29 / 48
第二章 勇者
そのメイド-議長補佐になる
しおりを挟む
さて、後任の領主だが議会制をとろうということになり、他薦で先生と定吉さんも入ってしまいました。
5人の議員の中で議長・副議長・会計・書記・総務と役割分担をすることになりましたが、なんと先生が議長に選ばれました。
「先生、おめでとうございます」
「めでたくなんかねえよ。なんで俺が…」
「実務は絶対に嫌だというから。仕方ないじゃないですか」
「あれは罠だ。ブギョーやつ、自分が議長になりたくないからって、俺に押し付けやがった…」
「だったら、実務をみんなに押し付けちゃえばいいんですよ」
「そうだな、マルコ、お前議長補佐な」
「なんでそうなるんですか」
「議長権限だ」
「職権乱用です」
「正当な権限の行使だ。
ついでに、慰労・感謝祭の実行委員長に任命する」
「セクハラです」
「なんだそりゃ」
それからが大変でした。
町の中央広場に櫓を組み、お酒や料理の手配。挨拶の順番と乾杯の音頭…
「では、議長っつうことで、何か困ったことがあったらマルコか副議長のブギョ-に言ってくれ。
じゃ、みんなご苦労さん、来年も頑張ってくれ。乾杯!」
「「「カンパーイ!」」」
なんでそこで私の名前が出てくるのかな…
まあ、町をあげての宴会ということで、抽選会だとかちょっとしたゲームとかで盛り上がりました。
ちなみに、抽選会の特賞は議長のブロンズ胸像です。
これは受けました。
当選した主婦は、漬物石にするそうです。
こうして、日常が戻ってきました。
私は、毎日の献立を考えて、繕い物をして、自分の鍛錬を続けます。
近江屋さんにはリバーシを作ってもらい、和菓子の亀吉さんにはアイスクリームを提案します。
ある日のこと、オオガミさんと大君が訪ねてきました。
武見先生とは旧知で、雷撃を使う勇者が現れたと聞いて来られたそうです。
「うちの大五郎も、勇者の助けとなるべく育ててきた。
パーティーのメンバーとして考えておいてくれ」
「大君と一緒なら心強いです。
こちらからもお願いいたします」
大神さんは数日滞在されるようで、その間大五郎と大君。それに先生の息子さん武見一樹君の三人で手合わせをしています。
やっぱり、二歳年上の一樹君が一歩とびぬけていて、大君と大五郎は同じくらいみたいです。
それからも、大君は時々訪ねてきて大五郎たちと数日過ごして帰っていきます。
いつしか時が過ぎて、大五郎も9歳になっていました。
体も大きくなり、声も太くなりました。
長めの髪は、後ろで束ねています。
「マルコよ、わしも大五郎に教えるものは教えた。
そろそろ、パーティーメンバーを探す旅に出なさい。
魔王の勢力は日増しに大きくなっておる。
決戦もそれほど先延ばしにはできないようじゃからな」
5人の議員の中で議長・副議長・会計・書記・総務と役割分担をすることになりましたが、なんと先生が議長に選ばれました。
「先生、おめでとうございます」
「めでたくなんかねえよ。なんで俺が…」
「実務は絶対に嫌だというから。仕方ないじゃないですか」
「あれは罠だ。ブギョーやつ、自分が議長になりたくないからって、俺に押し付けやがった…」
「だったら、実務をみんなに押し付けちゃえばいいんですよ」
「そうだな、マルコ、お前議長補佐な」
「なんでそうなるんですか」
「議長権限だ」
「職権乱用です」
「正当な権限の行使だ。
ついでに、慰労・感謝祭の実行委員長に任命する」
「セクハラです」
「なんだそりゃ」
それからが大変でした。
町の中央広場に櫓を組み、お酒や料理の手配。挨拶の順番と乾杯の音頭…
「では、議長っつうことで、何か困ったことがあったらマルコか副議長のブギョ-に言ってくれ。
じゃ、みんなご苦労さん、来年も頑張ってくれ。乾杯!」
「「「カンパーイ!」」」
なんでそこで私の名前が出てくるのかな…
まあ、町をあげての宴会ということで、抽選会だとかちょっとしたゲームとかで盛り上がりました。
ちなみに、抽選会の特賞は議長のブロンズ胸像です。
これは受けました。
当選した主婦は、漬物石にするそうです。
こうして、日常が戻ってきました。
私は、毎日の献立を考えて、繕い物をして、自分の鍛錬を続けます。
近江屋さんにはリバーシを作ってもらい、和菓子の亀吉さんにはアイスクリームを提案します。
ある日のこと、オオガミさんと大君が訪ねてきました。
武見先生とは旧知で、雷撃を使う勇者が現れたと聞いて来られたそうです。
「うちの大五郎も、勇者の助けとなるべく育ててきた。
パーティーのメンバーとして考えておいてくれ」
「大君と一緒なら心強いです。
こちらからもお願いいたします」
大神さんは数日滞在されるようで、その間大五郎と大君。それに先生の息子さん武見一樹君の三人で手合わせをしています。
やっぱり、二歳年上の一樹君が一歩とびぬけていて、大君と大五郎は同じくらいみたいです。
それからも、大君は時々訪ねてきて大五郎たちと数日過ごして帰っていきます。
いつしか時が過ぎて、大五郎も9歳になっていました。
体も大きくなり、声も太くなりました。
長めの髪は、後ろで束ねています。
「マルコよ、わしも大五郎に教えるものは教えた。
そろそろ、パーティーメンバーを探す旅に出なさい。
魔王の勢力は日増しに大きくなっておる。
決戦もそれほど先延ばしにはできないようじゃからな」
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ReBirth 上位世界から下位世界へ
小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは――
※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。
1~4巻発売中です。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる