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第1章 親から幸せを…
第7話 プレゼント買いに行かない?
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「あつーい!」
そう言いながら進吾が学校から帰ってきた。外の気温は30度で晴れていた。
「おかえりー、ちゃんと水飲みなよ?」
「はーい」
そう返事をしながらランドセルを置き、手を洗いに行った。戻ってくると水飲み、扇風機の前をサッと座った。
「あしたからなつ休みだー!!」
元気良く、扇風機に向かって言っていた。今日は1学期最後の登校日であり、終業式であった。
「進吾ー、夏休み何日までなのー?」
「わかんなーい」
そう言われたため、仕方なくカレンダーを確認する。
「えーっと…8月の…19日か」
「そうだったかもー」
「もー、自分で把握しといてよー」
7月の予定を見ていると、ハッと思い出したことがあった。
「そういやパパの誕生日もうすぐだったね」
「へぇー、何日?」
「7月22日だよ。無関心すぎない?」
「はじめてしったー」
「去年もお祝いしたでしょー?」
半分飽きれ気味に答えながらも、想像以上に進吾が興味を持っていなかったことに衝撃を受けた。去年は遊園地に出掛けて、ケーキを買って一緒に食べた思い出がある。おそらく遊園地の記憶でいっぱいで、旦那の誕生日を忘れている…と勝手に解釈をした。せめて私の誕生日だけは覚えていて欲しい…と切に願う…
「せっかくだしプレゼント買いに行かない?進吾が好きなもの選んでいいよ」
「わかったー」
「パパには秘密だからね?」
「はーい」
「じゃあちょっと涼んでから買いに行こうね」
きっと息子から旦那への誕生日プレゼントは最後になってしまうだろう。やはり私はどうしてもネガティブに考えてしまう…ただ、突然のお別れになってしまって貰えなかったよりはまだ良いだろう。そう考えることにした。
「なにあげようかなー!」
ショッピングモールに着いた進吾は誕プレ選びに乗り気なようで、ワクワクしていた。
「やっぱずっと使えるものとかが良いんじゃない?」
「うーん…たとえば?」
「そうだなー…ペンとか?ハンカチとか?」
「なんこでもいいの?」
「別にいいよ。すごい高いものはダメだけど…」
進吾は少し考えた後、買うものを決めた。
「じゃあハンカチとキーホルダーにする」
「OK、買いに行こっか」
まずはハンカチを買いに行くことにした。店に着くと、進吾は色んな種類のハンカチに悩んでいた。考えた末に、黒と紺色のかっこいいハンカチを買うことにした。ついでに進吾用のも買っておいた。
「そういえばなんでキーホルダー買おうと思ったの?」
「えー、パパがかぎをなくしそうだから」
聞いた途端にふと笑ってしまった。たまに旦那は"車や家の鍵がない"と家中を探す時がある。そして私が
「キーホルダーとか買えばいいのにね」
と進吾に最近言ったからであろう。子供はそういうことを良く覚えているなと実感した。
その後は良さそうな物があるまで数店舗回った。少し時間はかかったが、やっと気に入ったものを見つけられたようだ。
「これにする!」
元気に買うキーホルダーを手に取り、渡してきた。進吾が選んだものはおしゃれなブラウン色の革のキーボードだった。そしてそれには小さな写真を入れるスペースがあった。これはなかなかセンスが良いと思った。
会計を済ませて車に乗り込む。帰ってる頃はすっかり夕暮れだった。帰りながら、私たちは渡した時の旦那の反応を予想して、ウキウキとしていた。
そう言いながら進吾が学校から帰ってきた。外の気温は30度で晴れていた。
「おかえりー、ちゃんと水飲みなよ?」
「はーい」
そう返事をしながらランドセルを置き、手を洗いに行った。戻ってくると水飲み、扇風機の前をサッと座った。
「あしたからなつ休みだー!!」
元気良く、扇風機に向かって言っていた。今日は1学期最後の登校日であり、終業式であった。
「進吾ー、夏休み何日までなのー?」
「わかんなーい」
そう言われたため、仕方なくカレンダーを確認する。
「えーっと…8月の…19日か」
「そうだったかもー」
「もー、自分で把握しといてよー」
7月の予定を見ていると、ハッと思い出したことがあった。
「そういやパパの誕生日もうすぐだったね」
「へぇー、何日?」
「7月22日だよ。無関心すぎない?」
「はじめてしったー」
「去年もお祝いしたでしょー?」
半分飽きれ気味に答えながらも、想像以上に進吾が興味を持っていなかったことに衝撃を受けた。去年は遊園地に出掛けて、ケーキを買って一緒に食べた思い出がある。おそらく遊園地の記憶でいっぱいで、旦那の誕生日を忘れている…と勝手に解釈をした。せめて私の誕生日だけは覚えていて欲しい…と切に願う…
「せっかくだしプレゼント買いに行かない?進吾が好きなもの選んでいいよ」
「わかったー」
「パパには秘密だからね?」
「はーい」
「じゃあちょっと涼んでから買いに行こうね」
きっと息子から旦那への誕生日プレゼントは最後になってしまうだろう。やはり私はどうしてもネガティブに考えてしまう…ただ、突然のお別れになってしまって貰えなかったよりはまだ良いだろう。そう考えることにした。
「なにあげようかなー!」
ショッピングモールに着いた進吾は誕プレ選びに乗り気なようで、ワクワクしていた。
「やっぱずっと使えるものとかが良いんじゃない?」
「うーん…たとえば?」
「そうだなー…ペンとか?ハンカチとか?」
「なんこでもいいの?」
「別にいいよ。すごい高いものはダメだけど…」
進吾は少し考えた後、買うものを決めた。
「じゃあハンカチとキーホルダーにする」
「OK、買いに行こっか」
まずはハンカチを買いに行くことにした。店に着くと、進吾は色んな種類のハンカチに悩んでいた。考えた末に、黒と紺色のかっこいいハンカチを買うことにした。ついでに進吾用のも買っておいた。
「そういえばなんでキーホルダー買おうと思ったの?」
「えー、パパがかぎをなくしそうだから」
聞いた途端にふと笑ってしまった。たまに旦那は"車や家の鍵がない"と家中を探す時がある。そして私が
「キーホルダーとか買えばいいのにね」
と進吾に最近言ったからであろう。子供はそういうことを良く覚えているなと実感した。
その後は良さそうな物があるまで数店舗回った。少し時間はかかったが、やっと気に入ったものを見つけられたようだ。
「これにする!」
元気に買うキーホルダーを手に取り、渡してきた。進吾が選んだものはおしゃれなブラウン色の革のキーボードだった。そしてそれには小さな写真を入れるスペースがあった。これはなかなかセンスが良いと思った。
会計を済ませて車に乗り込む。帰ってる頃はすっかり夕暮れだった。帰りながら、私たちは渡した時の旦那の反応を予想して、ウキウキとしていた。
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