俺の部屋が異世界に転移したみたいだ‼

モモん

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第四章

自然信仰

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村長の家にははしごで登っていく。

「ごめんください」

「どなたかな」

「別の世界から来ましたシュウといいます。
この世界のことを伺いたくてきました」

「よく分らんが入ってきなさい」

「お邪魔します」

家に入った途端、ガタッ・ズズズと家が動いた。

「だ、大丈夫なんですか？」

「大丈夫じゃよ。
この家は枝に乗せているだけじゃからな。
まあ、落ちたら作り直せばいい」

「はあ……」

「まあ、そこにかけなさい。
今、お茶を入れよう」

「失礼します」

椅子に座ったらまたガタッｽﾞｽﾞｽﾞと元の位置に戻った。

村長の入れてくれたお茶は、冷たくてすっきりした味わいだった。

「美味しいです！
どんな葉を使っているんですか？」

「ダークエルフのお茶は、各家庭の秘密なのじゃよ。
様々な葉を使っておるからのう。
それで、別の世界とは？」

「この世界と同じように大陸があり、海があるもう一つの世界です」

「ほう、エルフやハイエルフのおる大陸とかとは違うんじゃな？」

「ええ、そういう世界がいくつもあって、その一つから来ました」

「にわかには信じられんことじゃが、お前さんたちは確かにエルフではない。
信じないわけにはいかんのかのう」

「理屈は抜きにして、そういうものがあると認識していただけば結構です」

「それで、わざわざ別の世界に来るからには、何か目的があるんじゃな」

「はい。
それらの世界すべてを治める神様がいます。
私たちは、その神様のことを知ってもらうために来ました。
もう一つ、別の世界のことを知って、僕たちの世界に取り入れられるようなことがあればそれを知りたいという、知的好奇心もあります」

「わしたちは、獣を狩って、植物も食らっとるが、それだけじゃよ。
それと、自然に宿る神に感謝しておる。別の神様がいるといわれても、今以上のことは望んでおらんからのう」

「そうですね。
ほかの世界のエルフの皆さんも、同じ意見です」

「ほう。ほかの世界にもエルフがおるのか」

「ええ、同じように自然と共存していますよ」

「ほかのエルフたちは、その神を受け入れたのか？」

「ええ。
今信仰している神様はそのまま信仰していただき、その上にゼウス様をおいていただきました。
神様は、ただ在るものですから、それほど抵抗はないと思います」

「ただ在るか。確かに、信仰したからといって、何かしてくれるわけではないからのう」

「その代わり、ゼウス様から遣わされた私どもが、物理的な支援をさせていただきます」

「物理的な支援とな」

「はい。例えば不足している食料や、新たな知識や技術。未知の素材などです」

「ほう。例えばこの村だったら、何を提供できる」

「そうですね。ここにないものは数多くありますが、例えば穀物や家畜。
金属類などはご存じですか？」

「金属とは？」

「火にかざしても燃えず、例えば肉を焼いたり水を温めたりできるものです」

「どんなものか、見せてもらうことはできるのか」

「ええ、こちらが水を温めるもので、こちらは肉などを切るときに使います」

「下で実際に使ってもらっても？」

「ええ、いいですよ」

下に降りると、周囲にいた者が集まってきた。

収納からバーベキュー用の器材一式を取り出す。

コンロで炭をおこし、テーブルで切った肉を網で焼いていく。
その横で鍋に湯を沸かし、味噌を溶いて肉や野菜を煮ていく。
焼いた肉をアルミの皿に盛り、鍋を木製の椀によそっていく。

「どうぞ、お召し上がりください」

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