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第Ⅴ章 北からの来訪者
セシル出陣
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競技については、一般4種目と魔法4種目で、合計8種目となった。
一般競技は20kmの長距離走、40kmの飛行、木製武器使用の武術、そして武器を使わない闘技である。
そして魔法は、火・水・土・風の4属性である。
従魔が参加できるのは、一般では飛行競技だけで、魔法4競技は参加可能である。
シーリアと魔王ルシフェルは、今回裏方に徹するため競技には参加しない。
魔王は内心でシーリアが競技に参加しないことを喜んでいた。
正確にはシーリアの従魔が参加しないことをである。
準備を進めるのに、従魔たちの能力は十分に把握できている。
もし、出場した場合、飛行と魔法4競技はシーリアの従魔に上位を独占されただろう。
それでは、こんな大会を開く意味がない。
シーリアと魔王による開会宣言で競技が始まる。
中央のコロシアムでは一般競技、4っつのコロシアムでは魔法の競技が行われる。
中央コロシアム最初の競技は40kmの飛行離走だ。
オープン参加のこの競技は、20km先にある中継点までの往復で競われる。
参加者は約100名の魔族と、セシルが操るワイバーンとの一発勝負だ。
ヒト族に飛行魔法は使えるものがいないためこんな状況となった。
飛行服に身を包んだセシルは落ち着いているが、ワイバーンの方は初めての環境にやや挙動が不安定だ。
用意ドンの合図があったにもかかわらず、ワイバーンは動かない。
というよりも、セシルが意識的にスタートを遅らせたようだ。
一呼吸おいて、セシルのGOがかかる。
ワイバーンは大きく羽ばたき、ゆっくりとした旋回を始める。
観衆の誰もが、魔族の勝利を確信する中で、ワイバーンは旋回・上昇を続ける。
時速100kmほどで飛ぶ魔族が、中継点の中ほどに差し掛かったころ、セシルのワイバーンはやっと自分の風を見つけた。
いつまで経っても、中継点のある北に向かわないワイバーンを、観衆が嘲笑しだしたところだった。
クンと加速していくワイバーンは、それでもゆっくり移動しているようにしか見えなかったのだが、中継点で折り返す時は同時だった。
中継点で再び上昇に移り、今度はそれほど時間をかけずに折り返してくることがわかると、やっと観衆の中でもその速度の違いがわかってきた。
「あのワイバーン、早いぞ!」 「どうした魔族!急げ!」
魔族から悲鳴の上がる中で、中央コロシアムに最初に降り立ったのはワイバーンだった。
圧倒的な速度差を見せつけたセシルは、主に人間側の声援に応えて軽く手をあげるのだった。
一般競技は20kmの長距離走、40kmの飛行、木製武器使用の武術、そして武器を使わない闘技である。
そして魔法は、火・水・土・風の4属性である。
従魔が参加できるのは、一般では飛行競技だけで、魔法4競技は参加可能である。
シーリアと魔王ルシフェルは、今回裏方に徹するため競技には参加しない。
魔王は内心でシーリアが競技に参加しないことを喜んでいた。
正確にはシーリアの従魔が参加しないことをである。
準備を進めるのに、従魔たちの能力は十分に把握できている。
もし、出場した場合、飛行と魔法4競技はシーリアの従魔に上位を独占されただろう。
それでは、こんな大会を開く意味がない。
シーリアと魔王による開会宣言で競技が始まる。
中央のコロシアムでは一般競技、4っつのコロシアムでは魔法の競技が行われる。
中央コロシアム最初の競技は40kmの飛行離走だ。
オープン参加のこの競技は、20km先にある中継点までの往復で競われる。
参加者は約100名の魔族と、セシルが操るワイバーンとの一発勝負だ。
ヒト族に飛行魔法は使えるものがいないためこんな状況となった。
飛行服に身を包んだセシルは落ち着いているが、ワイバーンの方は初めての環境にやや挙動が不安定だ。
用意ドンの合図があったにもかかわらず、ワイバーンは動かない。
というよりも、セシルが意識的にスタートを遅らせたようだ。
一呼吸おいて、セシルのGOがかかる。
ワイバーンは大きく羽ばたき、ゆっくりとした旋回を始める。
観衆の誰もが、魔族の勝利を確信する中で、ワイバーンは旋回・上昇を続ける。
時速100kmほどで飛ぶ魔族が、中継点の中ほどに差し掛かったころ、セシルのワイバーンはやっと自分の風を見つけた。
いつまで経っても、中継点のある北に向かわないワイバーンを、観衆が嘲笑しだしたところだった。
クンと加速していくワイバーンは、それでもゆっくり移動しているようにしか見えなかったのだが、中継点で折り返す時は同時だった。
中継点で再び上昇に移り、今度はそれほど時間をかけずに折り返してくることがわかると、やっと観衆の中でもその速度の違いがわかってきた。
「あのワイバーン、早いぞ!」 「どうした魔族!急げ!」
魔族から悲鳴の上がる中で、中央コロシアムに最初に降り立ったのはワイバーンだった。
圧倒的な速度差を見せつけたセシルは、主に人間側の声援に応えて軽く手をあげるのだった。
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