2 / 24
第1章
2 新天地へ
しおりを挟む
藤山葉子は女神の後ろを歩いていた。
周りの景色は暗かったが、遠くの方では星のようなものがキラキラと輝いている。
(これから私は、新天地で生きていくんだ)
希望と若干の不安を胸に抱きながら、そう考えていると――。
「さあ葉子さん。こちらに座ってください」
それは機械のような物だった。葉子は彼女に言われそこに座る。すると目の前に様々な映像が現れ始めた。
「すごい……! 何これ」
「これから生活していく場所を決めてもらいます。好きなものを選んでください。あなたが望めば、貴族でも王族でもなれます」
「一般人でいいです」
「それでは女神の加護は必要ですが?」
「今のところはいらない」
「はい、必要……っと」
「……」
「それでは飼いたいペットを選んでください」
葉子の目の前に現れた画面には、様々な生物が表示されている。
「えーと……。ドラゴン、フェンリル、ホワイトタイガー。あと……女神? え?」
葉子は、目の前にいる女神を見た。
彼女は照れたようにこちらを見ている。『私を使役してください』と言わんばかりだ……。
「却下」
「ガーン!」
「私は犬とかフクロウとか、そういう動物がいいの」
「ドラゴンも可愛いですよぉ!」
「犬とかフクロウはだめ……? ドラゴンもいいけど、私には似合わないというか……」
「ぐふっ! 上目遣いで見つめる葉子さん……! 犬をもふもふする葉子さん! だめぇ美味しい……」
「大丈夫かしら、この女神」
次に住む場所だが、葉子は街中にある立派な家ではなく、森の近くにある小さな家に決めた。
彼女は昔から草花が好きだった。だから、緑豊かなこの場所で生きていくことにしたのだ。
「私、ここにするわ。かわいい犬と一緒に暮らしながら、ハーブとか色んな花を育てるの!」
「とても素敵です! ここは魔物も現れないので安心してくださいね」
女神は画面を操作し消すと、にこりと微笑んだ。葉子もつられて笑顔になった。
「このまま道なりに進めば、その場所に着きますよー」
「よーし! ここまでありがとう、女神様!」
葉子は出口へ向かおうとする。すると後ろから、湿り気に満ちた女神の言葉が聞こえてきた。
「……これからは私が、あなたの外敵を排除しますからね」
「おっかない女神ね、あなたって……」
苦笑いを浮かべると、そのまま道を進む。
しばらくすると、背後からもう一人の足音が聞こえてきた。
「まさか……。あなた、私に付いてくる気?」
「そうですよー」
「女神でしょ!? 何か……そういう場所にいるんじゃないの? 仕事とか忙しいんじゃないの?」
「そうでもないんですー」
「暇なの?」
「私は暇じゃありません。することがたくさんありますよ。まず葉子さんの観察でしょ? 葉子さんの研究に葉子さんの日々をまとめたり……」
「もういいわ……」
「ふふふ」
すると女神が、後ろから葉子に抱きついた。背中に豊かな胸を押し付けると、彼女の耳元で囁いた。
「これからは私が、ずっと、ずぅぅぅっとあなたを養ってあげますからね……」
「それは困るわ」
葉子が即答すると、女神がフリーズした。
まるで、壊れかけのロボットのようにぎこちない動きをしながら、微笑んだまま問うてきた。
「……どうしてです。今までのように毎日夜遅くまで仕事をしなくてもいいのですよ? 寝不足になることもありません。私が身の回りのことを全てさせていただきます。お身体も洗います。頭から足の爪先まで。家事も全てお任せください。葉子さんはただ私のそばにいて、“のんびり”していればいいのです」
それは笑顔だったが、怒っているのは明確だった。葉子はため息を吐くと反論した。
「確かにのんびりしたいと言ったわ! けれど何でもあなたに甘えていたら、私がどんどんダメになっていく気がするのよ」
「いいじゃありませんかぁ! あなたはこれまで頑張って生きてきたのです。これからはたぁくさん私に甘えてください。……ねえ?」
女神はその指先で、優しく優しく葉子の頬を撫でている。ぽつりと、「可哀そうに。肌まで荒れて……」と呟いた。
「私はもう子供じゃないのよ。この異世界でもちゃんと生活できるようにならないと……!」
「ぐずぐずになるまで愛してあげるのに……。私を受け入れてくれないんですね……」
女神は葉子から離れると、宙に浮きながらぶつぶつ独り言を言い始めた。
お互い、しばらくの間無言だった。ふと、葉子は口を開いた。
「そういえば」
「……何ですか」
「あなたの名前、まだ聞いてない。良ければ教えて欲しいよ」
女神は無表情で視線も定まっていない様子だったが、葉子のそばに下りたときにはいつもの笑顔に戻っていた。
「…………。申し遅れました。私のことはフローラとお呼びください」
女神はフローラと名乗り、深々とお辞儀した。
だが、彼女が名前を名乗るまで、一瞬の間があったことを葉子は見逃さなかった。
(フローラって確か花って意味だったっけ? だけど、名乗るのにそんなに時間がかかるものかしら。もしかして、何かそうせざるを得ない理由があったり、本当の名前は別にあるとか……)
「えーと、それじゃあフローラ様。今後ともよろしくね」
「なぜ……様付けなのですか!? うぅ、ひっく……」
「そ、そんな泣くほどのことなの? だってあなたは女神様で私は一般人よ。神様には敬称を付けなきゃ失礼でしょ?」
「駄目……っ。私はあなたにフローラと呼ばれたいのです!」
「じゃあフローラさん!」
「ああんっ。まだ距離があります! どうぞ、フローラとお呼びください」
「注文の多い女神ね……。それじゃあ、フローラちゃん」
「……」
「ちゃん付けもだめなの? 私、フローラちゃんってかわいいと思うんだけどなぁ」
「ふへっ……!?」
そのとき女神に電撃が走った。
『フローラちゃん』と葉子の唇が一文字ずつ発音している。フローラちゃん。フローラちゃんフローラちゃん……。
女神の中で、何度もその言葉が反芻される。次第にその言葉で心がぬくもり、またとてつもない恍惚を覚えた。
「……ああっ、とても……気持ちがいいです。身体が火照ってしまいます。ふう……」
「あ、あのぅ……大丈夫?」
「はーい! 私は大丈夫です!」
「じゃあ、よろしくね。フローラちゃん」
「はいっ! こちらこそよろしくお願いしますね。これからはその名前、たぁくさん呼んで私を可愛がってくださいね? うふふっ」
しばらく歩いていて葉子は立ち止まった。後ろから、「どうしたんですか?」と聞こえる。
「私も着替えなきゃいけないけど、あなたのその恰好どうにかならない……?」
「確かにそうですねぇ……。少々お待ちください」
フローラがそう言うと、ふわりと光に包まれた。葉子は眩しくて目をつむった。
次に目を開けると、メイドに近い恰好をしたフローラの姿があった。
「それでは、あなたの使用人という設定でいきますね?」
年の頃は二十歳前後だろうか。サラサラの長い髪の毛は三つ編みにハーフアップされている。服を着ていてもわかるくらい今にもはちきれそうな胸……。フリルのついたエプロンにロングスカート。スリット部分からは色白の足が覗いている。
葉子は思わず叫んだ。
「けしからん……! ガーターにニーソ! かわいい!」
「あら」
「あ、ごめん……! 学生の頃からメイド服に憧れてたのよ。ほら、クラシカルな方……」
「それなら今度着てみます? あなたなら絶対似合いますよ」
フローラが、葉子の上半身に胸を押し付けてきた。彼女は顔が赤くなるのを感じ、鼓動が早くなる。
(女同士なのに、どうしてこんなにドキドキするのかしら……)
すると、フローラのシャツのボタンが一つ飛んでいった。葉子は唖然とした。シャツの中から胸が見えているのだ。彼女が不思議そうに小首を傾げる。
葉子は、思わずシャツのボタンに手を伸ばしていた。
「あらあら。葉子さんったら、ずいぶん積極的ですねぇ……。ふふ、見るだけではなく、好きなだけ触ってくれてもいいのですよ?」
無言で、フローラのシャツのボタンをプチプチと外していくと、豊満なバストが現れた。次にロングスカートを捲っていくと、彼女の下半身が露わになった。
(ブラを着けてない!? おまけにこの子、何も穿いてない!!)
「だって必要ないですし」
葉子の心の叫びが漏れていたらしい。
「この服……私好みなのですが、胸がきついんですよぉ。ボタンがすぐ飛んじゃうんです。裸だと過ごしやすいのですが……駄目?」
「だめです! 年頃の女の子がそんな恰好。お腹も冷やしちゃだめ!」
「葉子さん。この肉体は若い娘と同じですが、私の実年齢はもっと上です。人間ではないので生理もないし、破壊されてもそのうち再生します。なぁんにも心配しなくて大丈夫ですよ」
「はあ。私がこの子を守らなきゃ……」
「逆です。あなたは私に守られていればいいのです」
「……。せめて下着を穿いてちょうだい。あなたは、女の子なんだから」
「あなたが言うならそうします。その代わり、私に似合う下着を選んでくださいね? 楽しみにしています」
「わかった。明日街の店に行ってみよう。案内お願いね」
「はいっ。任せてください!」
そうして二人は、新しい住居に辿り着いた。
「空気がおいしい」
青空と緑の景色に癒されながら、葉子が伸びをしていると、再びフローラに抱きつかれた。
「葉子さん葉子さんっ。好きです! 結婚しましょう!」
「はいはい。でも私たち女同士だけど……」
「性別や種族を超えた愛は尊いと思いませんか? それに私は、両刀なので何も問題ありません!」
そう言ってフローラは、葉子の頬に優しくキスをした。
「ああそう……? 私はできれば異性がいいな……」
「何か言いました?」
「……よーし、明日はあなたの下着買いに行って、かわいいわんちゃん探しに行くわよ!」
「はい!」
周りの景色は暗かったが、遠くの方では星のようなものがキラキラと輝いている。
(これから私は、新天地で生きていくんだ)
希望と若干の不安を胸に抱きながら、そう考えていると――。
「さあ葉子さん。こちらに座ってください」
それは機械のような物だった。葉子は彼女に言われそこに座る。すると目の前に様々な映像が現れ始めた。
「すごい……! 何これ」
「これから生活していく場所を決めてもらいます。好きなものを選んでください。あなたが望めば、貴族でも王族でもなれます」
「一般人でいいです」
「それでは女神の加護は必要ですが?」
「今のところはいらない」
「はい、必要……っと」
「……」
「それでは飼いたいペットを選んでください」
葉子の目の前に現れた画面には、様々な生物が表示されている。
「えーと……。ドラゴン、フェンリル、ホワイトタイガー。あと……女神? え?」
葉子は、目の前にいる女神を見た。
彼女は照れたようにこちらを見ている。『私を使役してください』と言わんばかりだ……。
「却下」
「ガーン!」
「私は犬とかフクロウとか、そういう動物がいいの」
「ドラゴンも可愛いですよぉ!」
「犬とかフクロウはだめ……? ドラゴンもいいけど、私には似合わないというか……」
「ぐふっ! 上目遣いで見つめる葉子さん……! 犬をもふもふする葉子さん! だめぇ美味しい……」
「大丈夫かしら、この女神」
次に住む場所だが、葉子は街中にある立派な家ではなく、森の近くにある小さな家に決めた。
彼女は昔から草花が好きだった。だから、緑豊かなこの場所で生きていくことにしたのだ。
「私、ここにするわ。かわいい犬と一緒に暮らしながら、ハーブとか色んな花を育てるの!」
「とても素敵です! ここは魔物も現れないので安心してくださいね」
女神は画面を操作し消すと、にこりと微笑んだ。葉子もつられて笑顔になった。
「このまま道なりに進めば、その場所に着きますよー」
「よーし! ここまでありがとう、女神様!」
葉子は出口へ向かおうとする。すると後ろから、湿り気に満ちた女神の言葉が聞こえてきた。
「……これからは私が、あなたの外敵を排除しますからね」
「おっかない女神ね、あなたって……」
苦笑いを浮かべると、そのまま道を進む。
しばらくすると、背後からもう一人の足音が聞こえてきた。
「まさか……。あなた、私に付いてくる気?」
「そうですよー」
「女神でしょ!? 何か……そういう場所にいるんじゃないの? 仕事とか忙しいんじゃないの?」
「そうでもないんですー」
「暇なの?」
「私は暇じゃありません。することがたくさんありますよ。まず葉子さんの観察でしょ? 葉子さんの研究に葉子さんの日々をまとめたり……」
「もういいわ……」
「ふふふ」
すると女神が、後ろから葉子に抱きついた。背中に豊かな胸を押し付けると、彼女の耳元で囁いた。
「これからは私が、ずっと、ずぅぅぅっとあなたを養ってあげますからね……」
「それは困るわ」
葉子が即答すると、女神がフリーズした。
まるで、壊れかけのロボットのようにぎこちない動きをしながら、微笑んだまま問うてきた。
「……どうしてです。今までのように毎日夜遅くまで仕事をしなくてもいいのですよ? 寝不足になることもありません。私が身の回りのことを全てさせていただきます。お身体も洗います。頭から足の爪先まで。家事も全てお任せください。葉子さんはただ私のそばにいて、“のんびり”していればいいのです」
それは笑顔だったが、怒っているのは明確だった。葉子はため息を吐くと反論した。
「確かにのんびりしたいと言ったわ! けれど何でもあなたに甘えていたら、私がどんどんダメになっていく気がするのよ」
「いいじゃありませんかぁ! あなたはこれまで頑張って生きてきたのです。これからはたぁくさん私に甘えてください。……ねえ?」
女神はその指先で、優しく優しく葉子の頬を撫でている。ぽつりと、「可哀そうに。肌まで荒れて……」と呟いた。
「私はもう子供じゃないのよ。この異世界でもちゃんと生活できるようにならないと……!」
「ぐずぐずになるまで愛してあげるのに……。私を受け入れてくれないんですね……」
女神は葉子から離れると、宙に浮きながらぶつぶつ独り言を言い始めた。
お互い、しばらくの間無言だった。ふと、葉子は口を開いた。
「そういえば」
「……何ですか」
「あなたの名前、まだ聞いてない。良ければ教えて欲しいよ」
女神は無表情で視線も定まっていない様子だったが、葉子のそばに下りたときにはいつもの笑顔に戻っていた。
「…………。申し遅れました。私のことはフローラとお呼びください」
女神はフローラと名乗り、深々とお辞儀した。
だが、彼女が名前を名乗るまで、一瞬の間があったことを葉子は見逃さなかった。
(フローラって確か花って意味だったっけ? だけど、名乗るのにそんなに時間がかかるものかしら。もしかして、何かそうせざるを得ない理由があったり、本当の名前は別にあるとか……)
「えーと、それじゃあフローラ様。今後ともよろしくね」
「なぜ……様付けなのですか!? うぅ、ひっく……」
「そ、そんな泣くほどのことなの? だってあなたは女神様で私は一般人よ。神様には敬称を付けなきゃ失礼でしょ?」
「駄目……っ。私はあなたにフローラと呼ばれたいのです!」
「じゃあフローラさん!」
「ああんっ。まだ距離があります! どうぞ、フローラとお呼びください」
「注文の多い女神ね……。それじゃあ、フローラちゃん」
「……」
「ちゃん付けもだめなの? 私、フローラちゃんってかわいいと思うんだけどなぁ」
「ふへっ……!?」
そのとき女神に電撃が走った。
『フローラちゃん』と葉子の唇が一文字ずつ発音している。フローラちゃん。フローラちゃんフローラちゃん……。
女神の中で、何度もその言葉が反芻される。次第にその言葉で心がぬくもり、またとてつもない恍惚を覚えた。
「……ああっ、とても……気持ちがいいです。身体が火照ってしまいます。ふう……」
「あ、あのぅ……大丈夫?」
「はーい! 私は大丈夫です!」
「じゃあ、よろしくね。フローラちゃん」
「はいっ! こちらこそよろしくお願いしますね。これからはその名前、たぁくさん呼んで私を可愛がってくださいね? うふふっ」
しばらく歩いていて葉子は立ち止まった。後ろから、「どうしたんですか?」と聞こえる。
「私も着替えなきゃいけないけど、あなたのその恰好どうにかならない……?」
「確かにそうですねぇ……。少々お待ちください」
フローラがそう言うと、ふわりと光に包まれた。葉子は眩しくて目をつむった。
次に目を開けると、メイドに近い恰好をしたフローラの姿があった。
「それでは、あなたの使用人という設定でいきますね?」
年の頃は二十歳前後だろうか。サラサラの長い髪の毛は三つ編みにハーフアップされている。服を着ていてもわかるくらい今にもはちきれそうな胸……。フリルのついたエプロンにロングスカート。スリット部分からは色白の足が覗いている。
葉子は思わず叫んだ。
「けしからん……! ガーターにニーソ! かわいい!」
「あら」
「あ、ごめん……! 学生の頃からメイド服に憧れてたのよ。ほら、クラシカルな方……」
「それなら今度着てみます? あなたなら絶対似合いますよ」
フローラが、葉子の上半身に胸を押し付けてきた。彼女は顔が赤くなるのを感じ、鼓動が早くなる。
(女同士なのに、どうしてこんなにドキドキするのかしら……)
すると、フローラのシャツのボタンが一つ飛んでいった。葉子は唖然とした。シャツの中から胸が見えているのだ。彼女が不思議そうに小首を傾げる。
葉子は、思わずシャツのボタンに手を伸ばしていた。
「あらあら。葉子さんったら、ずいぶん積極的ですねぇ……。ふふ、見るだけではなく、好きなだけ触ってくれてもいいのですよ?」
無言で、フローラのシャツのボタンをプチプチと外していくと、豊満なバストが現れた。次にロングスカートを捲っていくと、彼女の下半身が露わになった。
(ブラを着けてない!? おまけにこの子、何も穿いてない!!)
「だって必要ないですし」
葉子の心の叫びが漏れていたらしい。
「この服……私好みなのですが、胸がきついんですよぉ。ボタンがすぐ飛んじゃうんです。裸だと過ごしやすいのですが……駄目?」
「だめです! 年頃の女の子がそんな恰好。お腹も冷やしちゃだめ!」
「葉子さん。この肉体は若い娘と同じですが、私の実年齢はもっと上です。人間ではないので生理もないし、破壊されてもそのうち再生します。なぁんにも心配しなくて大丈夫ですよ」
「はあ。私がこの子を守らなきゃ……」
「逆です。あなたは私に守られていればいいのです」
「……。せめて下着を穿いてちょうだい。あなたは、女の子なんだから」
「あなたが言うならそうします。その代わり、私に似合う下着を選んでくださいね? 楽しみにしています」
「わかった。明日街の店に行ってみよう。案内お願いね」
「はいっ。任せてください!」
そうして二人は、新しい住居に辿り着いた。
「空気がおいしい」
青空と緑の景色に癒されながら、葉子が伸びをしていると、再びフローラに抱きつかれた。
「葉子さん葉子さんっ。好きです! 結婚しましょう!」
「はいはい。でも私たち女同士だけど……」
「性別や種族を超えた愛は尊いと思いませんか? それに私は、両刀なので何も問題ありません!」
そう言ってフローラは、葉子の頬に優しくキスをした。
「ああそう……? 私はできれば異性がいいな……」
「何か言いました?」
「……よーし、明日はあなたの下着買いに行って、かわいいわんちゃん探しに行くわよ!」
「はい!」
2
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
天職はドロップ率300%の盗賊、錬金術師を騙る。
朱本来未
ファンタジー
魔術師の大家であるレッドグレイヴ家に生を受けたヒイロは、15歳を迎えて受けた成人の儀で盗賊の天職を授けられた。
天職が王家からの心象が悪い盗賊になってしまったヒイロは、廃嫡されてレッドグレイヴ領からの追放されることとなった。
ヒイロは以前から魔術師以外の天職に可能性を感じていたこともあり、追放処分を抵抗することなく受け入れ、レッドグレイヴ領から出奔するのだった。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
ヤンデレお兄様に殺されたくないので、ブラコンやめます!(長編版)
夕立悠理
恋愛
──だって、好きでいてもしかたないもの。
ヴァイオレットは、思い出した。ここは、ロマンス小説の世界で、ヴァイオレットは義兄の恋人をいじめたあげくにヤンデレな義兄に殺される悪役令嬢だと。
って、むりむりむり。死ぬとかむりですから!
せっかく転生したんだし、魔法とか気ままに楽しみたいよね。ということで、ずっと好きだった恋心は封印し、ブラコンをやめることに。
新たな恋のお相手は、公爵令嬢なんだし、王子様とかどうかなー!?なんてうきうきわくわくしていると。
なんだかお兄様の様子がおかしい……?
※小説になろうさまでも掲載しています
※以前連載していたやつの長編版です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる