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九ノ巻
他種族
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「なんだ、この地鳴りは・・・。」
フレイアが森の奥の異変を感じ、森の奥に目を向ける。森に住む生き物が一斉に危険を感じその場を離れる。
「これはやべーな。おい、フレイア・・・。今のお前では殺られるかもしれん。それほどの相手がこっちに向かってるぞ。」
サラマンドラが顔を引きつらせながら言った。しかし、それはフレイアも同様に危険を感じていた。
「あぁ、そのようだな。俺たちは起こしちゃならねぇ奴を起こしちまったみてぇだな・・・。」
そういうと、フレイアがサツキを見た。
(まずいな・・・あの子を守りながら闘うのは骨が折れそうだ。かと言って逃げ切れる相手でもないな。さてと、どうすっかな?)
すると・・・。
(何が「どうするか」だよ?答えは出てんだろ?なら、ワシにできることは決まっとる。)
サラマンドラがフレイアを見てにっこりと笑った。フレイアがサラマンドラを見て微笑む。
(全く・・・。お前はどうしてすぐに人の心に割って入ってくるんだ・・・。暇なのか?)
フレイアが呆れながら皮肉を言った。
「でも、だからこそ今回は頼もしい相棒だよ!」
サツキがフレイアの突然の声にびくりと身体を震わせた。
「え?なに?いきなり喋んないでよ!びっくりするじゃん?!」
サツキが動揺しながら言った。それはまるで凪紗と同じ様だった。その姿にフレイアがくすりと笑った。
「ちょっと何笑ってんの?今は闘いの最中でしょ?わかってんの!?」
「そうだな。けど、強がってはいるけど君もさっきの子と一緒だね。やっぱり君も俺たちと同じだな。」
フレイアがサツキを見て言った。
「けど、ここからは俺の闘いだ。これ以上巻き込むことは出来ないな!」
そういうと、フレイアがティアマトの方を見てアイコンタクトをした。ティアマトが少し考えるが、フレイアの考えを読み解きサツキを眠らせた。
「あれ?私・・・。」
サツキが眠ったことで目覚めた凪紗が状況を把握出来ていなかった。戸惑う凪紗にティアマトが声をかける。
「すまんな凪紗。少しだけ寝ててくれ。お前を怖い目には合わせたくないんだ。」
そう言うと、ティアマトがサツキを出会った時のように洗脳した。
「フレイア!いつでもいいぞ!」
ティアマトがフレイアに合図を出した。
「・・・・・・。わるいな、またお前に辛い思いをさせちまって・・・。合図を出したら出口まで一気に走れ!絶対に振り返るなよ!」
サツキは小さくうなずいた。地響きがどんどん大きく2人の方に迫っているのを感じた。フレイアの頬を一筋の汗がつたう。
「走れ!全力で思いっきし逃げろ!」
ティアマトがその合図で全力で走る。ティアマトは走りながら前を向いた状態でフレイアに言った。
「絶対に無事で戻ってこい・・・。」
その瞬間、フレイアの目の前に木々をかき分けて歩いてくるリザードマンの姿があった。恐らく、全長は3階建てのビルと同じ位はありそうだった。
「これは、いよいよまずいかもしれないな・・・。」
その言葉に、サラマンドラが挑発した。
「おいおい、さっきまでの威勢はどうした?いきがれるのは女の子の前だけか?」
サラマンドラの挑発にため息をつく。
「全く・・・。そんな訳ないだろ?これからが楽しいところじゃねぇか!腹決めろよ、サラマンドラ!」
フレイアの言葉に楽しげに笑うサラマンドラ。
「とっくに覚悟できてるわ!わしも少し本気を出すかな?」
サラマンドラの姿が先程同様に若かりし日の姿に変わっていく。
「これで少しはマシな戦いになるか?」
サラマンドラが以前にも増して荒々しく身体を炎でまとわせる。その瞬間、うめき声とともにリザードマンがフレイア目掛けて襲いかかる。フレイアがその攻撃をかわそうと前方に飛び込む。上手くリザードマンのふところに潜り込むフレイア。しかし、リザードマンはフレイアが攻撃のモーションに入った瞬間足蹴りをした。
フレイアはとっさに防御の体制に入るが、リザードマンの巨体にガードもろとも吹き飛ばされる。フレイアが後方の木の幹に背中を強く打ち付ける。一瞬意識が飛び、頭からは血が流れていた。
「がは・・・、ますます、やべぇ。」
フレイアがかろうじて意識を保ちながら立ち上がる。しかし、フレイアの身体は先程の攻撃でほとんど使い物にならなかった。そこに追い打ちをかけるように、フレイアの右脇腹を目掛けてリザードマンのしっぽが襲いかかる。再び吹き飛ばされるフレイア。
「ごはっ・・・ゲホゲホ・・・。こんなところでくたばる訳にはいかねぇんだ。紅蓮龍皇陣!」
その瞬間、リザードマンの足の下に大きな紋章が浮かぶ。すると、その紋章は紅く輝くと、巨大な火柱を上げてリザードマンを燃やし尽くす。
「これで、終わりだ・・・。」
フレイアが安堵し、そのまま地面にうつ伏せに倒れる。しかし、リザードマンは自身の腕の風圧だけで炎をかき消した。
「ぐおおおおおおおおおお!」
フレイアの攻撃に完全に怒りを露わにするリザードマン。動くことすら出来ないフレイア目掛けて殴りかかる。
フレイアが森の奥の異変を感じ、森の奥に目を向ける。森に住む生き物が一斉に危険を感じその場を離れる。
「これはやべーな。おい、フレイア・・・。今のお前では殺られるかもしれん。それほどの相手がこっちに向かってるぞ。」
サラマンドラが顔を引きつらせながら言った。しかし、それはフレイアも同様に危険を感じていた。
「あぁ、そのようだな。俺たちは起こしちゃならねぇ奴を起こしちまったみてぇだな・・・。」
そういうと、フレイアがサツキを見た。
(まずいな・・・あの子を守りながら闘うのは骨が折れそうだ。かと言って逃げ切れる相手でもないな。さてと、どうすっかな?)
すると・・・。
(何が「どうするか」だよ?答えは出てんだろ?なら、ワシにできることは決まっとる。)
サラマンドラがフレイアを見てにっこりと笑った。フレイアがサラマンドラを見て微笑む。
(全く・・・。お前はどうしてすぐに人の心に割って入ってくるんだ・・・。暇なのか?)
フレイアが呆れながら皮肉を言った。
「でも、だからこそ今回は頼もしい相棒だよ!」
サツキがフレイアの突然の声にびくりと身体を震わせた。
「え?なに?いきなり喋んないでよ!びっくりするじゃん?!」
サツキが動揺しながら言った。それはまるで凪紗と同じ様だった。その姿にフレイアがくすりと笑った。
「ちょっと何笑ってんの?今は闘いの最中でしょ?わかってんの!?」
「そうだな。けど、強がってはいるけど君もさっきの子と一緒だね。やっぱり君も俺たちと同じだな。」
フレイアがサツキを見て言った。
「けど、ここからは俺の闘いだ。これ以上巻き込むことは出来ないな!」
そういうと、フレイアがティアマトの方を見てアイコンタクトをした。ティアマトが少し考えるが、フレイアの考えを読み解きサツキを眠らせた。
「あれ?私・・・。」
サツキが眠ったことで目覚めた凪紗が状況を把握出来ていなかった。戸惑う凪紗にティアマトが声をかける。
「すまんな凪紗。少しだけ寝ててくれ。お前を怖い目には合わせたくないんだ。」
そう言うと、ティアマトがサツキを出会った時のように洗脳した。
「フレイア!いつでもいいぞ!」
ティアマトがフレイアに合図を出した。
「・・・・・・。わるいな、またお前に辛い思いをさせちまって・・・。合図を出したら出口まで一気に走れ!絶対に振り返るなよ!」
サツキは小さくうなずいた。地響きがどんどん大きく2人の方に迫っているのを感じた。フレイアの頬を一筋の汗がつたう。
「走れ!全力で思いっきし逃げろ!」
ティアマトがその合図で全力で走る。ティアマトは走りながら前を向いた状態でフレイアに言った。
「絶対に無事で戻ってこい・・・。」
その瞬間、フレイアの目の前に木々をかき分けて歩いてくるリザードマンの姿があった。恐らく、全長は3階建てのビルと同じ位はありそうだった。
「これは、いよいよまずいかもしれないな・・・。」
その言葉に、サラマンドラが挑発した。
「おいおい、さっきまでの威勢はどうした?いきがれるのは女の子の前だけか?」
サラマンドラの挑発にため息をつく。
「全く・・・。そんな訳ないだろ?これからが楽しいところじゃねぇか!腹決めろよ、サラマンドラ!」
フレイアの言葉に楽しげに笑うサラマンドラ。
「とっくに覚悟できてるわ!わしも少し本気を出すかな?」
サラマンドラの姿が先程同様に若かりし日の姿に変わっていく。
「これで少しはマシな戦いになるか?」
サラマンドラが以前にも増して荒々しく身体を炎でまとわせる。その瞬間、うめき声とともにリザードマンがフレイア目掛けて襲いかかる。フレイアがその攻撃をかわそうと前方に飛び込む。上手くリザードマンのふところに潜り込むフレイア。しかし、リザードマンはフレイアが攻撃のモーションに入った瞬間足蹴りをした。
フレイアはとっさに防御の体制に入るが、リザードマンの巨体にガードもろとも吹き飛ばされる。フレイアが後方の木の幹に背中を強く打ち付ける。一瞬意識が飛び、頭からは血が流れていた。
「がは・・・、ますます、やべぇ。」
フレイアがかろうじて意識を保ちながら立ち上がる。しかし、フレイアの身体は先程の攻撃でほとんど使い物にならなかった。そこに追い打ちをかけるように、フレイアの右脇腹を目掛けてリザードマンのしっぽが襲いかかる。再び吹き飛ばされるフレイア。
「ごはっ・・・ゲホゲホ・・・。こんなところでくたばる訳にはいかねぇんだ。紅蓮龍皇陣!」
その瞬間、リザードマンの足の下に大きな紋章が浮かぶ。すると、その紋章は紅く輝くと、巨大な火柱を上げてリザードマンを燃やし尽くす。
「これで、終わりだ・・・。」
フレイアが安堵し、そのまま地面にうつ伏せに倒れる。しかし、リザードマンは自身の腕の風圧だけで炎をかき消した。
「ぐおおおおおおおおおお!」
フレイアの攻撃に完全に怒りを露わにするリザードマン。動くことすら出来ないフレイア目掛けて殴りかかる。
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