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第二章

マーメイド

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「私を含めて50人のマーメイドがガンダの人間に拉致されました」

「でも、いつでも逃げられるんじゃないですか?」

「半数は人間に監禁され、毎日のように抱かれました……
もう半数は、人間のために魚を捕る毎日です。
それに、シマガメ様の元でないと、サメや海獣に襲われてしまいます」

「泳ぐのはそれほど早くないんですね」

「はい。攻撃手段も持っていませんので」

そうすると、ケビンは監禁されていたマーメイドを抱いたのかよ……

「今は100名ほどだと聞きましたが」

「私たちの子供です。毎日抱かれていれば身籠りますから」

「今は、残りの50人が海賊に囚われていると」

「半数は以前と同じように海に出ているのですが、サメが多くなり自由に漁ができないようです」

「そうすると……、まずはここの50人をシマガメの元に届けてから、囚われた50名の救出と海賊の盗伐かな」

「えっ、シマガメ様の元に帰れるんですか?」

「ここに残りたいの?」

「いえ、ここでも男に抱かれていますから……」

「やっぱりね。
じゃあ、マーメイドを集められるだけ……、いやゾロゾロ集めるのは無理か、ちょっと待ってて一応領主に断ってくるから」

シュン!

「うわぁ、ど、どこから……」

「こうやって、どこでも移動できるんですよ。
マーメイドから話は聞きました。彼女たちは全員シマガメのところに送り返しますから」

「で、ですが、人間と暮らせば、彼女たちも数を増やせます。
マーメイドは少数民族なんですよ」

「そこは、彼女たちと相談して考えますよ。じゃあ、そういう事で」

シュン!

「サクラ、瞬間移動って、場所に対して有効なだけかな、特定の人間や物に対しても使えるの?」

『シマガメに一度下りれば、何度でも行けますよ。誰かの元というイメージでも行けますが、障害物がある可能性がありますので、あまりお勧めはできませんね』

「了解。じゃあ、ソフィアさん行こうか」

「ど、どこへですか?」

「シマガメを探しにだよ」

シュン!

「こ、ここは?」

「飛空艇といって、空を飛ぶ乗り物だよ。
僕は、一度行ったところなら瞬間移動で行き来できるから、とりあえず一度シマガメに行かないとね」

キーン

「シマガメって何頭もいるのかな?」

「世界で5頭だと聞いています」

「5頭ね『遠距離探査”シマガメ”!』おっ、さっそく一頭発見」

シマガメの甲羅に着陸する。

「どう?君たちのいたシマガメかな?」

「ちょっと潜って確認してきます」

ソフィアさんは裸になって海に飛び込んでいきます。
空中で足が尾びれに変化すると、紛れもないマーメイドの姿になりました。

「いやあ、きれいだな……」

『何を胡麻化しているんですか?』

「いや、彼女たちを独占したいって気持ちもわかるなぁってさ」

「シュウさん、ここじゃあありませんでした『ブロー!』」

「あの、裸のままでいいですか」

「あっ、大丈夫です。理性で押さえますから」

「クスッ、シュウさんって変わってますね」

2頭目3頭目も違いました。
ほかのマーメイド族がいたらしいです。

4頭目

「あっ、多分ここです」
チャポン

数分後、ソフィアさんはゾロゾロと仲間を連れて戻ってきました。

「間違いありませんでした。
お母さんとお祖母ちゃんと、お姉ちゃんと妹たちです」

「ごめん、見分けがつきません……」

「いいんですよ。みんなソフィアですから」

「えっ?」

「血筋に連なるものは皆ソフィアなのです。
私たちの感謝の気持ちを受け取ってくださいね」

「えっ?」
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