2 / 20
邂逅編
侵食される日常
しおりを挟む
「あなたは神を信じますか?」
突然そんな事を言い出された、何で市役所に呼び出されて言われるのが、神を信じますか?なんだ勧誘か?
「いるなら俺もう少し幸せな人生を送ってると思うんですが」
他に答えようがない、しかし彼女の目は真剣に俺を睨み付けている。
「今この五泉市で異変が起き始めようとしています、いえ既に兆候は表れています」
「ここ年明けから半月の大雪それも、この五泉市付近のみという現状、更に…」
そこで彼女は口籠る、まぁそれはそれとして。
「でも俺関係ないですよね?雪なんて降るときは降るし、そんなの異変でも何でもないですよね?」
確かに今年は近年稀に見る大雪が絶賛継続中である、外を見ると止んでいた雪がまた降り始めていた。
何処が異変なものか。そんな事を思いながら俺はさらに憂鬱になっていったが、彼女の様子が何かおかしい事にも気が付いていた。
「まあ、話ぐらい聞きますよ?」
「それでは先程、異変が起き始めているとお伝えしました私達は『15年目の呪い』と名付けました、この事は一部の具体的には言えませんが関係者しか知りません」
「そしてこの呪いは既に日常に侵食しています」
何だろう呪いとか言い始めましたよ?
「あのその『15年目の呪い』ですか?そう言うのは霊媒師とか神社とかで御祓いしてもらえば良いんじゃないですかね」
「残念ながら、今五泉市に神様は居ません正確には土着神と言います。つまり願うべき神様は居ません」
「信じていただけないのも分かります、ですがこのままでは」
どうやらそっち方面に話をもって行きたがる様だ。まあ聞いてる分には面白いけどさ、でも気になる事がある。
「ちょっと待って下さい、さっき言いましたがそれと俺何か関係は?」
彼女は躊躇なく
「解りました率直に言わせていただきます。八神さん、貴方にはこの呪いに付いて調べて頂きます」
「はぁ!?何で俺が!そんなくだらない与太話に付き合わなきゃならないんですか!」
「大体!神様なんて居ない呪いなんて物も存在しない」
そこまで捲し立てる様に言ったが、彼女は冷静に
「八神さん貴方には断る事はできないんですよ、選択の余地は無いんです。私の言っていることの意味お分かりですよね?」
「ぐっ、呪いなんてそんな物どう信じろと?」
「そうですね、見てもらうというのは如何ですか?」
今とんでもない事言ったぞこの人、見る?何を?呪い?
でも、それを確認してしまったらもう戻れなくなる。そんな感覚に襲われる、もしこれがドッキリで俺を笑い者にしたいならその方がまだマシだ。
「分かりました見せてください、そんな物が有るなら」
フンと鼻を鳴らし覚悟を決める、笑い者にでも何でもなってやる。
「それでは付いてきてください」
俺は彼女に促され市役所を後にし、隣りにある中央病院へと向かった。
そして…俺は今日いや人生で1番後悔する事になる。
中央病院へと向かった俺は、とある階へと向かった。そして『そこ』へ向かうにつれ猛烈に鳥肌が立ち始めていた。
「塚田さん、やっぱり辞めていいですか?寒気が酷いんですけど」
「私も『ここ』に来るのは勇気がいるんです我慢して下さい」
どうやら逃してもらえないようだ。それにしても恐ろしい、廊下に明かりも付いているのに空気が違う、まるで『そこ』に向かうに連れてどんどん暗くなっている様な感覚に襲われる。
そして辿り着いた『そこ』は病院ではお金持ち様専用の特別室
「ここに先程話した、呪いの…がいます」
「います?いるって何ですか」
「それは貴方自身で確認して下さい、私も入ります。1つ注意点が有ります、決してそれには触れないで下さい。」
「だから何なんですか!脅さないで下さい本当に鳥肌が立ちっぱなしです!」
本能的な恐怖を感じる、今までの人生で色々な恐怖を感じて来たがこれは違う。触ってわいけない『それ』がある。
塚田さんもドアを開けようとしない。
少しの躊躇の後、彼女がドアを開けたその瞬間俺の首筋に何か触れたような感触があった。気のせいだろうか?
部屋は暗かった、いや窓の外の明かりが入って来ているのに感覚的には部屋が暗く感じた。
もう逃げ出したい気持ちでいっぱいだったが、彼女に手を引かれ『そこ』に入って行った。
『それ』は見てはいけない者だった、正直今朝食べた朝食セットを吐き出す寸前だった。全身が泡立つ少しでも気を抜いたら、吐いて気絶するんだと思った。
「これは生きているんですか?」
俺は何故か『それ』に手を伸ばしていた、寸前彼女の
「いけません!!」
一言で我に返り、慌てて手を引っ込めた。
「下がってください!そんなに近づいては危険です!」
気が付けば俺はベッドのすぐ近くに来ていた。そのままベッドから距離を取る。
「塚田さん!これってこれって」
『それ』は左上半身以外がミイラ化したヒトだった。
「彼女は生きています」
「彼女!?この状態で生きてるんですか!?」
よく見れば点滴が何箇所も繋がれている。
「そして呪われています、いえこれも『15年目の呪い』によるものです」
「彼女の名前は田辺茉希、五泉市長の孫娘になります。今年に入り体調が悪くなり入院そして今に至ります。」
「見ての通り左上半身以外ミイラとなっていますが生きてはいます、この事は市長からキツく口止めされており病院関係者も知っている者は僅かです」
そこまで聞いて疑問が浮かぶ、とびっきりの疑問が
「さっき俺は『彼女』に手を伸ばしかけていましたよね?それを貴女は止めてくれた、もしかして…」
「はい、この『呪い』は伝播します」
突然そんな事を言い出された、何で市役所に呼び出されて言われるのが、神を信じますか?なんだ勧誘か?
「いるなら俺もう少し幸せな人生を送ってると思うんですが」
他に答えようがない、しかし彼女の目は真剣に俺を睨み付けている。
「今この五泉市で異変が起き始めようとしています、いえ既に兆候は表れています」
「ここ年明けから半月の大雪それも、この五泉市付近のみという現状、更に…」
そこで彼女は口籠る、まぁそれはそれとして。
「でも俺関係ないですよね?雪なんて降るときは降るし、そんなの異変でも何でもないですよね?」
確かに今年は近年稀に見る大雪が絶賛継続中である、外を見ると止んでいた雪がまた降り始めていた。
何処が異変なものか。そんな事を思いながら俺はさらに憂鬱になっていったが、彼女の様子が何かおかしい事にも気が付いていた。
「まあ、話ぐらい聞きますよ?」
「それでは先程、異変が起き始めているとお伝えしました私達は『15年目の呪い』と名付けました、この事は一部の具体的には言えませんが関係者しか知りません」
「そしてこの呪いは既に日常に侵食しています」
何だろう呪いとか言い始めましたよ?
「あのその『15年目の呪い』ですか?そう言うのは霊媒師とか神社とかで御祓いしてもらえば良いんじゃないですかね」
「残念ながら、今五泉市に神様は居ません正確には土着神と言います。つまり願うべき神様は居ません」
「信じていただけないのも分かります、ですがこのままでは」
どうやらそっち方面に話をもって行きたがる様だ。まあ聞いてる分には面白いけどさ、でも気になる事がある。
「ちょっと待って下さい、さっき言いましたがそれと俺何か関係は?」
彼女は躊躇なく
「解りました率直に言わせていただきます。八神さん、貴方にはこの呪いに付いて調べて頂きます」
「はぁ!?何で俺が!そんなくだらない与太話に付き合わなきゃならないんですか!」
「大体!神様なんて居ない呪いなんて物も存在しない」
そこまで捲し立てる様に言ったが、彼女は冷静に
「八神さん貴方には断る事はできないんですよ、選択の余地は無いんです。私の言っていることの意味お分かりですよね?」
「ぐっ、呪いなんてそんな物どう信じろと?」
「そうですね、見てもらうというのは如何ですか?」
今とんでもない事言ったぞこの人、見る?何を?呪い?
でも、それを確認してしまったらもう戻れなくなる。そんな感覚に襲われる、もしこれがドッキリで俺を笑い者にしたいならその方がまだマシだ。
「分かりました見せてください、そんな物が有るなら」
フンと鼻を鳴らし覚悟を決める、笑い者にでも何でもなってやる。
「それでは付いてきてください」
俺は彼女に促され市役所を後にし、隣りにある中央病院へと向かった。
そして…俺は今日いや人生で1番後悔する事になる。
中央病院へと向かった俺は、とある階へと向かった。そして『そこ』へ向かうにつれ猛烈に鳥肌が立ち始めていた。
「塚田さん、やっぱり辞めていいですか?寒気が酷いんですけど」
「私も『ここ』に来るのは勇気がいるんです我慢して下さい」
どうやら逃してもらえないようだ。それにしても恐ろしい、廊下に明かりも付いているのに空気が違う、まるで『そこ』に向かうに連れてどんどん暗くなっている様な感覚に襲われる。
そして辿り着いた『そこ』は病院ではお金持ち様専用の特別室
「ここに先程話した、呪いの…がいます」
「います?いるって何ですか」
「それは貴方自身で確認して下さい、私も入ります。1つ注意点が有ります、決してそれには触れないで下さい。」
「だから何なんですか!脅さないで下さい本当に鳥肌が立ちっぱなしです!」
本能的な恐怖を感じる、今までの人生で色々な恐怖を感じて来たがこれは違う。触ってわいけない『それ』がある。
塚田さんもドアを開けようとしない。
少しの躊躇の後、彼女がドアを開けたその瞬間俺の首筋に何か触れたような感触があった。気のせいだろうか?
部屋は暗かった、いや窓の外の明かりが入って来ているのに感覚的には部屋が暗く感じた。
もう逃げ出したい気持ちでいっぱいだったが、彼女に手を引かれ『そこ』に入って行った。
『それ』は見てはいけない者だった、正直今朝食べた朝食セットを吐き出す寸前だった。全身が泡立つ少しでも気を抜いたら、吐いて気絶するんだと思った。
「これは生きているんですか?」
俺は何故か『それ』に手を伸ばしていた、寸前彼女の
「いけません!!」
一言で我に返り、慌てて手を引っ込めた。
「下がってください!そんなに近づいては危険です!」
気が付けば俺はベッドのすぐ近くに来ていた。そのままベッドから距離を取る。
「塚田さん!これってこれって」
『それ』は左上半身以外がミイラ化したヒトだった。
「彼女は生きています」
「彼女!?この状態で生きてるんですか!?」
よく見れば点滴が何箇所も繋がれている。
「そして呪われています、いえこれも『15年目の呪い』によるものです」
「彼女の名前は田辺茉希、五泉市長の孫娘になります。今年に入り体調が悪くなり入院そして今に至ります。」
「見ての通り左上半身以外ミイラとなっていますが生きてはいます、この事は市長からキツく口止めされており病院関係者も知っている者は僅かです」
そこまで聞いて疑問が浮かぶ、とびっきりの疑問が
「さっき俺は『彼女』に手を伸ばしかけていましたよね?それを貴女は止めてくれた、もしかして…」
「はい、この『呪い』は伝播します」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド
まみ夜
ホラー
ここは、2008年2月09日朝に報道された、全国十ケ所総数六十体以上の「大量焼死体遺棄事件」のまとめサイトです。
事件の上澄みでしかない、ニュース報道とネット情報が序章であり終章。
一年以上も前に、偶然「写本」のネット検索から、オカルトな事件に巻き込まれた女性のブログ。
その家族が、彼女を探すことで、日常を踏み越える恐怖を、誰かに相談したかったブログまでが第一章。
そして、事件の、悪意の裏側が第二章です。
ホラーもミステリーと同じで、ラストがないと評価しづらいため、短編集でない長編はweb掲載には向かないジャンルです。
そのため、第一章にて、表向きのラストを用意しました。
第二章では、その裏側が明らかになり、予想を裏切れれば、とも思いますので、お付き合いください。
表紙イラストは、lllust ACより、乾大和様の「お嬢さん」を使用させていただいております。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
紺青の鬼
砂詠 飛来
ホラー
専門学校の卒業制作として執筆したものです。
千葉県のとある地域に言い伝えられている民話・伝承を砂詠イズムで書きました。
全3編、連作になっています。
江戸時代から現代までを大まかに書いていて、ちょっとややこしいのですがみなさん頑張ってついて来てください。
幾年も前の作品をほぼそのまま載せるので「なにこれ稚拙な文め」となると思いますが、砂詠もそう思ったのでその感覚は正しいです。
この作品を執筆していたとある秋の夜、原因不明の高熱にうなされ胃液を吐きまくるという現象に苛まれました。しぬかと思いましたが、いまではもう笑い話です。よかったいのちがあって。
其のいち・青鬼の井戸、生き肝の眼薬
──慕い合う気持ちは、歪み、いつしか井戸のなかへ消える。
その村には一軒の豪農と古い井戸があった。目の見えない老婆を救うためには、子どもの生き肝を喰わねばならぬという。怪しげな僧と女の童の思惑とは‥‥。
其のに・青鬼の面、鬼堂の大杉
──許されぬ欲望に身を任せた者は、孤独に苛まれ後悔さえ無駄になる。
その年頃の娘と青年は、決して結ばれてはならない。しかし、互いの懸想に気がついたときには、すでにすべてが遅かった。娘に宿った新たな命によって狂わされた運命に‥‥。
其のさん・青鬼の眼、耳切りの坂
──抗うことのできぬ輪廻は、ただ空回りしただけにすぎなかった。
その眼科医のもとをふいに訪れた患者が、思わぬ過去を携えてきた。自身の出生の秘密が解き明かされる。残酷さを刻み続けてきただけの時が、いまここでつながろうとは‥‥。
【短編】怖い話のけいじばん【体験談】
松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。
スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる