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第3章★心を操る秘薬開発★
第4話☆ウソ発見薬☆
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研究室はコポコポと液体が弾ける音と、菫がゴクゴクと紅茶を飲み込む音が響いた。
やがて全ての紅茶を口から注ぎ終わったカルラは、ペロリと舌を出して菫の口から零れ落ちた紅茶を掬うように舐め取る。
最後に菫の唇をゆっくり舌で丁寧になぞってから離れた。
「ごちそうさま。美味しかった」
ニヤリと笑いながら菫を見て、カルラは自分の唇をペロリと舐めた。
菫は慌てて喉を押さえて何を飲まされたかを頭の中で考える。
しかし思考も鈍らないし、今のところ体調に変化はないようだった。
「はは。唇よりも喉を押さえるか」
「何を飲ませました?」
不安になりながらもそれを悟られないように、挑戦的に笑うと、菫はカルラを睨み付けた。
「さあね。媚薬かもね。ほら、体が熱くなってきたんじゃないの? 幸いここには俺がいるから。体が疼いたら俺に抱き着きな。優しくはできないが慰めてやるよ」
ニヤニヤしながら挑発するように舌を出して言うカルラの首に、菫は腕を絡めた。
「体が熱い……カルラ様、早くわたしの熱を取って」
菫はそう言うと、自分からカルラの唇に口づけをした。するとカルラは驚いたように目を丸くし、菫の両肩を掴むと慌てて引きはがした。
「体が熱い? 嘘だろ? そんなのは入ってない紅茶を出したんだけど……」
菫はそれを聞いて心の中でほっと息をつくと、さらにカルラに体を押し付ける。
「砂糖くらい入れなさいよ。わたしは甘党なんです」
「し、知るか」
「でも、体が熱いの。お願いカルラ様。早く服を脱いで。わたしにあなたの裸を見せて」
菫はカルラをソファに押し倒すと、馬乗りになって白衣を掴んだ。今更ながら、研究する騎士は白衣を身に着けるのだな、と冷静に考えていた。
「ま、待て待て。とんでもないお嬢さんだ」
「怖気づいたの?」
カルラにわざと挑発するように耳元で囁いた菫は、自分の乱れた服を直すと、カルラへと近づいて、馬乗りを解かずにカルラの白衣もさりげなく直してあげた。
「何で裸にならないのよ」
若干強めの声で言うと、カルラは顔を真っ赤にして菫を見つめた。
「お、お前。頭おかしいんじゃないのか。初対面の俺を押し倒すなんて」
菫は肩を竦めるとカルラの唇に人差し指を充ててゆっくりとなぞった。
「頭のネジを外しているの。あなたの方がよっぽど頭おかしいと思いますよ。キス魔なの? 初対面にキスって、頭おかしいんじゃない?」
「う……キスじゃない。口移しだ……」
「同じことよ」
菫の言葉に何も言えなくなったカルラは、深く息をはくと菫に向かって呟いた。
「立て直さないか……態勢を」
馬乗りにされて居心地が悪そうにもぞもぞと動くカルラを見下ろしながら、菫はニヤリと笑って首を振った。
「何故わたしを倭国王女かと思ったか、全て話せば離れてあげる」
「と、とんでもない……お嬢さんだ」
カルラは顔を赤らめて、菫を見つめながら言った。
「……やはり、何か入れましたね……?」
ふと菫が頭を押さえる。
クラクラとする頭を押さえながら、菫はカルラに覆いかぶさるように倒れて気を失った。
カルラは深く息をはくと、菫の体を強く抱きしめる。
「ようやく効いたか。オテンバ姫め……」
カルラは静かに呟くと、体を起こして菫を抱き上げ、研究室の奥の部屋へと足を運んでいった。
ツンとする薬品臭が鼻を擽った。朦朧とした意識の中、菫は意識を覚醒したようだった。
ただすぐには目を開けず、耳と鼻でまずは状況を把握しようと努めた。
「まだ起きないか。そろそろ覚醒してもいいんだけどなあ」
カルラの声だ。手足が動かない。固定されているようだった。
体勢は……起きている。両手両足を縛られて磔にされているようだった。
菫は覚悟を決めて目を開けた。
「あ、起きた? お前が寝ていると静かでいい」
カルラがこちらにやってくる。一瞬誰だかわからなかった。眼鏡をかけておらず、頭も爆発していない。思ったより均整の取れた顔立ちをしている。淡く甘い匂いがするため、体を綺麗にするためシャワーを浴びたのだろう。独特の口調ではなく、抑揚のない静かな声だった。底知れない恐ろしさを感じて菫は身構えた。
フワリとしたマッシュルームカットにすっきりした顔立ちは、先程の野暮ったい印象は微塵もなく、ギョロリとした目も今は涼しげに見える。
眼鏡を掛けていたときは隠れていたようだが、左目の下に泣き黒子があった。その黒子、どこかで見たことがあると思った。
口を開こうとしたが声が出なかった。猿轡をされていた。
「リョウマたちはまだニンゲンを捕まえられないようだ。ついでに氷の魔物を倒してくるよう言ったから、3日くらいは帰ってこないよ」
「……」
キッと睨み付けると、カルラはおどけたように肩を竦め、ふわっとした髪をかきあげた。
「悪いねぇ。だってアンタ、うるさいんだもん。俺に話す隙を与えてくれないし」
菫の傍に近づくと、より甘い匂いがした。何かの薬品の匂いかもしれないと思った。
「今まで良く逃げていたな、倭国の王女」
悪戯っぽく笑い、じっと菫を見ながら言う。
「何ではりつけにしたかって? それはこれだ。尋問をするためだよ」
にこにこと笑うと、カルラはピンク色の液体を持ってきて菫に見せた。
「真実を語る薬なんて出来たら、すごい発見なんだけど、さすがにそんな技術、今の魔界にはないからね。この薬を飲ませて嘘を言ったら、心拍数が上がって、アンタと四肢を繋いでいる機械が刺激を起こし、アンタの体を痺れさせるっていうものなんだけど」
「……」
「この機械、脱走しているニンゲンが作ったんだ。人界の機械とか、科学の技術ってすごいのな。魔界は魔法や術が発達しているけれど、人界は機械が発達しているんだよ」
キラキラと目を輝かせてカルラが語る。菫はそんなカルラを見ることしか出来なかった。
「じゃあ始めよう。まずはこの薬を飲んで」
猿轡を外され、菫は口元が自由になった。
「飲むわけないでしょう」
挑発的に言う菫に、カルラはフッと笑うと「学んでないな」と呟いた。
そしてカルラはグイッと薬品を口に含み、菫の顎を掴んで上を向かせた。
「んっ……んっ!」
再び口づけをされたと思ったら、舌で唇をこじ開けられて薬品を流し込まれる。
今度は弄ぶかのように舌を侵入させてわざと絡めるようにしたり、舌に吸い付かれるようにされた。
いたずらに注ぎ終わったカルラは、菫から唇を離すと、もう一度嘗めとるように菫に口づけをしてから離れた。
「何度もごちそうさまです」
ニヤニヤしながら言うカルラに、菫は対抗するように微笑んだ。
「初対面と何度もキスできるなんて、頭おかしいんじゃない?」
するとカルラも対抗するように笑い、菫の唇を人差し指でなぞった。
「俺もね、お嬢さん。頭のネジを数本飛ばしているんだよ」
二人はじっと見つめ合い、やがて菫の体が熱を持ったように淡くピンクに色づくまでには時間がかからなかった。
「さて、尋問を始めようか」
カルラは椅子を持ってきて菫の正面に座ると、射抜くような鋭い目を菫に向けた。
☆続く☆
やがて全ての紅茶を口から注ぎ終わったカルラは、ペロリと舌を出して菫の口から零れ落ちた紅茶を掬うように舐め取る。
最後に菫の唇をゆっくり舌で丁寧になぞってから離れた。
「ごちそうさま。美味しかった」
ニヤリと笑いながら菫を見て、カルラは自分の唇をペロリと舐めた。
菫は慌てて喉を押さえて何を飲まされたかを頭の中で考える。
しかし思考も鈍らないし、今のところ体調に変化はないようだった。
「はは。唇よりも喉を押さえるか」
「何を飲ませました?」
不安になりながらもそれを悟られないように、挑戦的に笑うと、菫はカルラを睨み付けた。
「さあね。媚薬かもね。ほら、体が熱くなってきたんじゃないの? 幸いここには俺がいるから。体が疼いたら俺に抱き着きな。優しくはできないが慰めてやるよ」
ニヤニヤしながら挑発するように舌を出して言うカルラの首に、菫は腕を絡めた。
「体が熱い……カルラ様、早くわたしの熱を取って」
菫はそう言うと、自分からカルラの唇に口づけをした。するとカルラは驚いたように目を丸くし、菫の両肩を掴むと慌てて引きはがした。
「体が熱い? 嘘だろ? そんなのは入ってない紅茶を出したんだけど……」
菫はそれを聞いて心の中でほっと息をつくと、さらにカルラに体を押し付ける。
「砂糖くらい入れなさいよ。わたしは甘党なんです」
「し、知るか」
「でも、体が熱いの。お願いカルラ様。早く服を脱いで。わたしにあなたの裸を見せて」
菫はカルラをソファに押し倒すと、馬乗りになって白衣を掴んだ。今更ながら、研究する騎士は白衣を身に着けるのだな、と冷静に考えていた。
「ま、待て待て。とんでもないお嬢さんだ」
「怖気づいたの?」
カルラにわざと挑発するように耳元で囁いた菫は、自分の乱れた服を直すと、カルラへと近づいて、馬乗りを解かずにカルラの白衣もさりげなく直してあげた。
「何で裸にならないのよ」
若干強めの声で言うと、カルラは顔を真っ赤にして菫を見つめた。
「お、お前。頭おかしいんじゃないのか。初対面の俺を押し倒すなんて」
菫は肩を竦めるとカルラの唇に人差し指を充ててゆっくりとなぞった。
「頭のネジを外しているの。あなたの方がよっぽど頭おかしいと思いますよ。キス魔なの? 初対面にキスって、頭おかしいんじゃない?」
「う……キスじゃない。口移しだ……」
「同じことよ」
菫の言葉に何も言えなくなったカルラは、深く息をはくと菫に向かって呟いた。
「立て直さないか……態勢を」
馬乗りにされて居心地が悪そうにもぞもぞと動くカルラを見下ろしながら、菫はニヤリと笑って首を振った。
「何故わたしを倭国王女かと思ったか、全て話せば離れてあげる」
「と、とんでもない……お嬢さんだ」
カルラは顔を赤らめて、菫を見つめながら言った。
「……やはり、何か入れましたね……?」
ふと菫が頭を押さえる。
クラクラとする頭を押さえながら、菫はカルラに覆いかぶさるように倒れて気を失った。
カルラは深く息をはくと、菫の体を強く抱きしめる。
「ようやく効いたか。オテンバ姫め……」
カルラは静かに呟くと、体を起こして菫を抱き上げ、研究室の奥の部屋へと足を運んでいった。
ツンとする薬品臭が鼻を擽った。朦朧とした意識の中、菫は意識を覚醒したようだった。
ただすぐには目を開けず、耳と鼻でまずは状況を把握しようと努めた。
「まだ起きないか。そろそろ覚醒してもいいんだけどなあ」
カルラの声だ。手足が動かない。固定されているようだった。
体勢は……起きている。両手両足を縛られて磔にされているようだった。
菫は覚悟を決めて目を開けた。
「あ、起きた? お前が寝ていると静かでいい」
カルラがこちらにやってくる。一瞬誰だかわからなかった。眼鏡をかけておらず、頭も爆発していない。思ったより均整の取れた顔立ちをしている。淡く甘い匂いがするため、体を綺麗にするためシャワーを浴びたのだろう。独特の口調ではなく、抑揚のない静かな声だった。底知れない恐ろしさを感じて菫は身構えた。
フワリとしたマッシュルームカットにすっきりした顔立ちは、先程の野暮ったい印象は微塵もなく、ギョロリとした目も今は涼しげに見える。
眼鏡を掛けていたときは隠れていたようだが、左目の下に泣き黒子があった。その黒子、どこかで見たことがあると思った。
口を開こうとしたが声が出なかった。猿轡をされていた。
「リョウマたちはまだニンゲンを捕まえられないようだ。ついでに氷の魔物を倒してくるよう言ったから、3日くらいは帰ってこないよ」
「……」
キッと睨み付けると、カルラはおどけたように肩を竦め、ふわっとした髪をかきあげた。
「悪いねぇ。だってアンタ、うるさいんだもん。俺に話す隙を与えてくれないし」
菫の傍に近づくと、より甘い匂いがした。何かの薬品の匂いかもしれないと思った。
「今まで良く逃げていたな、倭国の王女」
悪戯っぽく笑い、じっと菫を見ながら言う。
「何ではりつけにしたかって? それはこれだ。尋問をするためだよ」
にこにこと笑うと、カルラはピンク色の液体を持ってきて菫に見せた。
「真実を語る薬なんて出来たら、すごい発見なんだけど、さすがにそんな技術、今の魔界にはないからね。この薬を飲ませて嘘を言ったら、心拍数が上がって、アンタと四肢を繋いでいる機械が刺激を起こし、アンタの体を痺れさせるっていうものなんだけど」
「……」
「この機械、脱走しているニンゲンが作ったんだ。人界の機械とか、科学の技術ってすごいのな。魔界は魔法や術が発達しているけれど、人界は機械が発達しているんだよ」
キラキラと目を輝かせてカルラが語る。菫はそんなカルラを見ることしか出来なかった。
「じゃあ始めよう。まずはこの薬を飲んで」
猿轡を外され、菫は口元が自由になった。
「飲むわけないでしょう」
挑発的に言う菫に、カルラはフッと笑うと「学んでないな」と呟いた。
そしてカルラはグイッと薬品を口に含み、菫の顎を掴んで上を向かせた。
「んっ……んっ!」
再び口づけをされたと思ったら、舌で唇をこじ開けられて薬品を流し込まれる。
今度は弄ぶかのように舌を侵入させてわざと絡めるようにしたり、舌に吸い付かれるようにされた。
いたずらに注ぎ終わったカルラは、菫から唇を離すと、もう一度嘗めとるように菫に口づけをしてから離れた。
「何度もごちそうさまです」
ニヤニヤしながら言うカルラに、菫は対抗するように微笑んだ。
「初対面と何度もキスできるなんて、頭おかしいんじゃない?」
するとカルラも対抗するように笑い、菫の唇を人差し指でなぞった。
「俺もね、お嬢さん。頭のネジを数本飛ばしているんだよ」
二人はじっと見つめ合い、やがて菫の体が熱を持ったように淡くピンクに色づくまでには時間がかからなかった。
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☆続く☆
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