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第一章
初めての冒険者ギルド
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ナイフのような刃物に男は憧れる。
単に切れ味を求めるならカッターナイフで十分である。
というか、切れ味を追求したのがカッターナイフである。
折りたたみナイフは、構造上横からの力に弱いため戦闘などには向かない。
そこは門番さんにも告げてある。
収納の中には、色々なナイフやカッター、行軍用のナタやカマ。万能ハサミや高枝切狭、チェーンソーに刈払機など様々な刃物類が入っている。
俺の趣味だ。
さて、あくまでも仮証で入場しているため、冒険者ギルドで登録しギルド証を発行してもらえば銀貨1枚を返してもらえる。
他にも商人ギルドや職人ギルドなどがあるが、冒険者ギルドが一番手っ取り早いらしい。
冒険者ギルドは当然入場門の近くに有る。
収納を持たない冒険者が、討伐した血まみれの魔物を荷車に乗せて町を行き来するなどありえない。
門番に教えられたとおり、冒険者ギルドに入り、一番手前の受付にいく。
「いらっしゃい。要件は?」
30代後半だろうか、お姉さんと呼べるくらいの女性が対応してくれた。
「初めてなんですが……冒険者登録をお願いします。
それと、この二匹は従魔登録が必要ですか?」
「はい。じゃあ、この用紙に必要事項を記入して……あっ、犯罪歴はないわよね?」
「ええ、今日初めて郡や町に入りますのでありません」
「えっ、知り合いとか身元を保証してくれる人は?」
「いません……」
「そうなると、鑑定士にステータスチェックしてもらう必要があるけど……金貨1枚よ。お金はある?」
「ないんです……できれば、先に獲物の買取とかしてもらえませんか。
ハイイログマ1匹と魔狼10匹で金貨1枚に足りますか?」
「状態がよければ、クマだけで金貨1枚になりますね。
ゴンちゃん、買取のお客さんよ。査定お願いね~」
「ほいきた。この時間の持ち込みは助かるぜ。お客さん、物はなんだい」
「ハイイログマ1匹と魔狼10匹だってさ」
「なら、ここじゃ無理だな。裏の倉庫まで来てくれかい。
手ぶらって事は収納持ちかな」
「はい。収納になります」
倉庫にまわり、指定の場所に獲物を取り出す。
「ほう、クマの方は一撃かい。狼の方は無傷かよ、いや細かい刺し傷があるのか。
状態はいいな。これならクマが銀貨15枚と狼が全部で銀貨10枚だな。
合計で金貨2枚と銀貨5枚だ。いいか?」
「はい。それでお願いします。
あっ、別件ですけど一角ウサギだと幾らになります?」
「ああ、毛皮に傷がなければ銀貨2枚だな。狼よりも美味いからな」
査定を終えた俺はカウンターに戻った……が、サクラとクロウがモフられていた。
誰にって、受付のお姉さんにです。
「あら、もっとゆっくりしてくれば良いのに。
まあ、いいわ。金貨1枚は用意できたみたいね。
じゃあ、その用紙を持ってついてきて」
お姉さんに連れられて奥の部屋に入る。
「オトメさん入るわよ。
保証人なしっていうからステ鑑定お願いします。
じゃあ、鑑定が終わったらさっきのカウンターに来てね。
あっ、ゆっくりでいいからね」
『ゆっくりでいいにゃ』
『シュウ、なるべく早く済ませてください!』
どうやらクロウはモフられてご機嫌のようだ。
サクラは嫌がっているみたいだけど。
普段から、クロウは俺のベッドで眠り、サクラはお気に入りのダンボールの上で寝てる。
ちなみに、ネコのしっぽの振り方は犬とは違う。
シッポを振っているからといってゴキゲンなわけではない。
サクラの場合、長くてふさふさのシッポなのだが、ちょっとダランとして軽く左右に振っているときは機嫌がいいときだ。
今は、ピンと立ててブンブンと振っている……
単に切れ味を求めるならカッターナイフで十分である。
というか、切れ味を追求したのがカッターナイフである。
折りたたみナイフは、構造上横からの力に弱いため戦闘などには向かない。
そこは門番さんにも告げてある。
収納の中には、色々なナイフやカッター、行軍用のナタやカマ。万能ハサミや高枝切狭、チェーンソーに刈払機など様々な刃物類が入っている。
俺の趣味だ。
さて、あくまでも仮証で入場しているため、冒険者ギルドで登録しギルド証を発行してもらえば銀貨1枚を返してもらえる。
他にも商人ギルドや職人ギルドなどがあるが、冒険者ギルドが一番手っ取り早いらしい。
冒険者ギルドは当然入場門の近くに有る。
収納を持たない冒険者が、討伐した血まみれの魔物を荷車に乗せて町を行き来するなどありえない。
門番に教えられたとおり、冒険者ギルドに入り、一番手前の受付にいく。
「いらっしゃい。要件は?」
30代後半だろうか、お姉さんと呼べるくらいの女性が対応してくれた。
「初めてなんですが……冒険者登録をお願いします。
それと、この二匹は従魔登録が必要ですか?」
「はい。じゃあ、この用紙に必要事項を記入して……あっ、犯罪歴はないわよね?」
「ええ、今日初めて郡や町に入りますのでありません」
「えっ、知り合いとか身元を保証してくれる人は?」
「いません……」
「そうなると、鑑定士にステータスチェックしてもらう必要があるけど……金貨1枚よ。お金はある?」
「ないんです……できれば、先に獲物の買取とかしてもらえませんか。
ハイイログマ1匹と魔狼10匹で金貨1枚に足りますか?」
「状態がよければ、クマだけで金貨1枚になりますね。
ゴンちゃん、買取のお客さんよ。査定お願いね~」
「ほいきた。この時間の持ち込みは助かるぜ。お客さん、物はなんだい」
「ハイイログマ1匹と魔狼10匹だってさ」
「なら、ここじゃ無理だな。裏の倉庫まで来てくれかい。
手ぶらって事は収納持ちかな」
「はい。収納になります」
倉庫にまわり、指定の場所に獲物を取り出す。
「ほう、クマの方は一撃かい。狼の方は無傷かよ、いや細かい刺し傷があるのか。
状態はいいな。これならクマが銀貨15枚と狼が全部で銀貨10枚だな。
合計で金貨2枚と銀貨5枚だ。いいか?」
「はい。それでお願いします。
あっ、別件ですけど一角ウサギだと幾らになります?」
「ああ、毛皮に傷がなければ銀貨2枚だな。狼よりも美味いからな」
査定を終えた俺はカウンターに戻った……が、サクラとクロウがモフられていた。
誰にって、受付のお姉さんにです。
「あら、もっとゆっくりしてくれば良いのに。
まあ、いいわ。金貨1枚は用意できたみたいね。
じゃあ、その用紙を持ってついてきて」
お姉さんに連れられて奥の部屋に入る。
「オトメさん入るわよ。
保証人なしっていうからステ鑑定お願いします。
じゃあ、鑑定が終わったらさっきのカウンターに来てね。
あっ、ゆっくりでいいからね」
『ゆっくりでいいにゃ』
『シュウ、なるべく早く済ませてください!』
どうやらクロウはモフられてご機嫌のようだ。
サクラは嫌がっているみたいだけど。
普段から、クロウは俺のベッドで眠り、サクラはお気に入りのダンボールの上で寝てる。
ちなみに、ネコのしっぽの振り方は犬とは違う。
シッポを振っているからといってゴキゲンなわけではない。
サクラの場合、長くてふさふさのシッポなのだが、ちょっとダランとして軽く左右に振っているときは機嫌がいいときだ。
今は、ピンと立ててブンブンと振っている……
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