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第四章

ミウ

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10時間後、マヤに到着した彼らはガチガチ震えていた。
休憩とか考えずに一気に来たらしい。
ああ、やっぱりアルミで囲いくらいつけるべきだったか……

ところが、追加で希望されたのは同型の飛行艇10台。
もっと便利にできると伝えたが、空から大砲の玉を落とすのに余計な囲いは不要だって……
糞尿をぶちまけるという疑念が拭えないんだが……

彼らは太陽神など創造神話を持っており、今回空を飛ぶという奇蹟を見せたことで最高神ルシファーは当然のように受け入れられた。
俺は太陽の神殿と月の神殿両方にルシファー像を設置してまわった。

マヤの太陽と月の神殿にも設置するため、とある神殿を訪れた時だった。

「すいませーん、最高神ルシファー様の像を設置させていただきたいのですが」

「はい、本部から連絡は受けています。こちらへお願いします」

「えっ、ミュウ?」

「えっ、私は月の巫女ミウでございますけど」

「あっ、……そうだよね。ミュウがいるはずないし……」

「大切な方だったんですね。
その涙は……お亡くなりに……」

「ええ、僕が考え不足だったばかりに……、死なせてしまいました。
ごめんなさい、あまりに似ていたもので」

「そうでしたか、神様の元に召されたんですね」

「は、まあ……」

俺は知っている。
神のもとに等行かず、死は終わりでしかないという事を……

「彼女も、マヤの巫女だったんです。
別の世界なんですけどね」

「そうでしたか、お二人に神のご加護がありますように」

「……、なんだかあなたにお会いできて、吹っ切れた気がします。
ありがとう」

「どういたしまして……」



スペインのことは、この国の人間に任せようと思う。

俺は、アマゾン河口に向かった。

アマゾン河口を切り開いたロシアとイギリスの植民村があった。

俺は代表者に取り次いでもらう。

「こことは別の世界から来ましたシュウといいます。
いつになるかわかりませんが、氷期が終わって海の水位が上がってきています」

「確かに、その兆候はありますな」

「完全に氷期の終わっている俺の世界では、このあたりは満潮と干潮の差が激しく、満月と新月の時には5mの逆流が起きます。
特に、雨期ではその水量が大きく、アマゾン川周辺で大規模な洪水が起こります。
ですから、ここはあきらめて、どこかに移住した方がいい」

「いやいや、ここに移住して200年以上になりますが、そんな記録はどこにもない。
いい加減なことを言って、惑わせないでいただきたいですな」

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