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第三章

バンパイアの島

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まず、私たち100人が先発隊として島に渡りました。
リゾート地として100の建物があり、一応の生活用品はそろっています。
この100人で感染者受け入れの準備をしつつ、既存の抗ウィルス薬を試すことになっています。

「はーい、一応私たちはウィルスに冒された病人ですからね」

「病人を働かせるんですか?」

「知ってるかしら。これ」

「なんすか?」

「銀の針が飛び出す杖よ」

「はい、一生懸命働かせていただきます!」

AHAHAHAHA!

「血が欲しい人は私に言ってください。近いうちに、自販機が入るまでは、個別に管理しますからね」

「あのー」

「はい?」

「例えば、二人でお互いの血を飲みあうって可能なんですか?」

「そうね。可能だと思うけど……、もし、試したい人は私に言ってください。研究データとしてチェックしたいと思います。
それと、災害の応援要請も入ります。そっちはマーク、お願いね」

「了解!
災害対策班チームVに参加したい人は俺に申し出てくれ。
一通り訓練が必要だからな」

「娯楽関係はあまり期待できないけど、ジェットスキーとサーフィン・ウィンドサーフィンは自由よ。
スポーツ施設関係はマイケルに言ってね」

「一応、プロサーファーなんでヨロシク!
スケボとバギーもあるけど、数が少ないから順番だよ」

「生活関係はマギーよ」

「アルコールとドラッグは禁止。電子タバコはOKよ。
食事当番は交代制だからね。手を抜いたらお仕置きしてあげる」

「最後なんだけど、これからは子供やお年寄りもやってくるわ。
できれば、この島の住人は家族だと思いたいの。協力してくれると助かるわ」

「「「了解!」」」

こうして、バンパイアだけの独立したエリアができ、生活が始まります。



そんな細かな事情など知らない俺は、政府からの要請を受けて、ゾンビの残りを駆除することになった、
終電の終わった地下鉄構内を、サーチしながら銀の粉を操る。
下水から路地裏、ビルの配管路。さすがに2週間かかったが、すべて掃討することができた。

「バンパイアウィルスですか。
感染者専用のエリアって、面白そうですね。じゃあ行ってみますか」


場所は聞いてあったので、空を飛んでいく。

「こんちわ。マリエさんはいますか?」

「あっ、私です」

「シュウです。どんな様子なのか見に来たんですけど、……元気そうですね」

「シュウさんって、あのシュウ・スエナガさん!」

「ええ。結構、大勢いるんですね」

「全部で3564人です。
もっと早く対応できていれば……」

「そこは、割り切りましょうよ。
3500人も救うことができたんだと」

「そうですね」
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