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第三章

特殊車両

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災害対策班Vチームは、思いのほか成果をあげていた。

特にビル火災においては、なくてはならない存在になっている。
マイアミ近郊では、ビル火災の時に屋上へ逃げれば確実に救助が来ると確信されるほどだった。
政府は公式にVウィルスを公表し、多くの犠牲者を出したが、災害対策Vチームを残してくれたとプレジデント自らがコメントしている。

そして、Vチームを3班に分けた。
ワシントンD.C常駐のV1チーム、L.A常駐のV2チーム、マイアミ常駐のV3チームだ。
政府はスカイボードの増設を求めてきたが、俺は別の案を10億ドルで提示した。
それは、10人乗りの大型ワゴン車3台を改造し、空陸両用にするというものだ。
条件なしで10年間の動作保証付き。おまけで、スカイボードの無制限を50台。

バンパイアであれば、魔力の保有量も格段に増えているため、問題なく使えるだろう。
政府は承知した。

さあ、チーターの出番だ。
時速500km以上で空を飛ぶワゴン車である。
しかも、各種安全装置付きで、万一にも事故を起こさないこと。
色々と検討していたら、もう3台追加してほしいと注文が入った。
プレジデント専用車両にするらしい。

うーん、やっぱりカーナビと連動した自動操縦は欲しいよな。
結界のセットで風の抵抗を無効化し、簡単な攻撃魔法くらいはあってもいいよな。
風の抵抗がないなら、時速700kmくらい行けそうだし、後部ハッチの遠隔操作も必要だな。
全方向モニターと拡大機能とか必要だな……、手振れ補正付きか。
航空無線とか要るのかな……
車輪が回っていないときの速度表示も要るしな……、できれば空中で静止できるボタンとかあった方がいいな。



最終的に全体に強化をかけて引き渡し完了!

「ではこれで失礼します」

「待ちたまえ。デモ飛行に付き合ってくれるんだろ」

「運転手まで育成しておいたんですから……」

「まあ、L.Aまで本当に7時間以内に行けるか確認しようじゃないか」

「わかりましたよ。
マイク、設定を高度3000m、速度は時速1100kmでいいから」

「了解です」

「最高速度は時速700kmじゃないのか」

「マッハ2まで可能ですよ。まあ、音速は超えない方が無難ですからね」

「自動でセットしました、発車します」

ポチッ

「お、音がしないぞ」

「加速感もない」

「音は消してありますし、重力の制御で加速や浮遊感もありません。
寝ていけますよ。
外装は、ハンドメイドのチタン製で、窓は二重ガラスでチタンのメッシュ入り。
プレジデント用にマッサージチェアにしてあります。
特にフットマッサージャーはお勧めです」

「「「装備の時点で車じゃないだろ!」」」
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