俺の部屋が異世界に転移したみたいだ‼

第六章 異世界ツアー

末永アリス

仕事復帰のため、不定期更新となります。

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　犬たちも慣れ、異世界村は活気を帯びてきた。
農作物は順調に収穫され、台風も乗り切った。

　そんな中、アカネは2年生に進級した。
生徒会役員は全員残留で、部活もそのままだ。

「今年は新入部員が多いぞ」

「へえ、どうしたんですかね」

「やっぱり、全国大会での実績がきいてるんだろう」

「へえ、そんなもんなんですかね」

「どうした、気のない返事だな」

「あっ、きたきた、こっちだよ～」

「アカネちゃん、お待たせ～。
あっ、松原キャプテンですね。
私、アカネちゃんの従妹で末永アリスです。
よろしくお願いします」

「えっ、外国の人……」

「アリスちゃんは、向こうの世界の両親の間に生まれたんですよ。
お母さんはマーメイドのバーバラさんで、アリスちゃんもマーメイドなんです」

「そうか、金髪なもので外国人かと思ったよ」

「部活は、私と同じで掛け持ちする予定なんですよ」

「剣道の方はどうなんだ」

「私と互角ですから、今年の全中は確実ですよ」

「こりゃあ、レギュラー争いが熾烈になってくるな……」


　末永アリスの噂はあっという間に広まった。

「なんとしてでも、末永アリスを勧誘するんだ」

「戦力増強と、秋のバーベキューを我が部に！」

　そう、戦力としてよりも、バーベキューが目当てだった。
剣道とサッカーは確定しているが、３日分はまだ未確定なのだ。
そして、バスケ部が最初の椅子を手に入れた。
続いて硬式テニス部と陸上部が勝ち名乗りをあげた。

「よっしゃ、秋のバーベキューゲット！」

「えっ、バーベキューですか？」

「えっ？」

「うち、アカネちゃんの家みたいに広い畑とかないですよ」

「えっ……」

「どうしてもっていうなら、アカネちゃん所を使わせてもらいますけど」

「ぜひ、それで頼む。チームの盛り上がりには、バーベキューが必要なんだ」

　こうして、部活の勧誘騒ぎはおさまった。

「アリスって、陸上なんてやってたんだ」

「ううん、初めてだよ。
でも、個人で実績を残すんなら陸上部かなって思ったの」

「何やるの」

「１００ｍと走り高跳びやってみたいなって」

「へえ、面白そうね」

「でしょ。アカネちゃんも臨時部員で入りなよ」