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10章 待ち惚け王子
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支度を整えて、下の階に降りる。
ジュディにはギルバート様に渡した以外のクッキーをお出ししておくように言ったので、寛いでいてもらえるだろう。
ふぇーん。私のオヤツだったのに…。
応接室に入ると、予想に反してフレッド様は居心地悪そうにして、こちらを見ていた。
「申し訳ありません。お待たせいたしました」
一礼して、フレッド様と向かい側の長椅子に腰掛ける。
応接室のドアは開けたまま、ジュディは出入口で待機している。
「いや、オレの方こそ、ごめん。女性が使用中の浴室を開けるなんて、本当に申し訳なかった」
「いえ、事故ですから…」
水で髪を濡らしたので、すごく体が冷えている。
少し震える手で、ジュディの入れてくれた暖かい紅茶を口にする。
あぁ~。あったまる。
「謝って済むことではないし、独身の女性の肌を見るなんて…。震えるほど怖がらせてしまって、ほんとに、なんと言っていいか…」
フレッド様は額に手をあてて、青い顔をしている。
バスタオル巻いていたので、肌なんて見せてないけど…。膝から下は見えてたかもしれないけど、お仕着せは膝丈なので、いつも見えてるしねぇ…。震えているのも寒いからだし。
「ふふ。おかしなフレッド様。私はもう王太子の側室でしてよ?独身女性ではありません。お気になさらないでくださいませ」
「そ、う、だったね」
「ところで、急に離宮にいらっしゃるなんて、どうかなさいましたか?」
フレッド様は思い出したように、顔を上げた。
「そうだ、オレ、ボナールに行くことになったんだ。それで、シャーロットちゃんが何かボナールの人に伝言やボナールから持ってきてもらいたい物があれば聞いておこうと思って訪ねてきたんだ」
「まあ、それはありがとうございます。特にはございませんので、大丈夫です」
フレッド様は首を傾げる。
「あれ?シャーロットちゃん、乳母が一緒に来られないって心配してなかった?それに、お父上の国王にも会うんだよ?伝言とか、ないの?」
マリーはすでにランバラルドに来ているし、国王は実父ではない。
…とは、フレッド様に言える訳がない。
「もう、いいのです。乳母は元気でいてくれるなら、それだけでいいのです。国王に関しましては、特に思うところはございません」
「…そう、か。そうだね。わかった」
「ただ、国民が幸せに暮らしているのかだけが、気になります」
フレッド様が優しく微笑む。
「それは大丈夫。ボナールも幸せになるように、王太子もオレたちも動いているよ」
「それなら、安心です」
私もフレッド様に微笑んだ。
「シャーロットちゃん、また腕をあげた?クッキーがすごく美味くなってる」
あれから売り物にするために、たくさん焼いているからだろうか。
「ほんとですか?フレッド様。気に入っていただけたら、お持ち帰りになりますか?もう少ししかないですけど」
「うん。いいかな。シャーロットちゃんのクッキー、執務室でも話題になってたんだよ。ディリオンもすごく気に入ってて、甘さが疲れを取るのに程良いってさ」
私は褒められてとても嬉しくなり、両手を頬に寄せた。
「まあ!嬉しいです。では、たくさん焼きますので、持って行きましょうか?」
でも、それを聞くとフレッド様は少し困った顔をした。
「え、いや、わざわざ持って来てくれなくてもいいかな。ボナールから帰ってきたら連絡して取りに来るから、その時に欲しいな」
あぁ、そうか。
人質が本宮内をウロウロしていたらお困りになるのね。
やっぱり、自由にしていても良いと言われていても、離宮にいる方がいいのかもしれない。
今日、抜け出していたのを気付かれなくてよかった…。
フレッド様は、ゆっくりとクッキーと紅茶を堪能して、私と他愛もないおしゃべりをして、席を立った。
「フレッド様、私のことをお気にかけていただき、ありがとうございました。どうぞ、お気をつけて行ってらっしゃいませ」
帰り際、ボナールへと旅立つフレッド様にそう言うと、フレッド様は驚いた表情をした。
「…シャーロットちゃん…。それ、夫を送り出す新妻みたい。ははっ、シャーロットちゃんに心配してもらっちゃったら、無事に帰って来ないといけないって気になるな。帰ったら連絡するから、そしたらクッキーたくさん焼いてね」
「はい。あ、でも少なくともいらっしゃる前日までにはご連絡いただきたいです。で、ないとまたお風呂に入っちゃいますよ?」
「うわあ~。もう勘弁してよ。前の日には連絡するよ」
フレッド様はそう言って本宮に戻って行った。
よしっ!
前日連絡の約束ゲットですわ!
ジュディにはギルバート様に渡した以外のクッキーをお出ししておくように言ったので、寛いでいてもらえるだろう。
ふぇーん。私のオヤツだったのに…。
応接室に入ると、予想に反してフレッド様は居心地悪そうにして、こちらを見ていた。
「申し訳ありません。お待たせいたしました」
一礼して、フレッド様と向かい側の長椅子に腰掛ける。
応接室のドアは開けたまま、ジュディは出入口で待機している。
「いや、オレの方こそ、ごめん。女性が使用中の浴室を開けるなんて、本当に申し訳なかった」
「いえ、事故ですから…」
水で髪を濡らしたので、すごく体が冷えている。
少し震える手で、ジュディの入れてくれた暖かい紅茶を口にする。
あぁ~。あったまる。
「謝って済むことではないし、独身の女性の肌を見るなんて…。震えるほど怖がらせてしまって、ほんとに、なんと言っていいか…」
フレッド様は額に手をあてて、青い顔をしている。
バスタオル巻いていたので、肌なんて見せてないけど…。膝から下は見えてたかもしれないけど、お仕着せは膝丈なので、いつも見えてるしねぇ…。震えているのも寒いからだし。
「ふふ。おかしなフレッド様。私はもう王太子の側室でしてよ?独身女性ではありません。お気になさらないでくださいませ」
「そ、う、だったね」
「ところで、急に離宮にいらっしゃるなんて、どうかなさいましたか?」
フレッド様は思い出したように、顔を上げた。
「そうだ、オレ、ボナールに行くことになったんだ。それで、シャーロットちゃんが何かボナールの人に伝言やボナールから持ってきてもらいたい物があれば聞いておこうと思って訪ねてきたんだ」
「まあ、それはありがとうございます。特にはございませんので、大丈夫です」
フレッド様は首を傾げる。
「あれ?シャーロットちゃん、乳母が一緒に来られないって心配してなかった?それに、お父上の国王にも会うんだよ?伝言とか、ないの?」
マリーはすでにランバラルドに来ているし、国王は実父ではない。
…とは、フレッド様に言える訳がない。
「もう、いいのです。乳母は元気でいてくれるなら、それだけでいいのです。国王に関しましては、特に思うところはございません」
「…そう、か。そうだね。わかった」
「ただ、国民が幸せに暮らしているのかだけが、気になります」
フレッド様が優しく微笑む。
「それは大丈夫。ボナールも幸せになるように、王太子もオレたちも動いているよ」
「それなら、安心です」
私もフレッド様に微笑んだ。
「シャーロットちゃん、また腕をあげた?クッキーがすごく美味くなってる」
あれから売り物にするために、たくさん焼いているからだろうか。
「ほんとですか?フレッド様。気に入っていただけたら、お持ち帰りになりますか?もう少ししかないですけど」
「うん。いいかな。シャーロットちゃんのクッキー、執務室でも話題になってたんだよ。ディリオンもすごく気に入ってて、甘さが疲れを取るのに程良いってさ」
私は褒められてとても嬉しくなり、両手を頬に寄せた。
「まあ!嬉しいです。では、たくさん焼きますので、持って行きましょうか?」
でも、それを聞くとフレッド様は少し困った顔をした。
「え、いや、わざわざ持って来てくれなくてもいいかな。ボナールから帰ってきたら連絡して取りに来るから、その時に欲しいな」
あぁ、そうか。
人質が本宮内をウロウロしていたらお困りになるのね。
やっぱり、自由にしていても良いと言われていても、離宮にいる方がいいのかもしれない。
今日、抜け出していたのを気付かれなくてよかった…。
フレッド様は、ゆっくりとクッキーと紅茶を堪能して、私と他愛もないおしゃべりをして、席を立った。
「フレッド様、私のことをお気にかけていただき、ありがとうございました。どうぞ、お気をつけて行ってらっしゃいませ」
帰り際、ボナールへと旅立つフレッド様にそう言うと、フレッド様は驚いた表情をした。
「…シャーロットちゃん…。それ、夫を送り出す新妻みたい。ははっ、シャーロットちゃんに心配してもらっちゃったら、無事に帰って来ないといけないって気になるな。帰ったら連絡するから、そしたらクッキーたくさん焼いてね」
「はい。あ、でも少なくともいらっしゃる前日までにはご連絡いただきたいです。で、ないとまたお風呂に入っちゃいますよ?」
「うわあ~。もう勘弁してよ。前の日には連絡するよ」
フレッド様はそう言って本宮に戻って行った。
よしっ!
前日連絡の約束ゲットですわ!
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