25 / 45
復讐
2
しおりを挟む首筋を噛まれた痛みでメリッサは漸く意識を取り戻した。
メリッサにとってはそのまま気絶した方が幸せだったかもしれない。
メリッサの意識が戻ったのを確認したディエゴは今度は背後からメリッサを犯した。
「あっ……!?」
下半身に、鋭い痛みと、息を呑むほどの熱を感じる。
目覚めたばかりのメリッサはまだ状況を把握できていなかった。
後ろから激しく突かれる衝撃に、そのまま床に顔ごと倒れそうになるメリッサを、背後からディエゴが支える。
肘を床につかせ、メリッサは意味も分からないまま、自分の口からひたすら零れる聞いたことのない声色に驚き戸惑っていた。
メリッサの丸く白い尻を掴みながら、ディエゴは恍惚とした表情で腰を振る。
もしもメリッサが状況を理解すれば、獣の姿勢で自分が犯されていることを恥じてすぐにでも舌を噛み切っていただろう。
白い衣装は形ばかりに纏わりつき、中途半端に脱がせられた上半身からは柔らかな乳房が露になっていた。
赤く色づいた乳首はつんと先端を尖らせ唾液で濡れている。
白い乳房には歯形や欝血が無数にあり、よく見ればメリッサの首筋や肩、腕にもその痕がある。
肌が見えるところ全てにディエゴの粘着質な執着の痕があり、ディエゴが陰茎を乱暴に抜き差ししているメリッサの秘部の周りを中心にして股や太ももにも無数に散らばっていた。
メリッサの純潔を奪った証に、そこには血の跡が微かに残っている。
今はディエゴが一度放った少し透明度の高い精液がぶくぶく泡立ちながら太ももを伝っている。
メリッサはディエゴがその破瓜の際に流れた血を綺麗に舐めとったことを知らない。
神殿には肌と肌がぶつかり合う音と、メリッサの嬌声、そしてディエゴの歓喜に満ちた呻き声が響いていた。
メリッサの中に二度目の射精をし、最後の一滴まで注ぐようにディエゴは小刻みに腰を振った。
そして、満足気に溜息をつき、メリッサの震える身体を背後から抱きしめるディエゴに、メリッサは漸く自分の今の状況を認識した。
ディエゴが背後からメリッサの胸を乱暴に揉み、その首筋を舐める。
あまりの屈辱に、メリッサは顔を覗き込んで来るディエゴを睨みつけた。
「卑怯者……! この、恥知らずがっ」
メリッサを無理やり犯し、そして気を失っている間にもずっと凌辱していただろうディエゴに吐き気がする。
だが、そんなメリッサの侮蔑の視線をディエゴは反論することもなく、必死に身を捩って離れようとするメリッサを強く抱きしめ、埋めたままの陰茎をまた硬くさせながら下から突き上げる。
「あんっ……!」
突然の刺激に、我慢する間もなくメリッサは喘いだ。
その脳髄ごと溶かすような甘い声に、ディエゴはうっとりと囁く。
興奮と蔑みを滲ませながら。
「その卑怯者に犯されて、恥知らずにも感じているのは誰だ?」
「んっ……ッ」
口を押えようとするメリッサの手をディエゴは強く掴んで放さない。
いくら唇を噛みしめても、ディエゴが腰を突き上げるたびに、声が漏れてしまう。
圧倒的な熱量は痛みを凌駕し、大きすぎるディエゴの一物がメリッサの膣を圧迫し、息をするのが難しいほど苦しい。
それなのに、メリッサのつい先ほどまで処女だった身体は少しの快楽も逃さないかのように敏感に濡れていた。
血やディエゴの精液だけではない粘液が厭らしい音を立てる。
あまりの羞恥と屈辱に、メリッサは髪を振り乱しながら首を振って現実を否定した。
ディエゴが愉快気にメリッサの淫乱さを揶揄するごとに、メリッサは絶望する。
すぐ側にはカイルがいるのに、自分は憎い仇でもあるディエゴに犯されて感じている。
これ以上の絶望はないと思った。
実際に処女だったメリッサがこうも感じてしまうのは生まれ持った素質もあったが、一番の原因は神殿に焚かれた香だ。
処女の花嫁が痛くないように、そして初めての性交で快楽を感じてその後の夫婦生活をより円滑に、子作りも積極的にできるように焚かれた香には王家秘伝の媚薬が含まれている。
幼少の頃から媚薬の類も毒と同じ様に含み耐性をつけていたディエゴには効かないが、メリッサは違う。
初めての媚薬をメリッサの身体は素直に受け入れていたのだ。
そんなことを知らないメリッサは今度は身体を反転させられた。
そのまま床に押し倒されたメリッサの乳房をディエゴは我が物顔で吸い付き、円を描くように腰を回してより強い快楽をメリッサに与えた。
感じたくないのに感じてしまう。
そして耳を塞ぎたくなるほどの快感に蕩けた自身の喘ぎ声。
メリッサが嬌声をあげるたび、苦痛と官能で顔を蕩かせるたびにディエゴの腰の動きは速まり、その陰茎はより硬く大きくなる。
ディエゴがメリッサの中に三度目の精を放ったとき、熱い放流が膣内を満たす刺激にメリッサは自覚なしにディエゴの精を搾り取るように膣を締め付けていた。
ディエゴは苦し気に息を吐き出し、そのままメリッサの腰を掴み、全てを注いだ。
今だかつてないほど興奮し、息を整えるディエゴ。
だが、まだ足りない。
ディエゴの積年の恨みも憎しみもこれっぽちの凌辱では満足しないのだ。
もっと、徹底的にメリッサを傷つけ、その尊厳も肉体も全て己の手で蹂躙しなければならない。
そして、そのままメリッサの中に陰茎を埋め込み、ディエゴは汗で濡れた正装服を脱ごうとした。
中途半端に白い衣装を身に纏うメリッサの色っぽい姿から片時も目を離さず服を脱いでいく。
激しすぎるディエゴの動きが止まり、漸くメリッサは息を整えた。
深い絶望を抱きながら自分をじっと見つめたままのディエゴを見上げた。
憎しみや怒り、絶望に濡れるメリッサは強い諦めをその時感じていた。
ディエゴが汗ではりつく長袖の肌着を不快に思いながらも、それを脱ぐことはなかった。
無意識にディエゴはメリッサに肌を見せること、自身の傷跡を見せることを拒んでいたのだ。
「……まだ、やるの?」
ディエゴはメリッサの呟きに返事をせず、ただ皮肉な笑みを浮かべながら熱に浮かされた目でメリッサを見下す。
それが答えだった。
「……もう、殺して」
それはメリッサの本音だった。
自尊心の高い王女であるメリッサにとってディエゴの行為は死よりも辛い。
ディエゴが国王を殺し、メリッサの大切な人々を不幸に陥れた張本人であり、出来ることならばその首に噛みついて殺してやりたいと思っている。
そして現実的にそれが出来ないと知っているからこそ、メリッサは死にたいと思った。
仇も満足にとれない自分が情けない。
だが、このままディエゴに惨めに犯されて殺されるのなら、せめての慈悲にもうこれで終わりにしてほしかった。
首でもなんでも絞めつけて殺して欲しい。
苦しいのも痛いのも嫌だが、こんな辱めをこれ以上受けたくなかった。
「殺す気がないのなら…… 今すぐ死なせて」
剣でも刀でもなんでも貸してくれれば自分で死ぬ。
紐でもいいし、何もないなら舌を噛み切るか、女神の像に頭をぶつけて死んでもいい。
死ぬことで解放されたかったのだ。
0
お気に入りに追加
54
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?
さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。
私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。
見た目は、まあ正直、好みなんだけど……
「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」
そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。
「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」
はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。
こんなんじゃ絶対にフラれる!
仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの!
実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
騎士団長の欲望に今日も犯される
シェルビビ
恋愛
ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。
就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。
ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。
しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。
無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。
文章を付け足しています。すいません
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる