稀代の魔物使い

モモん

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第Ⅵ章 南の大地

どっちにする?

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シーリアはナキュの町に飛んで、3日後から積み荷を倍にしてもらうよう依頼した。
それと、塩を追加してもらう。
とりあえず一袋分けてもらい、そのままダイバーンのアナカワヘ飛び、塩を確認してもらう。

「おお、早速手に入れてくれるとはありがたい。
うん、十分な品質だよ」

「3日後から運搬を開始しますから、とりあえず積み荷の手配だけお願いします。
根幹のレートなど詳しいことは後日詰めますが、先行して実施したいんですがよろしいですか?」

「もちろんだよ。
輸送の費用も考えなければいけないが、うちとしては塩は早いほど助かる」

「じゃ、よろしくお願いします」

「承知した」



シーリアはシュトーリアに戻って国王に報告する。

「3日後から先行実施かよ。
相変わらず気が早いな」

「王様だって、おいしいフルーツ早く食べたいでしょ」

「まあ、そうなんだが。
これほど重要な案件は、普通数か月かけて調整するもんだ」

「そんなに待ってたら、フルーツの時期を逃しちゃうじゃありませんか。
アナカワの人たちだって、早く塩が欲しいんですって」

「商人だったら、そういう品物こそもったいをつけて値を吊り上げるんだぞ」

「私は商人じゃないし、できれば少しでも安い値段で販売したいです。
みんなが美味しいものを安く食べられるように」

「まあ、王族としてはその考え方は正しいのかもしれんな」

「王様だって、できるなら毎日ヨロイウオを食べたいでしょ」

「毎日じゃ飽きそうだから、三日に一度くらいだな」

「私は、毎日メロンやスイカを食べたいかな」

「スイカとはなんだ?」

「あっ……」

「お前な、普通は自分が食べなくても、先に俺に食わせるもんだぞ」

「なんで?」

「それが王と家臣の務めだ」

「私は家臣じゃなく王族の一員です」

「ぐっ……
で、スイカとはなんだ」

「すっごく瑞々しいフルーツ。
でも嵩張るからそんなに量を運べないの」

「ともかく、一度食わせろ」

「あっ、今日うちに来れば食べられるよ」

「なんでそれを持ってこないんだ」

「一個しか持ってこれなかったから」

「わかった、今夜行くからな」

「仕方ないなぁ」

「やっぱり定期的にお前のところへ行かないと、何を隠してるかわからんな」

「あっ、ヨロイウオ」

「なに?」

「さっき、料理長にヨロイウオ渡したから、今夜はお城でヨロイウオだよ」

「ぐっ、両方食うからいい」
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