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第二部 神の娘  第五章スーパー中学生

異世界ツアー

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「おい、末永アカネってのはお前か」

「はい、末永ですけど」

「俺たちを異世界に連れていけ」

「えっと、コースが4つあります」

「コースだと?」

「一番お手軽なのは、私とお友達になって、家にご招待するコースです。
この場合、行動範囲は家の敷地内になりますので、スライムなどの遭遇は年に数回です」

「却下だ!」

「二番目は、私と同じ部に入って、次回のイベントを待ってもらいます。
この場合も、行動範囲はうちの敷地内です」

「たりい、そんなもん却下だ!」

「三番目は、剣道部のキャプテンと勝負して勝ってもらいます。
この場合、剣道部への入部届が必要になります」

「無理に決まってんだろ!」

「4番目はおすすめですよ」

「なんだ」

「有料コースです。おひとり様一時間1万円と、お得になってます。
ただ、非合法ですので、先生には内緒にしてください」

「一時間一万だと!」

「ツアコン同行の場合、一時間2万円になります」

「なんだそれ」

「確実に、ご希望の魔物と遭遇できますし、安全を保証します。
あっ、記念撮影もいたしますよ」

「えっ、1万の場合は?」

「現地に置き去りです。
時間になりましたらお迎えに伺いますが、何が出てくるかわかりませんので、生命の保証はできません。
まあ、これを選択するくらいでしたら、剣道部のキャプテンに勝つほうが確実ですね」

「ふざけんなよ」

「この設定に異論がある場合は、剣道部のキャプテンに申し立ててください」

「ぐっ……有料コースなんて選ぶ奴はいるのかよ」

「ええ、もう3組ご予約いただいてますよ。
どうなさいますか」

「け、検討してみる……」

「よろしくお願いいたしますね、お客様」


「すごいね、まるで旅行会社みたいだよ」

「ほら、剣道部の展示で広まっちゃったからね」

「本当に予約入ってるの?」

「うん、3年生が卒業旅行の代わりにって。
その代わり、一日2万円で、夕食は我が家でフルコース。
空や海の旅もOKだし、自分で一日のコースを設定してもらえるんだ」

「もしかして、二匹のトラのモフリとかOKなの?」

「うん、朝8時から夜8時まで、好きなことができるんだよ」

「それって、もしかして超お得じゃないの。
だって、ソフィアさんとの記念写真とか撮れるんでしょ」

「空いてればね」

「半日ノラクエの体験にして、午後はマーメイドとシュノーケリング、夜はディナー。
それで2万円って安すぎよ」

「でしょ、でも興味本位で来られるのも嫌だから、たてまえは一時間2万円なの」

「それ知ったら、夏休みとか予約殺到だよ。
だって、一日スノボとかでもいいんでしょ」

「うん、向こうでできることなら、なんでもOKだよ」

「マーメイドさんと一日スキューバがいい!」
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