99 / 142
第五章 結婚
第95話 王配の重さ
しおりを挟む
「それで、出来の悪いものを買い取ってどうするんだ。」
里の人を帰した後で長老が聞いてきた。
「僕の店でスイーツに加工して売り出します。」
「スイーツだと?」
「お兄ちゃんのスイーツ、すっごく美味しいんだよ。」
「おお、ジュリは食べさせてもらったのかい。」
「うん。えっとね。サクッとして甘くて美味しいの。ジュリ、大きくなったらスイーツ作る人になりたい。」
「だがな、そういう職業に就くには何年も修行しなくてはならないんだぞ。」
「大丈夫だよ。まらびしゃってところで一年勉強しればいいんだって。」
「まらびしゃ?」
「学び舎です。子供たちに読み書きや算術を教えるところで、今回職業コースも作ったんです。」
「何だそれは。」
「菓子作りや衣類を作る人。鍛冶師・魔法技師・料理人などを育成する場所で、通えなくても住み込みで学ぶことができます。講師には現場から退いた一流の職人に来てもらっていますから将来性にも期待できます。」
「それは、自然と生きる我々には必要のないものだな。」
「そうですね。……でも、薬師などはどうでしょうか。」
「薬師なら……この里にもおる。」
「でも、この里にある素材だけではなく、全世界の薬を知っていて使いこなせる人がいた方が、より役に立てるのではないでしょうか。」
「随分前にそういって里から出て行った者もおる。……どうなったのか知らんがな。」
少し引っかかったような言葉だった。
「もし、その言葉がホントなら証明してくれ。」
「証明?」
「ああ。今現在も病気やケガで具合の悪い者がいる。」
「よければ診ましょうか。」
「そうしてくれれば助かる。」
「では、そこに横になってください。」
「ワハハッ、ワシではない。」
「いえ。家から出てこられた時に左足を少し引きずっていましたよね。ノドの調子も悪そうだ。」
「……医師の目というやつか。」
「医師としてのタウ局長は王国で一番といわれていますから、どんな些細なことも見逃しませんよ。」
「アミラさん、大袈裟ですよ。」
「いいえ。腐っていた御典医に真っ向から戦いを挑んで医療体制をひっくり返したんですから大袈裟ではありません。」
「ほう、最近のことじゃな。」
「はい。御典医の手に負えなかったソフィア王女様の病を治してしまったんですから、全面対決になってしまったのは仕方ありませんよね。」
「いえ、僕は王女の病を治しただけで、御典医と対立した訳じゃありませんよ。」
「いや、よく陛下が治療を認めたものじゃな。」
「そうなんですよ。竹ペンや板バネの功績があったので陛下からも信用されていたんでしょうね。結局は総務局長の養子にまでなられましたから。」
「待て待て、総務局長といえばシーザ・フォンダンではないのか?」
「ええ、そうですわ。タウ局長はタウ・フォンダン様。王族です。」
「なにぃ、ホントなのか!それに、竹ペンの開発者といえば……確か、ドラゴンに焼かれて……障害を負った子供。」
長老は俺の顔を見て、茶色く変色した右手を見た。
「そうだ、確かにタウという名前だった……」
「おかげさまで、ここまで回復できました。」
「回復できたじゃありませんわ。ご自分で治されたんです。私も幼いころのタウ様を拝見したことがあります。あの状況からここまで回復されたのは奇跡としか思えません。」
「自分で自分を治療したのか。信じられんことじゃ。」
「それが一番の治療実績ですわ。」
「アミラさん、もうやめよう……」
「では、最後にとっておきの情報を一つ。」
「まだあるというのか。」
「タウ様はソフィア王女様の婚約者であらせららます。」
「……まさか……王子はうまれておらんのか?」
「はい。王位継承権第一位の王女様です。」
長老は俺の顔をもう一度見た。
「外見でなく、血筋でもない者を陛下も王女も認めたと……」
「反対の声を聞いたことがありません。国民も認めているのだと思います。」
「次期王配が直接来たということか。なぜ農林局長が直接来ないのかと訝しんでおったが……。」
「いえいえ、次期王配とか関係ありませんから。僕は僕で、ソフィアはソフィアですから。」
「馬鹿をいうな!次期王配の言葉がどれほど重いものか考えてみろ。しかし、とんでもない者をよこしてくれたもんだな。」
「はいはい、その話は終わりにしましょう。では、横になってください。」
俺は長老を診察して治療を施し、薬を処方した。
「ほお、これはエルフと同じ処方じゃな。」
「ええ、ジャニスから教わった……」
俺は何気なく口にしてしまい、ハッと気が付いた。
「ジャニス……じゃと……」
「ジャニスが……」
ほかの人からも声があがる。これは……禁則ワードだったか……。
「ジャニスとはエルフのジャニスなのだな。」
「はい……。」
「どこにおるのじゃ。」
「それは、理由をお聞かせいただけないと明かせません。」
「何故じゃ?」
「……本人の口からは、里に行けないと聞いているからです。」
「お主のところにおるのじゃな?」
「……。」
長老は緊張を緩めた。
「それならば良い。無理に連れ帰るつもりもない。ジャニスはワシの娘じゃ。」
「えっ……。」
「十年以上前になるか、他国のエルフとワシが進めた婚姻があってな。」
「婚姻話が……。」
「嫁入りの直前になって、あやつは里から消えたのじゃ。」
「多分、そのあとで、貴族である医師の元で修行し、薬師としての技量を高めていったのだと聞いています。」
「そうか。薬師として学び続けたいという夢は追い続けたんじゃな。」
「はい。現在も僕と同じで、城の非常勤医師として登録してあります。」
「ほう。医師として認められるまでになりおったか。だが、出奔して以来何の音沙汰もない。実の娘じゃ。心配しないはずがないじゃろう。」
「そういう事でしたか。ジャニスは僕の家の執事をしてもらっています。僕がこうして自分の仕事に専念できるのも、ジャニスが家のことを仕切ってくれているからです。ソフィアからの信頼も厚いですから、このままいてほしいと願っています。」
「次期王配の執事かよ。エルフの中では出世頭じゃないか。みんな、聞いた通りだ。ジャニスが見つかったぞ。」
「帰りましたら、こちらに顔を出すように説得します。」
「ああ、よろしく頼む。」
「あれっ?ということは、ジュリは……。」
「ジャニスの兄、ジョイスの娘じゃよ。生まれたのはジャニスが出て行った直後じゃがな。」
奥で、女性が二人抱き合って泣いている。お母さんと妹だろうか。
【あとがき】
ベン・ジョイス、ロサンゼルス・エンゼルスの剛速球投手ですね。いやあ、名前に苦労しなくてよかった……。
里の人を帰した後で長老が聞いてきた。
「僕の店でスイーツに加工して売り出します。」
「スイーツだと?」
「お兄ちゃんのスイーツ、すっごく美味しいんだよ。」
「おお、ジュリは食べさせてもらったのかい。」
「うん。えっとね。サクッとして甘くて美味しいの。ジュリ、大きくなったらスイーツ作る人になりたい。」
「だがな、そういう職業に就くには何年も修行しなくてはならないんだぞ。」
「大丈夫だよ。まらびしゃってところで一年勉強しればいいんだって。」
「まらびしゃ?」
「学び舎です。子供たちに読み書きや算術を教えるところで、今回職業コースも作ったんです。」
「何だそれは。」
「菓子作りや衣類を作る人。鍛冶師・魔法技師・料理人などを育成する場所で、通えなくても住み込みで学ぶことができます。講師には現場から退いた一流の職人に来てもらっていますから将来性にも期待できます。」
「それは、自然と生きる我々には必要のないものだな。」
「そうですね。……でも、薬師などはどうでしょうか。」
「薬師なら……この里にもおる。」
「でも、この里にある素材だけではなく、全世界の薬を知っていて使いこなせる人がいた方が、より役に立てるのではないでしょうか。」
「随分前にそういって里から出て行った者もおる。……どうなったのか知らんがな。」
少し引っかかったような言葉だった。
「もし、その言葉がホントなら証明してくれ。」
「証明?」
「ああ。今現在も病気やケガで具合の悪い者がいる。」
「よければ診ましょうか。」
「そうしてくれれば助かる。」
「では、そこに横になってください。」
「ワハハッ、ワシではない。」
「いえ。家から出てこられた時に左足を少し引きずっていましたよね。ノドの調子も悪そうだ。」
「……医師の目というやつか。」
「医師としてのタウ局長は王国で一番といわれていますから、どんな些細なことも見逃しませんよ。」
「アミラさん、大袈裟ですよ。」
「いいえ。腐っていた御典医に真っ向から戦いを挑んで医療体制をひっくり返したんですから大袈裟ではありません。」
「ほう、最近のことじゃな。」
「はい。御典医の手に負えなかったソフィア王女様の病を治してしまったんですから、全面対決になってしまったのは仕方ありませんよね。」
「いえ、僕は王女の病を治しただけで、御典医と対立した訳じゃありませんよ。」
「いや、よく陛下が治療を認めたものじゃな。」
「そうなんですよ。竹ペンや板バネの功績があったので陛下からも信用されていたんでしょうね。結局は総務局長の養子にまでなられましたから。」
「待て待て、総務局長といえばシーザ・フォンダンではないのか?」
「ええ、そうですわ。タウ局長はタウ・フォンダン様。王族です。」
「なにぃ、ホントなのか!それに、竹ペンの開発者といえば……確か、ドラゴンに焼かれて……障害を負った子供。」
長老は俺の顔を見て、茶色く変色した右手を見た。
「そうだ、確かにタウという名前だった……」
「おかげさまで、ここまで回復できました。」
「回復できたじゃありませんわ。ご自分で治されたんです。私も幼いころのタウ様を拝見したことがあります。あの状況からここまで回復されたのは奇跡としか思えません。」
「自分で自分を治療したのか。信じられんことじゃ。」
「それが一番の治療実績ですわ。」
「アミラさん、もうやめよう……」
「では、最後にとっておきの情報を一つ。」
「まだあるというのか。」
「タウ様はソフィア王女様の婚約者であらせららます。」
「……まさか……王子はうまれておらんのか?」
「はい。王位継承権第一位の王女様です。」
長老は俺の顔をもう一度見た。
「外見でなく、血筋でもない者を陛下も王女も認めたと……」
「反対の声を聞いたことがありません。国民も認めているのだと思います。」
「次期王配が直接来たということか。なぜ農林局長が直接来ないのかと訝しんでおったが……。」
「いえいえ、次期王配とか関係ありませんから。僕は僕で、ソフィアはソフィアですから。」
「馬鹿をいうな!次期王配の言葉がどれほど重いものか考えてみろ。しかし、とんでもない者をよこしてくれたもんだな。」
「はいはい、その話は終わりにしましょう。では、横になってください。」
俺は長老を診察して治療を施し、薬を処方した。
「ほお、これはエルフと同じ処方じゃな。」
「ええ、ジャニスから教わった……」
俺は何気なく口にしてしまい、ハッと気が付いた。
「ジャニス……じゃと……」
「ジャニスが……」
ほかの人からも声があがる。これは……禁則ワードだったか……。
「ジャニスとはエルフのジャニスなのだな。」
「はい……。」
「どこにおるのじゃ。」
「それは、理由をお聞かせいただけないと明かせません。」
「何故じゃ?」
「……本人の口からは、里に行けないと聞いているからです。」
「お主のところにおるのじゃな?」
「……。」
長老は緊張を緩めた。
「それならば良い。無理に連れ帰るつもりもない。ジャニスはワシの娘じゃ。」
「えっ……。」
「十年以上前になるか、他国のエルフとワシが進めた婚姻があってな。」
「婚姻話が……。」
「嫁入りの直前になって、あやつは里から消えたのじゃ。」
「多分、そのあとで、貴族である医師の元で修行し、薬師としての技量を高めていったのだと聞いています。」
「そうか。薬師として学び続けたいという夢は追い続けたんじゃな。」
「はい。現在も僕と同じで、城の非常勤医師として登録してあります。」
「ほう。医師として認められるまでになりおったか。だが、出奔して以来何の音沙汰もない。実の娘じゃ。心配しないはずがないじゃろう。」
「そういう事でしたか。ジャニスは僕の家の執事をしてもらっています。僕がこうして自分の仕事に専念できるのも、ジャニスが家のことを仕切ってくれているからです。ソフィアからの信頼も厚いですから、このままいてほしいと願っています。」
「次期王配の執事かよ。エルフの中では出世頭じゃないか。みんな、聞いた通りだ。ジャニスが見つかったぞ。」
「帰りましたら、こちらに顔を出すように説得します。」
「ああ、よろしく頼む。」
「あれっ?ということは、ジュリは……。」
「ジャニスの兄、ジョイスの娘じゃよ。生まれたのはジャニスが出て行った直後じゃがな。」
奥で、女性が二人抱き合って泣いている。お母さんと妹だろうか。
【あとがき】
ベン・ジョイス、ロサンゼルス・エンゼルスの剛速球投手ですね。いやあ、名前に苦労しなくてよかった……。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
俺と幼女とエクスカリバー
鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。
見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。
最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!?
しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!?
剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕
【完結】暁の荒野
Lesewolf
ファンタジー
少女は、実姉のように慕うレイスに戦闘を習い、普通ではない集団で普通ではない生活を送っていた。
いつしか周囲は朱から白銀染まった。
西暦1950年、大戦後の混乱が続く世界。
スイスの旧都市シュタイン・アム・ラインで、フローリストの見習いとして忙しい日々を送っている赤毛の女性マリア。
謎が多くも頼りになる女性、ティニアに感謝しつつ、懸命に生きようとする人々と関わっていく。その様を穏やかだと感じれば感じるほど、かつての少女マリアは普通ではない自問自答を始めてしまうのだ。
Nolaノベル様、アルファポリス様にて投稿しております。執筆はNola(エディタツール)です。
Nolaノベル様、カクヨム様、アルファポリス様の順番で投稿しております。
キャラクターイラスト:はちれお様
=====
別で投稿している「暁の草原」と連動しています。
どちらから読んでいただいても、どちらかだけ読んでいただいても、問題ないように書く予定でおります。読むかどうかはお任せですので、おいて行かれているキャラクターの気持ちを知りたい方はどちらかだけ読んでもらえたらいいかなと思います。
面倒な方は「暁の荒野」からどうぞ!
※「暁の草原」、「暁の荒野」共に残酷描写がございます。ご注意ください。
=====
この物語はフィクションであり、実在の人物、国、団体等とは関係ありません。
吾輩は駒である
夜美神威
ファンタジー
コンビニ店員さん、ファミレスの店員さん、
ガソリンスタンドの店員さん
警備員さん、交通整理員さん、理容師さん、
警察官、消防士、医者、看護師の公僕の皆様
証券マン、営業マン、ウルト〇マンさ~ん
お仕事ご苦労様です!!
さぁ一年に1度やって来る勤労感謝の日こそ
皆様大いにはっちゃけましょう。
おなじみのショートショート集から
社会問題の短編小説まで
バラエティに富んだ内容でお届けします
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
最強執事の恩返し~大魔王を倒して100年ぶりに戻ってきたら世話になっていた侯爵家が没落していました。恩返しのため復興させます~
榊与一
ファンタジー
異世界転生した日本人、大和猛(やまとたける)。
彼は異世界エデンで、コーガス侯爵家によって拾われタケル・コーガスとして育てられる。
それまでの孤独な人生で何も持つ事の出来なかった彼にとって、コーガス家は生まれて初めて手に入れた家であり家族だった。
その家を守るために転生時のチート能力で魔王を退け。
そしてその裏にいる大魔王を倒すため、タケルは魔界に乗り込んだ。
――それから100年。
遂にタケルは大魔王を討伐する事に成功する。
そして彼はエデンへと帰還した。
「さあ、帰ろう」
だが余りに時間が立ちすぎていた為に、タケルの事を覚えている者はいない。
それでも彼は満足していた。
何故なら、コーガス家を守れたからだ。
そう思っていたのだが……
「コーガス家が没落!?そんな馬鹿な!?」
これは世界を救った勇者が、かつて自分を拾い温かく育ててくれた没落した侯爵家をチートな能力で再興させる物語である。
【完結】婚活に疲れた救急医まだ見ぬ未来の嫁ちゃんを求めて異世界へ行く
川原源明
ファンタジー
伊東誠明(いとうまさあき)35歳
都内の大学病院で救命救急センターで医師として働いていた。仕事は順風満帆だが、プライベートを満たすために始めた婚活も運命の女性を見つけることが出来ないまま5年の月日が流れた。
そんな時、久しぶりに命の恩人であり、医師としての師匠でもある秋津先生を見かけ「良い人を紹介してください」と伝えたが、良い答えは貰えなかった。
自分が居る救命救急センターの看護主任をしている萩原さんに相談してみてはと言われ、職場に戻った誠明はすぐに萩原さんに相談すると、仕事後によく当たるという占いに行くことになった。
終業後、萩原さんと共に占いの館を目指していると、萩原さんから不思議な事を聞いた。「何か深い悩みを抱えてない限りたどり着けないとい」という、不安な気持ちになりつつも、占いの館にたどり着いた。
占い師の老婆から、運命の相手は日本に居ないと告げられ、国際結婚!?とワクワクするような答えが返ってきた。色々旅支度をしたうえで、3日後再度占いの館に来るように指示された。
誠明は、どんな辺境の地に行っても困らないように、キャンプ道具などの道具から、食材、手術道具、薬等買える物をすべてそろえてた。
3日後占いの館を訪れると。占い師の老婆から思わぬことを言われた。国際結婚ではなく、異世界結婚だと判明し、行かなければ生涯独身が約束されると聞いて、迷わず行くという選択肢を取った。
異世界転移から始まる運命の嫁ちゃん探し、誠明は無事理想の嫁ちゃんを迎えることが出来るのか!?
異世界で、医師として活動しながら婚活する物語!
全90話+幕間予定 90話まで作成済み。
護国の鳥
凪子
ファンタジー
異世界×士官学校×サスペンス!!
サイクロイド士官学校はエスペラント帝国北西にある、国内最高峰の名門校である。
周囲を海に囲われた孤島を学び舎とするのは、十五歳の選りすぐりの少年達だった。
首席の問題児と呼ばれる美貌の少年ルート、天真爛漫で無邪気な子供フィン、軽薄で余裕綽々のレッド、大貴族の令息ユリシス。
同じ班に編成された彼らは、教官のルベリエや医務官のラグランジュ達と共に、士官候補生としての苛酷な訓練生活を送っていた。
外の世界から厳重に隔離され、治外法権下に置かれているサイクロイドでは、生徒の死すら明るみに出ることはない。
ある日同級生の突然死を目の当たりにし、ユリシスは不審を抱く。
校内に潜む闇と秘められた事実に近づいた四人は、否応なしに事件に巻き込まれていく……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる