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第一章
隣町のギルドマスター
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領主の次は、隣町のギルマスか……
「サクラ、隣町ってドロンとかいう名前だっけ?」
『ドランです。 人口1万人ですから、この町の5倍ですね。
ユーフラシア郡の中でも2番目に大きな町になります』
「この町が接しているのってそこだけだよね。
そういえばさ、この町ってヒューマノイドタイプが混在してるって言ってたけど、殆ど見かけないよね」
『ギクッ……いえ、ドラン側の山脈にドワーフ族が暮らしています。
炭鉱もドワーフ族の管轄になっているんですよ。
獣人やエルフも小規模の集落に住んでいるんです。ほら、イノシシ狩りに行ったような集落です』
「なるほどね。 まあ、獣人をモフりたいとか無いからいいけどさ。
俺にはサクラとクロウがいるからね」
「……ありがとうございます」
会議室にやってきた。ドアをノックし声をかける。
「シュウです」
「どうぞ」
俺はマリーさんの斜め後ろに立つ。
「うちの料理長になりますシュウです。
シュウこちらはドランのギルドマスターであるマックさんとAクラス冒険者のガンセキさんよ」
「シュウでございます。
若輩者ですがよろしくお願いします」
「料理人などどうでもいい。
この素材であるトリをよこすのかよこさないのかハッキリさせてくれ」
「トリですか……」
「貴様には聞いてない!」
「ですが、トリはすべてシュウの所有ですから……」
「問題は町対町の外交上にある。
個人の所有だろうがギルマス権限で取り上げればいいだけの事だろう。
それともコンゴウはその程度の権限もないというのかね」
「「シュウ……」」
カエデとマリーさんがすがるようにこちらをみたので、小さくうなづいておいた。
「少し検討させてください」
「な、何を……」
言葉を待たず部屋をあとにする。 確か先生が食堂にいたな。
「先生、実は……」 会議室での出来事を報告する。
「で、お前はトリを渡したくないんじゃな」
「ええ、せっかくやる気を出しているザムザのためにも、出来ればお断りしようと」
「うむ、少し前なら躊躇してただろうが……シュウ、お前1500人の軍隊を相手にできるかな?
断るという事は、その覚悟が必要って事じゃよ」
「1500人ですか……団長やお義父さんクラスがいると手こずりますが、まあ何とかできると思います」
「西の山脈を通る道は一本じゃ。
街での戦を避けるには、あそこで叩けば良い。
まあ、わしとコンゴウは気楽に動けるが、団は無理じゃな」
「本当にいいんですか?」
「いつまでもドランの奴らに大きな顔をさせるってのはつまらんからのう。 まあ、やってみい」
「はい! ありがとうございます」
会議室に引き返す途中でマリーさんが駆け込んできた。
「シュウ、大変よ! 返事があるまで預かるって、カエデが連れて行かれたの」
「分かりました。
サクラ、カエデの匂いで追えるな」
『容易いですわ』
「シュウ……回答は?」
「1500人程度なら、俺一人でも蹴散らしてみせますよ」
「そう、多分シュウなら可能ね。 気をつけてね。 カエデの事、お願い」
外に出ると走り去る馬車が見えた。
「サクラ、馬車の前に瞬間移動!」
今日は料理用のスキルばかりで、ろくなスキルをセットしていない。
収納から2m鉄筋を取り出して道を塞ぐ。
「どけ小僧!」
御者の言葉を無視して馬車の扉に手をかけるも、後ろから肩を掴まれた……と、左脇腹に痛みが走る。
見るとナイフが生えていた。
そのまま引き倒される。
「サクラ、隣町ってドロンとかいう名前だっけ?」
『ドランです。 人口1万人ですから、この町の5倍ですね。
ユーフラシア郡の中でも2番目に大きな町になります』
「この町が接しているのってそこだけだよね。
そういえばさ、この町ってヒューマノイドタイプが混在してるって言ってたけど、殆ど見かけないよね」
『ギクッ……いえ、ドラン側の山脈にドワーフ族が暮らしています。
炭鉱もドワーフ族の管轄になっているんですよ。
獣人やエルフも小規模の集落に住んでいるんです。ほら、イノシシ狩りに行ったような集落です』
「なるほどね。 まあ、獣人をモフりたいとか無いからいいけどさ。
俺にはサクラとクロウがいるからね」
「……ありがとうございます」
会議室にやってきた。ドアをノックし声をかける。
「シュウです」
「どうぞ」
俺はマリーさんの斜め後ろに立つ。
「うちの料理長になりますシュウです。
シュウこちらはドランのギルドマスターであるマックさんとAクラス冒険者のガンセキさんよ」
「シュウでございます。
若輩者ですがよろしくお願いします」
「料理人などどうでもいい。
この素材であるトリをよこすのかよこさないのかハッキリさせてくれ」
「トリですか……」
「貴様には聞いてない!」
「ですが、トリはすべてシュウの所有ですから……」
「問題は町対町の外交上にある。
個人の所有だろうがギルマス権限で取り上げればいいだけの事だろう。
それともコンゴウはその程度の権限もないというのかね」
「「シュウ……」」
カエデとマリーさんがすがるようにこちらをみたので、小さくうなづいておいた。
「少し検討させてください」
「な、何を……」
言葉を待たず部屋をあとにする。 確か先生が食堂にいたな。
「先生、実は……」 会議室での出来事を報告する。
「で、お前はトリを渡したくないんじゃな」
「ええ、せっかくやる気を出しているザムザのためにも、出来ればお断りしようと」
「うむ、少し前なら躊躇してただろうが……シュウ、お前1500人の軍隊を相手にできるかな?
断るという事は、その覚悟が必要って事じゃよ」
「1500人ですか……団長やお義父さんクラスがいると手こずりますが、まあ何とかできると思います」
「西の山脈を通る道は一本じゃ。
街での戦を避けるには、あそこで叩けば良い。
まあ、わしとコンゴウは気楽に動けるが、団は無理じゃな」
「本当にいいんですか?」
「いつまでもドランの奴らに大きな顔をさせるってのはつまらんからのう。 まあ、やってみい」
「はい! ありがとうございます」
会議室に引き返す途中でマリーさんが駆け込んできた。
「シュウ、大変よ! 返事があるまで預かるって、カエデが連れて行かれたの」
「分かりました。
サクラ、カエデの匂いで追えるな」
『容易いですわ』
「シュウ……回答は?」
「1500人程度なら、俺一人でも蹴散らしてみせますよ」
「そう、多分シュウなら可能ね。 気をつけてね。 カエデの事、お願い」
外に出ると走り去る馬車が見えた。
「サクラ、馬車の前に瞬間移動!」
今日は料理用のスキルばかりで、ろくなスキルをセットしていない。
収納から2m鉄筋を取り出して道を塞ぐ。
「どけ小僧!」
御者の言葉を無視して馬車の扉に手をかけるも、後ろから肩を掴まれた……と、左脇腹に痛みが走る。
見るとナイフが生えていた。
そのまま引き倒される。
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