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番外編
新しい人生
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ある日ティアナ嬢に似た顔をした爽やかな男が現れた。
その男は、僕に人生を変えてあげると言った。
訳が分からなくて話を聞いたら
もうすぐ世界が変わり、僕が王族であった事はなかった事になり全ての記憶を無くしてチナさんの弟として生まれ変わるか
記憶を持って生まれ変わるか選べると言われた。
僕にとってあの城での思い出は良いものばかりではない。
でも、ティアナ嬢の事もチナさんとの事も忘れたくなかった。
だから、記憶を持って生まれ変わる道を選んだ。
彼は生まれて変わってすぐは記憶を忘れさせてあげると言ってくれた。
赤ん坊の間記憶があったら色々恥ずかしいだろうと。
それは正直とても有難かったので受け入れた。
最後に彼は微笑み
「君の人生に幸あれ。」
そう言って居なくなった。
そこから僕の記憶はない。
気付けば僕はチナさんの弟として生まれ変わっていた
「ミヤネは記憶があるのかなぁ?」
僕を抱いてコテンっと首を傾げるチナさんは最後に見た時より幼くなってる気がする。
「あうっ!」
ある!と言いたかったのに呂律が上手くまわらない。
何も試しても、あうっとかあふっになってしまう。
「もしかして、あるって言いたいのかなぁ?」
僕が何度も頷くと少しホッとしたような顔で微笑んだ
「そっかぁ。ミヤネも記憶がある道を選んだんだね。
ミヤネは僕と違って生まれ直してるから見た目も少し変わっちゃったけど
きっと、前より幸せになれると思うよ。
ミヤネ、これから楽しい事が沢山待ってるからね」
あの国の王族であった時の僕は幸せとは縁遠い世界で生きていた。
誰からも愛されないのに
愛されたくて褒められたくて、僕を見て欲しくて
頑張って、頑張って、頑張って…それでも褒められるどころか飛んでくるのは鞭や罵声。
それでも頑張り続けたのは諦めきれなかったからだと思う。
愛される弟達を見てしまったから、もしかしたら僕にもその目を、その声を…向けてもらえるかもしれない。
その気持ちがずっと消えなかったんだと思う。
チナさんの御両親はとても優しい人達だ。
未だに昔のことを夢見て魘される僕を抱き締め
「大丈夫よ。
私達が貴方を守るから何も怖い事なんて無いわ」
優しい声で僕が落ち着くまで何度も言って
優しい声で子守唄を歌ってくれた。
立てるようになれば泣くほど喜んでくれた。
「いい?ミヤネ。
僕達はもう兄弟なんだから
チナさんなんて他人行儀な呼び方はナシ!
お兄ちゃんと呼ぶんだよ?」
「あぅ……おにしゃん…?」
「そう、良く出来ました!」
偉い偉いと頭を撫でられ嬉しくて目を細める。
「チナ、ミヤネ。こんな所にいたの?
もうご飯の時間よ?」
「わかった!ミヤネ行こっ!」
まだゆっくりしか歩けない僕の手を握りゆっくり歩いてくれるチナさん。
「おにしゃん…あーとっ!」
「いえいえっ!」
「ふふふ、仲が良いわね。」
微笑ましそうに僕達を見て僕達の頭を撫でる
僕の……お母さん。
その手はとても優しくて少し泣けてくる。
僕にはもう得られないと思っていたもの。
それが手に入った今喜びと共に本当に僕が得ていいものなのかという戸惑いも強い。
「あら、どうしたの?ミヤネ。
ほら、目を擦ったら駄目よ」
ポロポロと泣く僕の顔を拭くお母さん。
「ミヤネ、良いんだよ。」
手にしてもい良いんだと言ってくれた気がした。
僕が都合よく解釈しただけかもしれないけどね。
でも、その言葉に救われた。
この幸せを手放さない為に、僕は何が出来るかな?
その男は、僕に人生を変えてあげると言った。
訳が分からなくて話を聞いたら
もうすぐ世界が変わり、僕が王族であった事はなかった事になり全ての記憶を無くしてチナさんの弟として生まれ変わるか
記憶を持って生まれ変わるか選べると言われた。
僕にとってあの城での思い出は良いものばかりではない。
でも、ティアナ嬢の事もチナさんとの事も忘れたくなかった。
だから、記憶を持って生まれ変わる道を選んだ。
彼は生まれて変わってすぐは記憶を忘れさせてあげると言ってくれた。
赤ん坊の間記憶があったら色々恥ずかしいだろうと。
それは正直とても有難かったので受け入れた。
最後に彼は微笑み
「君の人生に幸あれ。」
そう言って居なくなった。
そこから僕の記憶はない。
気付けば僕はチナさんの弟として生まれ変わっていた
「ミヤネは記憶があるのかなぁ?」
僕を抱いてコテンっと首を傾げるチナさんは最後に見た時より幼くなってる気がする。
「あうっ!」
ある!と言いたかったのに呂律が上手くまわらない。
何も試しても、あうっとかあふっになってしまう。
「もしかして、あるって言いたいのかなぁ?」
僕が何度も頷くと少しホッとしたような顔で微笑んだ
「そっかぁ。ミヤネも記憶がある道を選んだんだね。
ミヤネは僕と違って生まれ直してるから見た目も少し変わっちゃったけど
きっと、前より幸せになれると思うよ。
ミヤネ、これから楽しい事が沢山待ってるからね」
あの国の王族であった時の僕は幸せとは縁遠い世界で生きていた。
誰からも愛されないのに
愛されたくて褒められたくて、僕を見て欲しくて
頑張って、頑張って、頑張って…それでも褒められるどころか飛んでくるのは鞭や罵声。
それでも頑張り続けたのは諦めきれなかったからだと思う。
愛される弟達を見てしまったから、もしかしたら僕にもその目を、その声を…向けてもらえるかもしれない。
その気持ちがずっと消えなかったんだと思う。
チナさんの御両親はとても優しい人達だ。
未だに昔のことを夢見て魘される僕を抱き締め
「大丈夫よ。
私達が貴方を守るから何も怖い事なんて無いわ」
優しい声で僕が落ち着くまで何度も言って
優しい声で子守唄を歌ってくれた。
立てるようになれば泣くほど喜んでくれた。
「いい?ミヤネ。
僕達はもう兄弟なんだから
チナさんなんて他人行儀な呼び方はナシ!
お兄ちゃんと呼ぶんだよ?」
「あぅ……おにしゃん…?」
「そう、良く出来ました!」
偉い偉いと頭を撫でられ嬉しくて目を細める。
「チナ、ミヤネ。こんな所にいたの?
もうご飯の時間よ?」
「わかった!ミヤネ行こっ!」
まだゆっくりしか歩けない僕の手を握りゆっくり歩いてくれるチナさん。
「おにしゃん…あーとっ!」
「いえいえっ!」
「ふふふ、仲が良いわね。」
微笑ましそうに僕達を見て僕達の頭を撫でる
僕の……お母さん。
その手はとても優しくて少し泣けてくる。
僕にはもう得られないと思っていたもの。
それが手に入った今喜びと共に本当に僕が得ていいものなのかという戸惑いも強い。
「あら、どうしたの?ミヤネ。
ほら、目を擦ったら駄目よ」
ポロポロと泣く僕の顔を拭くお母さん。
「ミヤネ、良いんだよ。」
手にしてもい良いんだと言ってくれた気がした。
僕が都合よく解釈しただけかもしれないけどね。
でも、その言葉に救われた。
この幸せを手放さない為に、僕は何が出来るかな?
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