稀代の魔物使い

モモん

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第Ⅳ章 ワイバーンの故郷

ドラゴンづくし

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「さあ、遠慮なさらないでおかけください。
せっかくのお料理がさめてしまいますから」

そう言いながら、私は手を引いて適当な席に誘導します。

王子は、ジャルク王女のいる席へ。
二人とも次期国王ですから、いろいろと話すこともあるでしょう。

サラダは事前に大皿で用意してあります。
簡単に乾杯して食事にかかります。

「では、最初はドラゴン・デ・ローストをお召し上がりください」

赤みの薄切りをメイドたちが取り分けます。

「大ぶりの塊をじっくり焼いてから、内側の肉を薄切りにしたものです。
赤みですが、十分に火はとおしてありますのでご安心ください」

「こ、これはステーキの内側だけ……」

「さようでございます。
外側は、うちの従魔たちがおいしくいただきました。
脂身がありませんので、さっぱりとポン酢でお召し上がりください」

「柔らかくて旨いな」 「素材の豊かさがわかりますね」

「これならいくらでも食えそうだな」

「次は、ドラゴンレバーのあぶり焼きです。
外側だけさっと焼いてありますので、半生になっております。
これはニンニク醤油でどうぞ。
もし、半生が苦手な方はおっしゃってくださいね」

「ドラゴンの血が入っていく感じがする。
これは、効きそうだ」

「次は新作になります。
ドラゴン肉の唐揚げです。
下味はついていますので、そのままお召し上がりください。
熱いので注意してくださいね」

「おわっ、外側はサクッと……」 「…………」 「…………」

「「「美味い!」」」  「「おいしい!」」

「サクッと噛みつくと、肉汁がジュワーッと……」

「まさか、こんな調理法があったなんて」

「さすがにパトリア料理長の師匠!」

「肉の弾力がなんともいえません」

「こんな美味い肉を提供してくれたアルトハインに感謝する!」

「次は玉子料理です。
ドラゴンひき肉の玉子包みをお召し上がりください」

「くっ……どうすれば、こんなにフワッとした食感になるんだ」

「続いて、ドラゴン肉の青菜包みです。
煮込んでありますので、スープと一緒にしてあります」

「ああ……、この国に移住しようかな……」

「最後になります。
ドラゴンとキノコのソテーです。
地竜だけあって、キノコとの相性バッチリです」

最後に、王子に耳打ちします。

「ステーキ肉は別に切り分けてサランの葉でくるんでありますので、帰ってからパトリアに焼いてもらってくださいね。
それと、ソイソースと新作の果実ソースも荷車に積んでありますので、パトリアに渡してください」

サランの葉というのは、大きい葉っぱで、匂い移りしないんです。
肉は氷室で保管して、明日出発する時には保冷用の木箱に詰めて持って行ってもらいます。

「申し訳ない。感謝します」

「とんでもないです。
こんなに美味しいお肉を料理できたんですから、こちらからお礼を申し上げます。
本当にありがとうございました」

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