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天界決戦編

Road to dawn バトル#00

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 こういう筋肉バカは大体……
「俺は面倒くさいのは嫌いでなぁ! 何百年振りかの戦闘だ……せいぜい愉しませてくれよ!」
 ほらきた、なんかすげぇトゲトゲの鉄球を振り回してるよ。こんな柱だらけの場所で、それはないだろう……
「茉希はノエを連れて下がってて」
「うっぷ……任せた……オゥっオロロロッ!」
「八神さん……オロロロロロロッ!……消滅だけは……」
「そんな余裕ねぇよ! さっさとあっち行って! 向こうで吐いてて!」
 2人の姿が見えなくなるとガジャと向き合う。
「ほう……独りで俺と殺ろうってのか?」
「あんたとは面識がない分、殺りやすそうで助かるよ……後あの2人は今は戦力外だ」
 実際ゲロ吐きまくってるしな
「おいおい随分と舐められたもんだな、出来損ないによ」
「安心しな、すぐにそこのゲロ舐めさせてやるよ」
 盾を構え腰を落とす。
「ほぅ盾だけとは本当に何処までも舐めくさりやがって!」
 鉄球が凄まじい勢いで飛んでくるが……弾くまでもなく避ける、こういう奴は自分の攻撃に絶対的な自信が有るのだろう。柱をなぎ倒しながら鉄球を振り回してる、だけどお前らが言う出来損ないから見れば隙だらけだよ。
「オラオラ! 向かってこいよ出来損ない!」
「……」
 千柱の間が見る影もない程に荒れ果てたのを見計らって、盾を構えたままガジャの懐に突進する。
「莫迦が! コイツは、飛ばすだけじゃぁ無いんだぜ?」
 鉄球を金棒のように変形させると、思いっきり振り下ろされる。今だ!

 次の瞬間、俺が勢いよく空に舞い上がるとガジャが猛烈な勢いで吹っ飛んで行った、その先には茉希とノエの吐瀉物があった。地面に着地すると一言かけてやった。
「良かったな……ある意味御褒美だぞ?」
 取敢えず試して見たかった事が出来た、これは大収穫だな。うん俺ってやれば出来る! さてガジャとやらが消滅……しないな、まぁ今のは実験だったし次は本気で殺ろう、取敢えずサクッと消滅させるか……剣を腰から抜くと……
「駄目です八神さん!!」
「ノエ……悪いけどさ、とどめを刺させてくれ」
「私に考えがあるのです! 未来のためにも私にガジャの力を吸収させて下さい!」
「殺ってからでも同じ良いだろう?」
「消滅は一瞬です!」
 チッ……剣を腰に戻す。ノエがガジャの前で何か呟いてる嫌に耳障りだ、ゆっくりと光の粒子がノエへと吸い込まれていく。残ったのはヒョロヒョロの絞りカスとなった神だった……これ消滅より酷くね? 
「あと2つ……」
「ノエお前……何を考えている?」
「今はまだ言えません……でも! 信じてください!!」
「タケシぃ終わった?」
「とっくに終わってるよ!」
「さて八神さん! 太陽神殿は閉ざされました……」
「まっ予想はしてたよ、開けるにはどうする?」
「懺悔の塔と輪廻の塔に鐘撞堂が有りますそれを鳴らせば扉は開けます!」
「同時とか言わないよな?」
「…………」
「面倒くせぇ!! ちっくしょう! 対消滅は取っておくんだった!」
「あれじゃヒエとヤエ迄殺りかねないよ……」
 それもそうか……しょうが無い二手に分かれるか、だがノエが力を吸収する必要も有るみたいだし。
「タケシ! アタシは懺悔の塔に行くよ」
「うん? 別にそれは構わないけど……相手は大女神ハヤデだよ?」
「だからさ……タケシに女を殺れる?」
 物騒な事言い出したな、俺も言ってるけど。茉希ならハヤデを本気で消滅させかねないノエについて行って貰うか。
「ノエは茉希と懺悔の塔へ行ってくれ、輪廻の塔は俺が行く」
「鐘を鳴らす合図は?」
「俺達は相性バッチシなんだろ?」
「タケシ……」
「茉希」
 お互いを強く抱きしめ合い不安を打ち消す。
「死なないで……タケシ」
「茉希もな……」
「あの~急がないと……」

「「うっさいわ!!」」

「ヒィ!?」 

 さて抱擁も済んだ、行くとしますか!
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