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第二部 神の娘  第五章スーパー中学生

生カエデさん

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「すごいですね。
結局5つの部活を掛け持ちですか」

「中学の3年間なんてあっという間だからね。
できることは全部やらないと損だよ」

「そんな考え方の人初めてです」

「うちの教育方針。
明日やることでも、今日できるならやってしまえってね」

「アカネちゃんはどちらにお住まいなんですか」

「上溝だよ。アリサちゃんは?」

「陽光台です。
今度遊びに行ってもいいですか?」

「うん、歓迎するよ。
日を決めてもらえれば、その日の用事はキャンセルするからさ」

「じゃ、今度の土曜日はどうですか」

「いいよ。
じゃあ、住所いうからスマホで確認して」

「はい」


そして土曜日の約束の時間にアリサは訪れた。
アカネの自宅は平屋建て二間の借家だ。

「こんにちわ」

「いらっしゃい。
さあ、入って」

家の中に入るが、家具らしきものはない。

「この家は、こっちの世界の窓口みたいなものなんだ。
瞬間移動で飛ぶからつかまって」

「はい」

シュン!

移動した先は広大な畑の中に立つ一軒家だった。
家というよりも、二階建ての映画に出てきそうな豪邸だった。

「こ、ここが自宅なんですか」

「うん。母さんの世界なんだけどね。
だからテレビは映らないし、ネットもつながらないけどね」

「あっ、スマホも圏外……」

「それ、家の人に言っておいたほうがいいね。
一度戻ろう」

シュン!

アリサは地球世界に戻り、家に電話する。

「あっ、お母さん。夕方までスマホが使えないけど心配しないで。
うん、アカネちゃんの家にいるからね。
えっ、サイン……
わかった、本人に会えたらね。じゃあ」

「サイン?」

「ええ。
できたらルシアさんのサインがほしいんだって」

「あはは。
今日はみんな家にいるから大丈夫だよ」


もう一度瞬間移動で家に戻る。

今度はシェルティーがワンワンと飛びついてきた。

「かわいい。シェットランドシープドッグですね」

「うん、タイガとシズクっていうんだ」

「犬二頭だけなの」

「家の中にはいっぱいいるよ。
驚かないでね」

「驚くほど……いるの?」

「向こうの世界では考えられないだろうからね」

二人で家の中に入る。

「お母さん、友達のアリサちゃん連れてきたよ」

「いらっしゃい。
何もないところだけどゆっくりしていってね」

「お邪魔します……」

「どうしたの」

「だって、生のカエデさんだよ。緊張しちゃって……」

「あら、うふふ、光栄ですわ」
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