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第二章

男って……

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「頭に金のティアラが現れ、金の瞳に金の尻尾……」

「ああ、記録に残るクイーンの特徴だ」

「というわけで、ゴルの東側の砂浜をマーメイドの里にする。
シマガメが世代交代するまで、面倒を見なきゃならん」

「お前がクイーンの伴侶なのか」

「ああ、一番の問題は、4人目の妻なんだが……」

「クイーンの伴侶は、マーメイド全体の伴侶となる。
法の制約は受けないよ。
だが、羨ましい限りだ……」

「法的に問題がないのなら、次は体力的な問題だ……」

「全員を抱くんだもんな……」

「ああ、頼むぞ兄弟!協力してくれ」

「だが、俺はそれほど空けられないぞ」

「お前と、信用できるヤツに瞬間移動を与える。
女には絶対に悟られないヤツだ」

「いいのか」

「ああ、世界のためだ」

「なあ……、バーバラを妻に迎えることはできないのだろうか……」

「本気なのか?
というか、後継ぎはどうするんだ」

「側室の候補は何人でもいる。
だが、正直なところ側室を持つ気はない。
俺はバーバラを愛している。
後継者に適しているのは、お前とルシアの子供だ」

「うっ、まあ、先のことは後で考えよう」

「頼む、明日から一週間は空いてるんだ。
この一週間で、俺はバーバラを探し出して求婚プロポーズするつもりでいた。
一週間かけて絶対にバーバラを妻にする」

「そこまでの思いなのか」

「ああ、あの日以来、女性はバーバラしか考えられない」

「分かった。俺も応援する」



「ごめんなさい」

俺は、自宅で3人の妻を前にソフィアと二人で土下座していた。

「それにしても、マーメイドクイーンとは、予想の斜め上すぎます」

「困っている人たちを捨てておけないのは知っていましたが……」

「……抱いていただく回数が減ってしまいました」

「ソフィアでしたよね。私はカエデ。最初の妻よ」

「ルシアです。二番目の妻です」

「チートリアルです。三番目です」

「ソフィアです。ごめんなさい。妻なんて望んでなかったんです……」

「いいのよ。抱いてしまった以上、責任は男にあるの。
幸い、それだけの甲斐性はありますから、安心してください。
それに、私は当分の間、男女の営みは控えなくてはいけませんから」

「「「……!」」」

「できたのか?」

「カエデ、おめでとう!」

「羨ましい……」

「今日、日本の病院で診てもらいましたから間違いありません」

カエデとルシアは、結婚式の直後、神様が住民登録をしてくれた。
なので、国民健康保険に加入している。

「そうだ!
マーメイドへの支援として魚を大量に仕入れてあるんだ。
今日は寿司パーティーにしよう」

「「すしって?」」

「魚やエビを使ったご飯よ。
エビでも貝でも、好きなものを食べればいいの」

スキルに寿司職人をセットし、タマゴを焼いて酢飯を作る。
チーターにはちらしずしを作っておく。

「私は芽ネギ」 「最初はマグロで」 「お任せで……」 「貝が好きなんですけど……」

シャリッ  「芽ネギのシャキシャキ感がたまらない……」

モグッ   「やっぱりマグロが美味しい」

チビッ   「生で食べるお魚が、こんなに美味しいなんて……」

アグッ   「海水で洗って食べる貝も美味しいけど、酢飯と貝のバランスがいいです」

「タマゴ」  「ブリ」  「次はアカガイとホッキガイ」

チートリアルは、小さめに作ったがまだ食べている。

「ヒラメ」  「中トロ」  「アオヤギとホタテ」

「マーメイドは、もっと新鮮なものを食べているんだから、満足できないんじゃない?」

「そんなことありません。
行動範囲は狭いですし、深いところにいる魚や大きな魚は捕れませんから、食べたことのないものもいっぱいありますね
それに、酢飯やお醤油なんてありませんし、こんな丁寧に調理してませんから、驚きました。
人間の世界にこれだけ完成された魚の料理が存在するなんて信じられません」

「そうだろう。ところで、あいつらはどうやって浮かんでるんだ?」

「飛行艇の技術をまねして、ブーツの裏にミスリルを張り付けてます」
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