悪役令嬢の居場所。

葉叶

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最初の国はオウガ国

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あれから、チナ君の案内のもとオウガ国を堪能した。
時間が経つのはあっという間でもう2日目である。
私達は明日違う国へたつ

「姫様。今…いいかな?」

「うん、大丈夫だよ」

扉からコッソリ覗くチナ君を部屋に入れた

「あのね、僕姫様が大好きだよ。」

嬉しそうに笑っているのに
その顔は何処か寂しげだった

「ありがとう。」

「姫様。姫様はね、姫様が思ってるより周りに愛されてるんだよ。
だけどね、愛って美しくもあり怖いものなんだ。
だから、これだけは忘れないで。
愛と憎しみは紙一重だっていう事。
時に人は愛するがあまり愛する人を傷つけるって事を…覚えていて」

「わ、わかった。」

何かあったの?とか
どうしてそんな事を突然いうの?とか聞きたかったけれど
チナ君は聞いても答えてくれないだろう。
彼は、私に忠告をしに来たのであって質問に答えるつもりはない。

「姫様、それじゃあゆっくり休んでね!
明日からまた移動で大変だろうからさ!おやすみ!」

ニコっと笑い部屋から出ていった。

「…愛する故に傷つける…か。」

そこまで人を愛する事が…私には出来るんだろうか
私にはそこまで愛される程の魅力なんて…あるんだろうか
そこまでの魅力があったのなら、私は婚約破棄なんてされなかったんじゃないだろうか。

「そこまで人を愛するなんて…私にはできないなぁ…」

全てを捨ててまで誰かを求められない。
そんな愛を受け止めることも出来ない。
もしも、そんな愛を向けられているとしたら
私はそんな愛に押し潰されてしまうだろう。

「考えるのやめよ…早く寝なきゃ…」

窓から離れベットに入り込む。


でも、もしも私にそんな相手が出来たら…私は私で居られるのかな…?


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