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第二部 神の娘 第五章スーパー中学生
半歩先の世界
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アカネの一週間は多忙だ。
月曜が剣道で、火曜がサッカー。
水曜日にバレーボールで、木曜がソフトボール。
そして金曜に硬式テニスだ、
土曜日には剣道部を道場に連れていき、日曜はオフとなる。
「ちょっと、末永さん、あなた一人だけズルいんじゃない」
「ごめんなさい。何かご迷惑をおかけしました?」
「迷惑っていうのじゃなくて、なんでそんなに掛け持ちする必要があるの」
「はあ、できることはなんでもやってみろというのが家訓なものですから」
「それがチームの和を乱すって言ってるの」
「チームというと、サッカーかバレーですか」
「どっちでもいいでしょ。
本気でやる気があるなら、もう少し練習に参加したらどうなのよ」
「学校では放課後だけですけど、クラブチームなんかでその分練習してますが」
「それじゃあ、チームプレーの練習にならないでしょ」
「南米型なので、個人プレーがベースなんです」
「南米型なのかどうか知らないけど、もう少しチームってことを考えるのね。
いい、忠告はしたわよ」
「はあ……」
2年生の女子なのだが見覚えはない。
バレーはまだ基本練習だから、サッカー部なのだろう。
だがアカネはこのスタイルを変えるつもりはなかった。
それが顕著に現れたのはサッカーの練習中だった。
完全にフリーになっていてもパスが来ないのだ。
そしてそれは2年生からだった。
「おい、磯山、なんで末永にパスを出さない」
「すみません、見えませんでした」
こんな具合である。
一方で三年や一年はそれなりにパスを出してくれる。
アカネはそのパスを無駄にしないように必死になった。
一人でごり押しするのは無謀なので、一年と三年の能力を頭に入れてギリギリのパスを返す。
その分、クラブチームでは個人技を磨いていった。
その結果、2年生の多くはレギュラーから外されてしまった。
3年にとっては最後のシーズンである。
一つでも上の順位を目指しているのだ。
オープンの市民大会ではさすがに8位どまりであったが、県大会予選を勝ち上がり、全国の切符も手に入れた。
「まったく、アカネのパスは厳しいからな、足が吊りそうだよ」
「こっちがいくら練習しても、常にその先を求めてくるからね」
「だけど、これで全国だね」
「全国では、もう半歩先に出しますからね。
気合い入れてくださいよ」
「くー、その半歩が厳しいっての……」
月曜が剣道で、火曜がサッカー。
水曜日にバレーボールで、木曜がソフトボール。
そして金曜に硬式テニスだ、
土曜日には剣道部を道場に連れていき、日曜はオフとなる。
「ちょっと、末永さん、あなた一人だけズルいんじゃない」
「ごめんなさい。何かご迷惑をおかけしました?」
「迷惑っていうのじゃなくて、なんでそんなに掛け持ちする必要があるの」
「はあ、できることはなんでもやってみろというのが家訓なものですから」
「それがチームの和を乱すって言ってるの」
「チームというと、サッカーかバレーですか」
「どっちでもいいでしょ。
本気でやる気があるなら、もう少し練習に参加したらどうなのよ」
「学校では放課後だけですけど、クラブチームなんかでその分練習してますが」
「それじゃあ、チームプレーの練習にならないでしょ」
「南米型なので、個人プレーがベースなんです」
「南米型なのかどうか知らないけど、もう少しチームってことを考えるのね。
いい、忠告はしたわよ」
「はあ……」
2年生の女子なのだが見覚えはない。
バレーはまだ基本練習だから、サッカー部なのだろう。
だがアカネはこのスタイルを変えるつもりはなかった。
それが顕著に現れたのはサッカーの練習中だった。
完全にフリーになっていてもパスが来ないのだ。
そしてそれは2年生からだった。
「おい、磯山、なんで末永にパスを出さない」
「すみません、見えませんでした」
こんな具合である。
一方で三年や一年はそれなりにパスを出してくれる。
アカネはそのパスを無駄にしないように必死になった。
一人でごり押しするのは無謀なので、一年と三年の能力を頭に入れてギリギリのパスを返す。
その分、クラブチームでは個人技を磨いていった。
その結果、2年生の多くはレギュラーから外されてしまった。
3年にとっては最後のシーズンである。
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オープンの市民大会ではさすがに8位どまりであったが、県大会予選を勝ち上がり、全国の切符も手に入れた。
「まったく、アカネのパスは厳しいからな、足が吊りそうだよ」
「こっちがいくら練習しても、常にその先を求めてくるからね」
「だけど、これで全国だね」
「全国では、もう半歩先に出しますからね。
気合い入れてくださいよ」
「くー、その半歩が厳しいっての……」
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