立たせる」
「畑にお水をやりに外に出てもいいでしょうか?」
「ごめん。まだ、一人では行動しないでほしい。侍女を何人かやるから、外に出る用事はその侍女にやらせてもらえる?」
「はい。わかりました」
瞳を伏せて、シャーロットが了承する。
いや、悲しませるつもりはないのだが、今は何があるかわからないから……。
何しろ城の中に、もしかしたらシャーロットに害を成すかもしれない、セリーヌ王女がいるんだ。
無事にセリーヌ王女を返すことができたら、ちゃんとシャーロットと話し合わねば。
「では、街へ行く馬車の準備ができたら使いを寄越す。ジュディ、聞こえてるんだろ?後は頼んだ」
オレは立ち上がり、シャーロットの頭を撫でて、シャーロットに微笑みかけた。
シャーロットも顔を上げ、オレを見て少し笑ってくれた。
少しでも、オレに笑ってくれるなら、オレはがんばれる。
さて。
セリーヌ王女には、とっととお帰りいただこう。
昨日は疲れた身体に鞭打って、夜会の見送りまで終わらせたが、みんな帰るまでロッテに興味深々だった。
元々、とても綺麗な娘だとは思っていたが、着飾っただけで、あそこまで美しく変わってしまうとは思わなかった。
夜会の参加者は、独身だと思っていたオレに、あんなに綺麗な妃がいたということでとても驚いていた。
ま、一番驚いたのはオレだけどな!
いつまでもグズグズとロッテについて聞いてくるヤツが多くて、必然的に見送りも長引いてしまい、オレの疲れもピークだったが昨日の夜はよく眠れなかった。
早く朝が来ればいいと。
早くロッテに会いたいと、そればかり考えていた。
だから、朝になってすぐに離宮へと向かったのだ。
城の庭園を横切り、ずんずん歩いていると、ついこの間眺めた離宮が見える。
白い壁の、可愛らしい建物は、なんだかロッテに似合う気がした。
建物が近付いてくると、その裏に畑のような物が見える。
これがギルバートが言っていた畑か。
確かに、普通のものよりもよく育っている気がする。
それを見ながらドアノッカーを叩く。
カチャ、とドアが開く。
「……ほんとにライだわ」
不満顔のジュディが顔を出す。
「えっと、あの、おはよう。ロッテはいる?」
なんとなく、ジュディが怖い。
助けてもらったあの数日間のあの記憶のせいか、ジュディには逆らえない気がする……。
「王太子殿下、どうぞこちらへ」
ジュディはオレを、離宮の応接室へと通してくれる。
「えっと、ジュディ、あの」
「なんでごさいましょうか」
応接室でソファに座り、ジュディが紅茶を入れてくれるが、なんか態度が冷たい。
「何か、怒ってる?」
ジュディはきっ、とオレを睨むが、すぐにため息をついて睨むのをやめた。
「いえ、姫様を苦しめたのがライかと思うと、やるせない気持ちになっただけです。人質としてこちらに来る姫様が御覚悟をお決めになった時は、それはそれは御可哀想でした」
オレはジュディの言葉に小さくなる。
「……ですが、姫様はこちらに来て、御幸せそうで。やりたいことができて、ギルバート様やフレッド様が姫様を気にかけてくださって。ですから、ライのことは、いえ、王太子殿下のことは、複雑ではありますが、恨む気持ちはございまさん。ただ、今はまだ気持ちの整理がついていないだけです。不快な態度を取り、申し訳ございませんでした」
ジュディがオレに頭を下げる。
「いや、謝らないでくれ。オレがしたことが非情なことに変わりはない。ロッテには、いや、シャーロット王女には、本当に悪い事をした」
ジュディはオレの言葉を聞き、やっと笑いかけてくれた。
「今、姫様をお呼びしますね。少々お待ちください」
そう言ってジュディは部屋を出て行った。
少しすると、部屋がノックされ、ロッテが顔を出す。
かっちりと髪を編み込み、質素なワンピースを身を包んだロッテは、オレにカーテシーをする。
「王太子殿下には、ご機嫌麗しく」
「いいよ。そんなに改まらないで。こっちに来てよ」
「はい。ありがとうございます」
ロッテはどうしたらいいのかわからないようで、居心地悪そうにオレの向かい側のソファに腰を下ろした。
ジュディはそれを見て、部屋を退出する。
もちろん、ドアは少し開いているので、こちらの会話は聞こえているだろう。
「ロッテ、いや、シャーロットと呼んだ方がいいのかな。これからのことなんだけど、昨日ギルバートがアーサーたちを呼んで話を聞いた方がいいと言っていたことだし、一度こちらに出向いてもらいたいと思うが、どうだろうか?」
「あ、はい。では、町に行って呼んで参ります」
「うん。馬車と使いを出すから、町へはジュディに行ってもらって」
「……はい」
少し悲しそうな顔で俯くシャーロット。
オレは立ち上がり、シャーロットの隣に移動した。
小さく震えるシャーロットの手を握る。
「どうしてそんなに悲しそうなの?」
「申し訳ございません。殿下。また私は外出もままならない生活に戻るのかと思うと、悲しくて」
「そりゃ、王女という身分なんだ。簡単には外には出られないよ。でも、護衛をつけてもいいのなら、城の外に出てもいいよ」
シャーロットはオレを見て曖昧に笑う。
「やはり、自由はないのですね……」
オレは昨日、簡単にシャーロットの事情を聞いた。
塔の上に閉じ込められて育てば、外には出たいと思うのは当たり前だろう。
だが、パルフェで男の客に声をかけられたりするシャーロットを想像すると、もう一人では城の外に出したくないと思ってしまうんだ。
「外出の件については、また相談しよう。オレと一緒でいいなら、パルフェにも行っていいことにしたいが、詳しくはまた後でだ。今日、セリーヌ王女には帰国していただくように話をする。君に危害を加えさせないようにしたいと思う。それで、離宮に護衛を配備したいがいいだろうか?出入口に2人ほど騎士を立たせる」
「畑にお水をやりに外に出てもいいでしょうか?」
「ごめん。まだ、一人では行動しないでほしい。侍女を何人かやるから、外に出る用事はその侍女にやらせてもらえる?」
「はい。わかりました」
瞳を伏せて、シャーロットが了承する。
いや、悲しませるつもりはないのだが、今は何があるかわからないから……。
何しろ城の中に、もしかしたらシャーロットに害を成すかもしれない、セリーヌ王女がいるんだ。
無事にセリーヌ王女を返すことができたら、ちゃんとシャーロットと話し合わねば。
「では、街へ行く馬車の準備ができたら使いを寄越す。ジュディ、聞こえてるんだろ?後は頼んだ」
オレは立ち上がり、シャーロットの頭を撫でて、シャーロットに微笑みかけた。
シャーロットも顔を上げ、オレを見て少し笑ってくれた。
少しでも、オレに笑ってくれるなら、オレはがんばれる。
さて。
セリーヌ王女には、とっととお帰りいただこう。
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