2 / 36
第1章 親から幸せを…
第2話 やりたいことノート
しおりを挟む
翌日の朝、いつも通り進吾の元へ行くと、例のノートを広げていた。ノートには大きな文字でびっしりとやりたいことが書かれていた。
「おはよー、たくさん書いたね?」
「うん!やりたいことたくさんある!」
そう言って、あるゲームの名前を指して意気揚々と話し始める。私はスマホを取り出し、その名前を検索してみた。
「これさいきんのゲームで、みんなであそべるんだよ」
「んー?これは車のゲーム?」
「そう!くるまにのって1いになるの!」
「あー、この真ん中にいるキャラってパリオとブッパね」
とあるゲーム会社の人気シリーズ、"ハイパーパリオ"のカーレースゲームらしい。恐らくテレビのCMでやっていたのを見たのだろう。
「最近のゲームってすごいね。昔よりも絵がきれいになってる」
数年前まではドット絵だったものが、鮮明になっていることに衝撃を受けた。
「ちょっとノート見させてねー?」
そう言い、ノートを受け取りしっかりと内容を確認してみた。
やりたいこと
・おいしいごはんをたべたい
・ともだちとあそびたい
・どうぶつえんにいく
・おさかなさんをみる
・げーむしたい
・はなびみたい
・せをのばしたい
・がっこうにいく
昨日の夜から朝という短い時間の間にもかかわらず、何個も書かれていた。
進吾はチラッとノートを覗き込み、今度は他の言葉を指した。
「あとはどーぶつえんもいきたい」
「なんのどうぶつさん見たいの?」
「ぞうさん!」
「じゃあ退院したら見に行こうね」
そう言って指切りをし、約束をした。
すると突然、ドアをノックされた。
そこには看護師さんが扉を開けて立っていた。
「三河様、今お時間大丈夫でしょうか?」
「はい、どうしました?」
「お医者さんが呼んでいます」
その瞬間、少し固まってしまった。
次は何を言われるのか不安になった。とある話を聞いたことがある。見た目は元気でも症状は進行していて悪化するなんてことがあるらしい。私はその話が頭によぎってしまった。
「進吾、じゃあ…ちょっと待っててね」
(大丈夫…退院の話かもしれない…もしかしたら余命なんて間違いだったとか……)
そう自分に言いきかせた。
案内された先は医者のいる診察室だった。私はノックをし、扉を開けて入った…
「おはよー、たくさん書いたね?」
「うん!やりたいことたくさんある!」
そう言って、あるゲームの名前を指して意気揚々と話し始める。私はスマホを取り出し、その名前を検索してみた。
「これさいきんのゲームで、みんなであそべるんだよ」
「んー?これは車のゲーム?」
「そう!くるまにのって1いになるの!」
「あー、この真ん中にいるキャラってパリオとブッパね」
とあるゲーム会社の人気シリーズ、"ハイパーパリオ"のカーレースゲームらしい。恐らくテレビのCMでやっていたのを見たのだろう。
「最近のゲームってすごいね。昔よりも絵がきれいになってる」
数年前まではドット絵だったものが、鮮明になっていることに衝撃を受けた。
「ちょっとノート見させてねー?」
そう言い、ノートを受け取りしっかりと内容を確認してみた。
やりたいこと
・おいしいごはんをたべたい
・ともだちとあそびたい
・どうぶつえんにいく
・おさかなさんをみる
・げーむしたい
・はなびみたい
・せをのばしたい
・がっこうにいく
昨日の夜から朝という短い時間の間にもかかわらず、何個も書かれていた。
進吾はチラッとノートを覗き込み、今度は他の言葉を指した。
「あとはどーぶつえんもいきたい」
「なんのどうぶつさん見たいの?」
「ぞうさん!」
「じゃあ退院したら見に行こうね」
そう言って指切りをし、約束をした。
すると突然、ドアをノックされた。
そこには看護師さんが扉を開けて立っていた。
「三河様、今お時間大丈夫でしょうか?」
「はい、どうしました?」
「お医者さんが呼んでいます」
その瞬間、少し固まってしまった。
次は何を言われるのか不安になった。とある話を聞いたことがある。見た目は元気でも症状は進行していて悪化するなんてことがあるらしい。私はその話が頭によぎってしまった。
「進吾、じゃあ…ちょっと待っててね」
(大丈夫…退院の話かもしれない…もしかしたら余命なんて間違いだったとか……)
そう自分に言いきかせた。
案内された先は医者のいる診察室だった。私はノックをし、扉を開けて入った…
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
大事なのは
gacchi
恋愛
幼いころから婚約していた侯爵令息リヒド様は学園に入学してから変わってしまった。いつもそばにいるのは平民のユミール。婚約者である辺境伯令嬢の私との約束はないがしろにされていた。卒業したらさすがに離れるだろうと思っていたのに、リヒド様が向かう砦にユミールも一緒に行くと聞かされ、我慢の限界が来てしまった。リヒド様、あなたが大事なのは誰ですか?
お兄様、奥様を裏切ったツケを私に押し付けましたね。只で済むとお思いかしら?
百谷シカ
恋愛
フロリアン伯爵、つまり私の兄が赤ん坊を押し付けてきたのよ。
恋人がいたんですって。その恋人、亡くなったんですって。
で、孤児にできないけど妻が恐いから、私の私生児って事にしろですって。
「は?」
「既にバーヴァ伯爵にはお前が妊娠したと告げ、賠償金を払った」
「はっ?」
「お前の婚約は破棄されたし、お前が母親になればすべて丸く収まるんだ」
「はあっ!?」
年の離れた兄には、私より1才下の妻リヴィエラがいるの。
親の決めた結婚を受け入れてオジサンに嫁いだ、真面目なイイコなのよ。
「お兄様? 私の未来を潰した上で、共犯になれって仰るの?」
「違う。私の妹のお前にフロリアン伯爵家を守れと命じている」
なんのメリットもないご命令だけど、そこで泣いてる赤ん坊を放っておけないじゃない。
「心配する必要はない。乳母のスージーだ」
「よろしくお願い致します、ソニア様」
ピンと来たわ。
この女が兄の浮気相手、赤ん坊の生みの親だって。
舐めた事してくれちゃって……小娘だろうと、女は怒ると恐いのよ?
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
青春リフレクション
羽月咲羅
青春
16歳までしか生きられない――。
命の期限がある一条蒼月は未来も希望もなく、生きることを諦め、死ぬことを受け入れるしかできずにいた。
そんなある日、一人の少女に出会う。
彼女はいつも当たり前のように側にいて、次第に蒼月の心にも変化が現れる。
でも、その出会いは偶然じゃなく、必然だった…!?
胸きゅんありの切ない恋愛作品、の予定です!
魔法のトランクと異世界暮らし
猫野美羽
ファンタジー
曾祖母の遺産を相続した海堂凛々(かいどうりり)は原因不明の虚弱体質に苦しめられていることもあり、しばらくは遺産として譲り受けた別荘で療養することに。
おとぎ話に出てくる魔女の家のような可愛らしい洋館で、凛々は曾祖母からの秘密の遺産を受け取った。
それは異世界への扉の鍵と魔法のトランク。
異世界の住人だった曾祖母の血を濃く引いた彼女だけが、魔法の道具の相続人だった。
異世界、たまに日本暮らしの楽しい二拠点生活が始まる──
◆◆◆
ほのぼのスローライフなお話です。
のんびりと生活拠点を整えたり、美味しいご飯を食べたり、お金を稼いでみたり、異世界旅を楽しむ物語。
※カクヨムでも掲載予定です。
ほんわりゲームしてます I
仲村 嘉高
ファンタジー
※本作は、長編の為に分割された1話〜505話側になります。(許可済)
506話以降を読みたい方は、アプリなら作者名から登録作品へ、Webの場合は画面下へスクロールするとある……はず?
───────────────
友人達に誘われて最先端のVRMMOの世界へ!
「好きな事して良いよ」
友人からの説明はそれだけ。
じゃあ、お言葉に甘えて好きな事して過ごしますか!
そんなお話。
倒さなきゃいけない魔王もいないし、勿論デスゲームでもない。
恋愛シミュレーションでもないからフラグも立たない。
のんびりまったりと、ゲームしているだけのお話です。
R15は保険です。
下ネタがたまに入ります。
BLではありません。
※作者が「こんなのやりたいな〜」位の軽い気持ちで書いてます。
着地点(最終回)とか、全然決めてません。
婚約者が王子に加担してザマァ婚約破棄したので父親の騎士団長様に責任をとって結婚してもらうことにしました
山田ジギタリス
恋愛
女騎士マリーゴールドには幼馴染で姉弟のように育った婚約者のマックスが居た。
でも、彼は王子の婚約破棄劇の当事者の一人となってしまい、婚約は解消されてしまう。
そこで息子のやらかしは親の責任と婚約者の父親で騎士団長のアレックスに妻にしてくれと頼む。
長いこと男やもめで女っ気のなかったアレックスはぐいぐい来るマリーゴールドに推されっぱなしだけど、先輩騎士でもあるマリーゴールドの母親は一筋縄でいかなくて。
脳筋イノシシ娘の猪突猛進劇です、
「ザマァされるはずのヒロインに転生してしまった」
「なりすましヒロインの娘」
と同じ世界です。
このお話は小説家になろうにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる