上 下
77 / 224
第三章

魔界

しおりを挟む
ビル内のゾンビを一掃した俺は、広域探査でゾンビの発生を確かめる。

まだ……

まだ……

見つけた!
そこにネズミがいる!

高速移動で地下鉄の線路を走りネズミを追う……と、、地下鉄に体当たりするところだった。

近い!
あれだ、ホームを駆けるネズミ!

『フリーズ!』

ドスッ キャーッ

「大丈夫、凍らせましたから」

「『クリーン!』 『ファイア!』」

ボッ

最後のゾンビを灰にしてホワイトハウスへ転移する。

シュン!

「なんとか終わりました。
できれば、穴を塞ぎたいんですけど……」

「いかん!
プレジデント、せっかく異種族と接触するチャンスですぞ。
大々的にアピールして我が国の偉大さを知らしめるチャンスを逃す手はありません」

「ですが、ネズミ一匹でこれだけの騒ぎです。
まだ、どんな相手が出てくるか分からないんですよ」

「不意打ちさえ食らわなければ、ネズミごとき火炎放射で一撃です。中隊を送り込み、穴の向こうで始末させますよ」

「広報は?」

「今回のゾンビ騒ぎを知らせるには、穴の存在を説明する必要があります。
それを、ネズミが出たからと言って、すぐに穴を塞いだというのは明らかにイメージダウンですね」

「相手は悪魔なんですよ!」

「すまんなシュウ……」

「どうなっても、しりませんからね。
一つだけアドバイスしておきます。
全兵士に銀メッキでいいので、指輪でも腕輪でもつけさせてください」

シュン!



「C〇N、魔界より、アンナがお届けいたします。
こは魔界の設置された前線基地になります。
魔界…、そうあの悪魔が棲むといわれる魔界です。
これまでのところ、ガーゴイルは確認されているものの、他は一匹のネズミだけです。
そのネズミが、先日のゾンビ騒動を引き起こし、49名の死者を出しました。
ここはアトランタ郊外にある廃ビルの屋上です。
その屋上に開いた異空間と行き来できる穴。
今まさに、穴を通って別の世界にやってきているわけです。
今回、特別の許可をいただいて、中継を行っています。
兵士の方にお話を聞いてみましょう。
相手は悪魔とのことですが、怖くないですか?」

「まったく恐怖心がない訳ではありませんが、悪魔といえど実体があれば銃の勝ちですよ」

「今は何を?」

「魔界の土を回収して調査します。
そのサンプル取りですよ」

「今のところ生物は出てきていないんですね」

「おっ、見てください。土の中にいたミミズのような生物を回収できました」

「魔界で初めてといっていい、生物との遭遇です。
世界で初めて、C〇Nが撮影しています。
この生物も解析されるんですね」

「はい。遺伝子レベルまで解析して、地球の生物と比較することになると思います」

「ありがとうございました。魔界よりアンナがお届けしました」

この映像が公開されたことで、世界中の宗教関係者が声明を出した。
悪魔との接触は危険すぎるというものと、神の御心の元に悪魔を退けろいう二通りの意見だ。
民間からも、悪魔祓い師(エクソシスト)を派遣しろなどのデモが起こってくる。



「な、何だあれは」

双眼鏡で周囲を確認していた兵士が声をあげた。

「ドッ、ドラゴンです!」

「狙撃手、用意しろ!」

M107狙撃銃は、三脚固定で全方向に配置されていた。

「撃て!」 バシュ!
12.7x99mm NATO弾がドラゴンの頭部をとらえ吹き飛ばす。

「命中です!」

ティラノサウルスに似たドラゴンは、そのまま数歩進んで倒れた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

女神様から同情された結果こうなった

回復師
ファンタジー
 どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。

ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~

三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】 人間を洗脳し、意のままに操るスキル。 非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。 「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」 禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。 商人を操って富を得たり、 領主を操って権力を手にしたり、 貴族の女を操って、次々子を産ませたり。 リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』 王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。 邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!

転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件

月風レイ
ファンタジー
 普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。    そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。  そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。  そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。  そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。  食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。  不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。  大修正中!今週中に修正終え更新していきます!

突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます

ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。 何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。 何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。 それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。 そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。 見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。 「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」 にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。 「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。 「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

修行マニアの高校生 異世界で最強になったのでスローライフを志す

佐原
ファンタジー
毎日修行を勤しむ高校生西郷努は柔道、ボクシング、レスリング、剣道、など日本の武術以外にも海外の武術を極め、世界王者を陰ながらぶっ倒した。その後、しばらくの間目標がなくなるが、努は「次は神でも倒すか」と志すが、どうやって神に会うか考えた末に死ねば良いと考え、自殺し見事転生するこができた。その世界ではステータスや魔法などが存在するゲームのような世界で、努は次に魔法を極めた末に最高神をぶっ倒し、やることがなくなったので「だらだらしながら定住先を見つけよう」ついでに伴侶も見つかるといいなとか思いながらスローライフを目指す。 誤字脱字や話のおかしな点について何か有れば教えて下さい。また感想待ってます。返信できるかわかりませんが、極力返します。 また今まで感想を却下してしまった皆さんすいません。 僕は豆腐メンタルなのでマイナスのことの感想は控えて頂きたいです。 不定期投稿になります、週に一回は投稿したいと思います。お待たせして申し訳ございません。 他作品はストックもかなり有りますので、そちらで回したいと思います

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。 異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。 そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。 異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。 龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。 現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

処理中です...