3 / 224
第一章
初めての狩り
しおりを挟む
ワークシャツにカーゴパンツと作業員ベスト。
つま先と足裏に鉄板の入った編み上げブーツ。
腰には折りたたみナイフ2丁とスリングショット。
手には直径30mm×長さ2000mmの鉄筋。
スリングショット用の鉄球はポケットに入れてある。
とりあえずの必要そうなものは無限収納に入れておいた。
町までだと20kmか……歩いて4時間強……
まあ、今日のところは様子見だな。
家を出ようとするとネコ達がついてくる。
「お前たちはお留守番だろ……」
そう、最近の飼い猫は室内飼いなのだ。
ネコの病気……猫白血病や猫エイズから守るために、基本外には出さない。
『シュウのフォローするから、付いていくにゃ』
『ネコ科の動物はいますが、家猫は存在しません。
ですから、病気感染の心配はありませんよ。
それから、ダニなどはクリーンの魔法で除去できますからね』
「そっか、じゃあ一緒に行こうか」
轍(わだち)の残る3m程度の幅の道である。
30分ほど歩くが、何も起きない。
「物語なら、この辺で盗賊に襲われる馬車とか出そうなんだけどな……」
『そんな頻繁に盗賊が出てたら、町ぐるみで対策してますよ』
「じゃあ、モンスターに襲われる馬車。中にはお姫様が乗ってて、ムフフ……」
『王族が十分な護衛もなしに出歩くと思いますか?』
「ええっ?!俺の異世界ロマンはどうしてくれるんだ!」
『そんなに退屈なら、道を逸れて狩りでもしますか?』
『賛成にゃ!』
クロウも退屈だったみたいだ。
『左に100mほど下ると、ハイイログマがいます。
ベテラン狩人4人程度で狩る獲物ですが、行きますか?』
「手頃じゃん。いく!」
サクラの誘導に従って移動すると、体長2mほどの熊がいた。
『クロウに任せるにゃ』
「大丈夫か?」
『あの程度、多分余裕にゃ』
言葉通り、一撃でクマの首筋を切り裂いてみせた。
クロウは身体強化タイプみたいだ。
獲物を収納に収容する。
「サクラ、他にはいない?」
『そうですね……このまま下ると川があります。
そこに。魔狼が10匹いますね。
魔狼は単体なら成人男性一人で対応できますが、複数だとコンビネーションを使ってきますのでやっかな魔物と言えます』
「よし、それなら俺も参戦できるな」
素早い敵に対応できるよう、3m鉄筋を収納し、直径13mm長さ1000mmの鉄筋を取り出す。
だが、鼻の効く魔狼は俺たちの接近に気づき、逃げ出そうとした。
『アイスニードル!』
サクラの魔法であっさり一網打尽になる。
「……俺の獲物は……」
少し離れた場所で一角うさぎに遭遇する。
一角うさぎは、俺たちを認識すると頭の角を使って突進してきた。
俺は難なく身を躱しカウンターぎみに鉄筋を叩き込む。
「クロウがクマで、サクラが狼で、俺はウサギ……」
釈然としない想いだが、俺たちはそれぞれ初陣を飾った。
「ところで、言葉は通じるのかい?」
『日本語が通じるかと思いますか?』
「やっぱ……スキルで対応しないとダメ?」
『当然ですね』
「はあ、言語補正と……射的補正も必要だよな……
仕方ない、蘇生と幸せの祈りは消すか……」
実は、魔狼が逃げ出したとき、スリングショットで鉄球を打ち出したのだが的外れな方向へ飛んでいった。
初日はこんなところで引き上げることにする。
家に帰り、一角ウサギを解体するのだが、一般的なウサギの倍くらいはある。
血抜きして後ろ足を縛って吊るし、万能バサミを使って皮を剥いでいく。
頭を落として、内蔵を抜くと約4kgになった。
動画でしか見たことがなかったので悪戦苦闘しながら1時間かけて解体完了。
そのまま庭で網焼きする。
「弾力があってうまいな」
『プニプニしてますね』
『塩焼きよりも、焼肉のタレの方が美味しいにゃ』
二匹も当たり前に食べていたりする。
特に焼肉のタレに含まれている香辛料やネギ類は……ダメなはずなんだが……
スーパーキャットには問題なかったようだ。
つま先と足裏に鉄板の入った編み上げブーツ。
腰には折りたたみナイフ2丁とスリングショット。
手には直径30mm×長さ2000mmの鉄筋。
スリングショット用の鉄球はポケットに入れてある。
とりあえずの必要そうなものは無限収納に入れておいた。
町までだと20kmか……歩いて4時間強……
まあ、今日のところは様子見だな。
家を出ようとするとネコ達がついてくる。
「お前たちはお留守番だろ……」
そう、最近の飼い猫は室内飼いなのだ。
ネコの病気……猫白血病や猫エイズから守るために、基本外には出さない。
『シュウのフォローするから、付いていくにゃ』
『ネコ科の動物はいますが、家猫は存在しません。
ですから、病気感染の心配はありませんよ。
それから、ダニなどはクリーンの魔法で除去できますからね』
「そっか、じゃあ一緒に行こうか」
轍(わだち)の残る3m程度の幅の道である。
30分ほど歩くが、何も起きない。
「物語なら、この辺で盗賊に襲われる馬車とか出そうなんだけどな……」
『そんな頻繁に盗賊が出てたら、町ぐるみで対策してますよ』
「じゃあ、モンスターに襲われる馬車。中にはお姫様が乗ってて、ムフフ……」
『王族が十分な護衛もなしに出歩くと思いますか?』
「ええっ?!俺の異世界ロマンはどうしてくれるんだ!」
『そんなに退屈なら、道を逸れて狩りでもしますか?』
『賛成にゃ!』
クロウも退屈だったみたいだ。
『左に100mほど下ると、ハイイログマがいます。
ベテラン狩人4人程度で狩る獲物ですが、行きますか?』
「手頃じゃん。いく!」
サクラの誘導に従って移動すると、体長2mほどの熊がいた。
『クロウに任せるにゃ』
「大丈夫か?」
『あの程度、多分余裕にゃ』
言葉通り、一撃でクマの首筋を切り裂いてみせた。
クロウは身体強化タイプみたいだ。
獲物を収納に収容する。
「サクラ、他にはいない?」
『そうですね……このまま下ると川があります。
そこに。魔狼が10匹いますね。
魔狼は単体なら成人男性一人で対応できますが、複数だとコンビネーションを使ってきますのでやっかな魔物と言えます』
「よし、それなら俺も参戦できるな」
素早い敵に対応できるよう、3m鉄筋を収納し、直径13mm長さ1000mmの鉄筋を取り出す。
だが、鼻の効く魔狼は俺たちの接近に気づき、逃げ出そうとした。
『アイスニードル!』
サクラの魔法であっさり一網打尽になる。
「……俺の獲物は……」
少し離れた場所で一角うさぎに遭遇する。
一角うさぎは、俺たちを認識すると頭の角を使って突進してきた。
俺は難なく身を躱しカウンターぎみに鉄筋を叩き込む。
「クロウがクマで、サクラが狼で、俺はウサギ……」
釈然としない想いだが、俺たちはそれぞれ初陣を飾った。
「ところで、言葉は通じるのかい?」
『日本語が通じるかと思いますか?』
「やっぱ……スキルで対応しないとダメ?」
『当然ですね』
「はあ、言語補正と……射的補正も必要だよな……
仕方ない、蘇生と幸せの祈りは消すか……」
実は、魔狼が逃げ出したとき、スリングショットで鉄球を打ち出したのだが的外れな方向へ飛んでいった。
初日はこんなところで引き上げることにする。
家に帰り、一角ウサギを解体するのだが、一般的なウサギの倍くらいはある。
血抜きして後ろ足を縛って吊るし、万能バサミを使って皮を剥いでいく。
頭を落として、内蔵を抜くと約4kgになった。
動画でしか見たことがなかったので悪戦苦闘しながら1時間かけて解体完了。
そのまま庭で網焼きする。
「弾力があってうまいな」
『プニプニしてますね』
『塩焼きよりも、焼肉のタレの方が美味しいにゃ』
二匹も当たり前に食べていたりする。
特に焼肉のタレに含まれている香辛料やネギ類は……ダメなはずなんだが……
スーパーキャットには問題なかったようだ。
0
お気に入りに追加
145
あなたにおすすめの小説
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし〜
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
女神様から同情された結果こうなった
回復師
ファンタジー
どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる