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第四章

太陽獣

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ビビとの婚姻も終わり、ビビは俺の家で当面暮らすこととなった。
4頭のトラも一緒だ。
最初の2頭がバブルとフリルで、あとのはレースとタックだ。
アカネは伝い歩きできるようになっており、フリルがお気に入りだ。
よく、フリルと一緒に寝ている。

今日はフリルとタックを連れて、第3世界のダークエルフの国にやってきた。
ダークエルフの国は狩猟を中心としており、西のダンジョンから中央のダンジョンまでをテリトリーにしている。
俺は女王に土産でブランデーとワインを持参した。

「ルシファー様の浸透具合はどうですか」

「この国は冒険者が多いので、なかなか思うようにいきませんね」

女王トキナは、気さくな人だ。
俺とは気が合うので、時々こうして土産を持ってくる。

「ところで、その2匹は?」

「別の世界の生き物で、ゴールデンタピータイガーのレースとタックです。
とても肌触りがいいんですよ」

「そのように美しい獣を、私は知りません。
まるで伝説の太陽獣のようです」

「太陽獣?」

「ええ、炎から生まれる不死の獣です。
老体になると、炎に飛び込んで生まれ変わると言われています。
鬼人国とウンディーネ国の間にある火を噴く山に住んでいると言われていますが、本当かどうか確かめた者はいないんですけどね」

「うーん、ルシファー様なら作りかねないな……」

「シュウは、確認しに行きそうですね」

「そう見えますか」

「はっきりと」

「ああ、そうだ。
今日は珍しい木を持ってきたんですよ。
これがその木の実です。このまま食べてみてください」

「どれ、………! なんですかこれは!」

「ソフトクリームの木の実です。
周りはサクッとして、中は冷たいクリームでできています」

「ああ、甘くてとろけるような食感……、この木を持ってきてくれたのですか」

「ええ、中庭に植えましょう。
一個銀貨一枚くらいで売ってください」

「ああ、毎日これが食べられるなんて……
もう、シュウには感謝しかないですね」

ダークエルフは、エルフよりも濃い緑の髪で、肌は小麦色だ。
活動的で陽気なエルフといった感じ。
酒も結構強くて、戦闘職である。

「じゃあ、ちょっと火の山に行ってみますから、この二匹を見ててくれますか」

「ええ、かまいませんよ」

「お願いします」

シュン!

火山は一度来たことがあるので、瞬間移動でやってきた。

「さてと、ロングレンジサーチ:太陽獣!」

太陽獣は存在した。

というか、金色のライオンだった。
生息数は19頭。
親子連れの4頭を捕獲し、人間の元で暮らさないか提案したところ、子供の安全が確保されるのならそうしたいとのこと。

俺は瞬間移動で王女の元に戻った。

王女はレースとタックに絡みついていた。

「シュウ、早すぎます……
それが黄金獣ですか」

「正体は金色のライオンでした。
さて、どうしましょう。
その2頭、置いていきましょうか」

「ホントか!
女王の連れとして、申し分んないわ!」

こうして、我が家に新しい家族ができた。

親はレオとライア。
子供はアポロンとビーナスになった。

「すごいわね。
フリルも綺麗だけど、このたてがみの豪華さで負けてるかな」

カエデの感想だ。

残りのゴールデンライオンは竜人国の国王に繁殖を依頼した。

このドラゴニュート(竜人)なのだが、特に爬虫類系とかいうわけではない。
見た目は普通の人間なのだが、彼らは龍に変身するのだ。
俺も直接見たわけではないのだが……。


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